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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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投信ユーザーと為替
10月末に黒田バズーカ第2弾が放たれて以降、円安が凄まじい勢いとなっています。
確か10月31日の東京仲値時点では109円台で、11月14日には116円台(時間帯によっては117円を窺う)まで来ているので、半月で7円程度上昇したことになります。
(117円に近づいていた頃、ツイッターの片隅では117系電車の写真に始まり豪ドル円相場にちなみ101系電車とかポンド円相場にちなみ183系電車とかが張られる大喜利が繰り広げられましたが、それはどうでもいいことです)



↑117系電車。今年の9月、京都駅にて。絶滅危惧種に近づいてきているので巡り合えたら幸運です。



単純に外貨預金か何かでドルを買ってただけでも半月で6~7%くらいの利益になっていた計算で、おそるべき利幅と速度です。
私は1ドル70円台とか80円台とかの時に買っていた米国債がいくらかあるので、久々に確認してみたら評価益がとんでもないことになっていてびびっているところです。(ほぼ全てが為替による寄与。債券価格による寄与はほぼ無いといっていいレベル)

こうした状況になってみると、為替差益を狙っていつか来た道とでも言うべき外貨預金ブームやFXブームが来てもおかしくなさそうです。
あるいは逆に、こうしたあまりにも急な変動に警戒して「高値掴みダメ絶対。ここは堅実に」と心がけてドルコストなどで外貨購入をする向きもあるかもしれません。

さて、どうなんでしょう。



結論的には、外貨投資をする意味はないといってよいと思っています。
(ここで外貨投資とは、「実需によらず円ベースの利益を得るだけの目的で」「外貨それ自体を売買目的物とする(当該外貨を使って債券や株式等の資産を購入するものではない)」取引を言います)

為替レートがどう動くかは、専門家の間でも色々言われており、無論私の理解が到底及び切るところではありませんが、ごくごく大雑把に言ってしまえば「対象通貨の属する国の金利差を相殺する方向に動く」ということになるようです。
(厳密には金利というよりは物価を考慮することになるんでしょうが、「金利は物価上昇率にある程度連動する」というセオリーが正しいとすれば、金利をベースに考えてしまってもある程度近似した話になりそうです…たぶん。)

例えば、日本国の金利が年1%、X国(通貨単位CU)の金利が年5%で、現在のレートが1CU=100円として、これらの金利がインフレ率を正しく反映しているとするならば、1年後には「現在日本で100円で買えるものは1年後には101円で買える」「現在X国で1CUで買えるものは1年後には1.05CUで買える」となりますから、1年後の為替レートは「1.05CU=101円」⇔「1CU=96.19円」となるのが自然になりそうです。つまり、より低金利(≒低インフレ率)の円は円高に、より高金利のCUはCU安になっていくことになります。
さらに、こうした予想が立ってしまうならば、今のうちから円を買っておこうという動きが引き起こされるのは自然ですから、より早い段階で「1CU=96.19円」に近い相場に到達してしまう可能性もありそうです。

日本円は現在のところ低金利・低インフレの代表選手ですから、基本的には大抵の通貨との関係で円高圧力が絶えず掛かっていることになります。つまり、将来的には為替差損を蒙っていくことになる可能性が高いということになります。

ユーロが金融緩和をするようですからユーロとの関係ではどうなっていくか微妙なところもあるかもしれませんが、アメリカはこの先利上げをしていくフェーズなので、ますます円高ドル安になっていきそうな環境です。
つまり、(債券とか株とかを買うなら金利という為替差損と引き換えの高リターンも享受できるけど(株のリターンも、金利+プレミアムとして説明する考え方によれば、金利と無関係ではありません))、通貨だけを単独で買うとなると「それ、損失だけ蒙って利益はないけど…本当にいいんですか?」という話になりかねません。

とはいえ、「円高になりやすい=為替差損になりやすい」という結論に至るまでのここまでの理屈の上で置いてきたいくつもの前提が本当にその通りなのか、それ自体難しい話で、その通り行くとは限らない。
また、「低金利⇔通貨の供給量が多い」ということですから、短期的には低金利通貨は供給過剰による値下がりが起こる場合もあります。それこそ、2発のバズーカ(日銀が資産購入を増やす→円の供給が増える→国債利回り低下&円安)の時のように。
そうしたことを考えると、「本当に円高にしかならないのか怪しいもんだ、円安になるかもしれない」という向きがあるのも至極当然です。


ただ、そうであるとしても、外国債券や外国株式を買っておけば、その段階で十分に為替の影響を受けることになっています。
特に国際分散投資をするインデックス投資家であれば、おそらくMSCIコクサイやシティ世界国債といったところに連動するファンドを持っているでしょうから、それでよいということです。

例えば、MSCIコクサイ指数は、日興アセットの販売資料によると、米国が59%、英国が10%などといった比率になっているようです。
言い換えれば、MSCIコクサイに連動するインデックス投信に1万円の積立投資をするという行為は、「米ドルを5900円、ポンドを1000円…」といった具合に積み立てる行為を内包しているということです。

投信や国内ETFで投資を行っていると、円建てで決済が行われたり評価額が表示されたりするのでイメージしにくいですが、その裏では当然(投資対象の株や債券を買うために)外貨の売買もされており、投資対象国の通貨との間での為替変動によるリスクも負っていれば為替差損益も享受しています。投資対象が外国であれば為替関連のリスク・リターンが影響するという理屈は、こちらで詳しく分かりやすく説明されています

しかも、外国株式や外国債券を購入していれば、株式や債券由来のリターンを享受できます。既述の通り、円高圧力がかかる理由は「外国の高金利と引き換え」ということですから、逆に言えば債券金利のリターンを得ておけば為替差損をキャンセルできる理屈になり、明らかに為替を単独で取引対象とするより有利です。

こうしてみると外国資産を投資対象に含めている人が、重ねて外貨投資に手を出す意味は、非常に乏しいと言ってよいでしょう。
仮に為替が円安になるという相場観があったとしても、それならば外国資産に対する投信への拠出を増やすなどすれば、それで足りる(その方が有利である)と思います。
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[ 2014/11/16(日) 03:22 ]
[ 最終更新:2016/03/17(木) 01:18 ]

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