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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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投信のコストは低コスト寄りへの自然収斂を待ちたい
去る25日、セゾン投信でのブロガーミーティングが開かれたそうです。
私は参加していないどころかツイッターの書き込みやブログ記事でもってその存在を知ったわけですが、そもそも同社のファンドを一度も保有したことがありませんから呼ばれる道理自体がないというものです。
……誰ですか、「そもそも誰にもブロガーとして認識されてない」なんて真実を血も涙も無く指摘するのは。

さて、そのレポートより、席上で話された内容の中で1点気になった点がありましたので、考えを述べたいと思います。
(ほぼ最近のツイートで言ったことのまとめです)

まず、該当する発言をエムアットさんのレポートより引用します。

Q.米国バンガードから見て日本市場はどのくらい大事に思っているのでしょうか?

A.
(中略)
低コストなインデックスファンドが出てきていますが、そうしたファンドを提供している会社を見るとアクティブファンドで稼いだお金の付け替えで低コストなインデックスファンドを提供している状況で、そこに理念は全くないと思います。
数年では優劣はわかりませんが、バンガードのように理念を持って愚直に運用を続けるファンドとの差は徐々にボディブローのように効いてくるのではないでしょうか?(バンガード:曽田)
バンガードのファンドはクォリティが違います。そこが保証されているというのが我々がバンガードを選んでいる理由であり、ファンドはコストだけでなく理念やクォリティにも注目して欲しいと思います。(セゾン投信:中野)
クリスマスの夜は今年もセゾン投信ブロガーズミーティング ("いい投資"探検日誌 from 新所沢)

ニッセイや三井住友DC、DIAMたわら等といった(超)低コスト投信を念頭に、これらの会社のように一方に(超)高コスト投信を持ちつつ帳尻を合わせる状況は「理念がない」という言葉で批判・牽制…とまではいかないのかも知れませんが、少なくとも価値観が違うということを表明しているようです。

これに対し、森村ヒロさんのコメントを引用してみます。

インデックスファンドの低コスト化に関する「誰かの犠牲が前提になっている低コスト化は(セゾン投信の)フィデューシャリーの考えにそぐわない」について。

一般の会社の場合、その時点でのキャッシュカウ事業で得た利益を、次の事業の柱となりうる領域(成長領域)に先行して投じることは当たり前、当然やるべきことで、逆に、このサイクルをしくじると、組織としての存続が危うくなるわけです。事業ポートフォリオ、ライフサイクルと言われる考え方。

この点でも一般の事業会社との違いがあるんだなとハッとしました。どちらがいい、悪いとかではなく。

以下は、セゾン投信というより投信業界全体に対するモヤモヤです。

資産形成の手段としては望ましくない毎月分配や通貨選択型の高コストなファンドと、低コストなインデックスファンドの組み合わせを事業ポートフォリオとみなすのが妥当なのか、これがむずかしい。

高コストファンドを選んでいる方が、もろもろ理解してそれでも、自分の意思で選んでいる分には何も問題もないのですが、現状はとてもそうとは思えないのでむずかしいし、意見のわかれるところ。
第4回 セゾン投信ブロガーズミーティングに参加して考えたこと  (ひと手間くわえた積立投資で資産形成)

(超)高コストと(超)低コストの並存が、単なる事業ポートフォリオということで正当化しても良いのではないか、そうとも言い切れないのだろうか、との疑問です。

どう考えましょうか。



事業ポートフォリオに過ぎない


私は、(超)高コストと(超)低コストのファンドを並存させるのも単なる事業ポートフォリオとみなしてよいという考えです。
概ね高コストのファンドは投資家の資産運用に貢献する性能が低く、識見ある投資家からの社会的評価も低下させる一方、金融機関には大きな金銭的利益をもたらします。低コストのファンドは概ねその逆の関係が成り立ちます。
つまり、低コストファンドの販売を増やし、あるいは全体的にコストを低減させるならば、金銭的収益を諦めると引き換えに顧客への貢献度や社会的評価の向上を手に入れるという関係が成り立っています。
暗黒面に落ちた会社であれば、社会的評価など問題ともせずひたすら金銭的利益をもたらす(超)高コストファンドを売るのでしょうが、そこまで社会的評価を落としては生き延びて行けないと考えている会社は、(超)高コストと(超)低コストの割合を考えて、金銭的利益と社会的評価とを最大化させる最適点を模索することになるのでしょう。
要は、各社なりにその最適点を目指しているだけのことです。
セゾン投信の場合も、単に、中コスト(もはや年率0.7%内外は「低」とはいえない水準でしょう)のファンド1本だけの構成で、高コストも低コストも持たないというのが、顧客への影響や会社リソース等諸要因を鑑みて最適ポートフォリオということなのだろうと思います。

投資家は、高コストを容易に回避できる


(超)高コストと(超)低コストの並存体制を論難する理由となっている「誰かの犠牲を前提としている」という点については、何が悪いのか、というのが正直なところです。
犠牲というといかにも非人道的なことをしているようですが、しかしこれは各投資家において今や容易に回避可能です。
投資関係の用語を検索ウィンドウに適当に並べてみれば、すぐに投資ブログが引っかかります。どこかのサイトのように一瞥の価値もないようなのも混ざってますが、大抵は、投資の考え方について(あるいは初心者目線で、あるいはベテラン・プロ目線で)平易に述べていたり、コスト比較を丹念に並べていたり、優良ファンドの紹介をしていたりします。
また、ノーロード投資信託徹底ガイド毎月分配型投資信託を斬るのように個別のファンドについて長所短所を事細かに解説したり実際の質疑応答を公開しているサイトもあります。
これら有益な情報源にごく簡単にアクセスできる状況下において、それでもなお、投資価値のおよそ無いような(超)高コストファンドに引っかかるとはどういうことでしょうか。
単に、誰でも特別な能力を要せずできるようなごく簡単な情報収集も怠ったような人たちが、それによって高い代償を払わされるようになったとすれば、それは直ちに非難されるような事とは考えられません。普通の買い物だってチラシや価格比較サイトでの調査を怠れば、そのようなことは起こるのです。

一方で、より効率的な資産運用方法を自力で探索・追求できる意識と能力のある人は、そうでない人に比べてより低いコストを享受する機会が与えられても、これもまた納得できる話でしょう。
投資家がコントロールできるのはアセットアロケーションとコストだけなのです。そこを自力で最適化しようとする人にとっては、まさに超低コスト投信こそが必須のツールであって、そこに理念などは特に意思決定要因でも何でもありません。
たとえそれが高邁な理想によるものであろうが、超高コスト投信の利益によって支えられているものであろうが、そのようなことは意味が無いんです。

中コスト投信の役割 高コスト投信をこそ食って販売ラインナップ最適点を低コスト寄りに移動させる


とはいえ、(超)高コスト投信なるものがこの世にあるよりはなくなったほうがよいというのは特に異議を唱えるほどのものではありません。
ただ、そのためにできることは、「『フィデューシャリーの考えにそぐわない』との主張のもと、犠牲云々という理想論を宣言して自社の『中コスト』を正当化すること」「既に超低コスト投信を利用するだけの調査能力・実践力を有している人たちを集めてそのような理想論を説くこと」なのかと言うと違うでしょう。
そうではなく、そんなことをしている暇に「(超)高コスト投信に吸い込まれている客にこそ働きかけて、これを中コスト投信の客として引き抜くこと」ではないでしょうか。
知識も調査力も実践力も備えてしまっている、(超)低コスト投信を活用している客にいくら呼びかけたっていまさら中コスト投信に呼び戻されたりはしません。
しかしながら、それらの能力も経験も不十分な完全初心者にとっては、まだまだコスト水準においても運用機能においても極めて強力な運用ツールとして存在価値は衰えていません。コストは(超)高コスト投信に比べれば年率0.5%~1%程度は改善できますし、1本で全世界分散投資できるバランスファンドというのは有意義ではあります。
(超)高コスト投信より先に中コスト投信の方に取り込んでしまい、相対的に中コスト+(超)低コスト投信の層が厚くなり(投資家が習熟していけば勝手に低コスト投信の層は厚くなっていきます)、高コスト投信を買う客層がが相対的に薄くなっていけば、金融機関が高コスト投信を売ろうとしても「評判が低下するのは変わらない一方、それと引き換えの金銭的収益向上幅は縮小する」ことが期待できるのではないでしょうか。
つまり、いずれ高コスト投信を開発・販売してみても悪評が立つばかりで割が合わないという事態を引き起こす。それができるのが、(運用自体の機能が高い)中コスト投信ではないでしょうか。
仮に首尾よくそのように「高コスト投信を売ると割が合いにくい」という形になれば、投信のラインナップにおいて「(超)高コスト・中コスト・(超)低コスト」の割り振りの最適点も低コスト寄りに移動していくことも考えられます。
また、中・低コスト投信への投資が増えていくことによって、スケールメリットにより全体的に「高コスト」「中コスト」「低コスト」といわれるものの数値的水準そのものが低下していく可能性は容易に想定できるところです。
そのようにして業界全体にコストの低下を惹起してこそ、セゾン投信の望むものは達成できるのではないでしょうか?

繰り返します。
(超)低コスト投信を使っている人にいくら呼びかけても、もう(超)低コスト投信を捨てて中コスト投信には回帰しません。
(超)高コスト投信を使っている人に呼びかけて引き抜いてきてこそ、全体的なコスト低下は達成できます。

呼びかける相手を正しく見極めて頂きたい。

(そして、そのためにはやはり金融機関での申込み受付は欠かせないのではないでしょうか。いくら郵便局でセミナーを開いたところで、その場で申し込みをできないのでは、わざわざ窓口まで来て高コスト投信を買わされるようなネット利用の能力が乏しい層には所期の効果が挙げられるか難しいものがありそうです)



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[ 2015/12/30(水) 20:23 ]
[ 最終更新:2016/03/18(金) 00:50 ]

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