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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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分配金問題は認知度向上の端緒となった年…だといいなあ
前回の記事でもネタにした多階建て投信は、ひたすら分配金を出せる理屈付けをする機能に特化した代物でした。

この分配金過剰の問題ですが、しかし、2015年には多少認知向上の端緒もあったといえるかもしれません。

まず、トータルリターン通知制度の開始です。
2014年12月から義務付け開始ですから、実際に通知すべきことになるタイミングを考えるとほぼ今年の出来事といっても差し支えは無いでしょう。
いよいよ適用開始 投信制度改革 トータルリターン通知制度 (大和総研)
これを見れば、要するに分配金と評価益・売却益と全部含めた損益が出てくるわけですから、分配金の入金だけ見て「よし、儲かってるな」という誤解からは脱することになる可能性があります。
あくまで、通知を見ていればですが。

また、分配金特化型の投信の進化に関する簡明な雑誌記事が掲載され、さらにそれが投資系話題のまとめブログにも転載され大きな話題を呼んでいます。
毎月分配型投信「第4世代」のひどすぎる手口 (ダイヤモンドオンライン)
毎月300円の分配金でホイホイ釣れると話題の4階建てクソ投信、日本株アルファ・カルテット(毎月分配型) (市況かぶ全力2階建)

そして、ここで取り上げられたのに代表される多階建て投信は軒並みトータルリターンが惨憺たる有様になっているようです。
日本株アルファ・カルテットなどは、税引き前分配金込みの1年トータルリターンが2015年12月30日現在でなんと▲13.29%。

2015年の1年間で、日本株の指数であるTOPIXは配当抜きで10%ほど上昇しているので、大変なアンダーパフォームです。
言うまでもなく、コールオプション売りにより「相場の上昇には付いていけず、下落には付いていく」という形になっているのがその要因です。

日本株が好調なときにこういう結果が出たのは、ある意味しめたものかもしれません。
トータルリターンの報告を見て、「日本株はこの1年で上がっているはずだが…分配金を含めてもマイナス? どういうことだこれは?」という風になってくれれば、運用内容がおかしい、分配金を出すために変な運用になっているということに気づくきっかけになる可能性はあります。

参考
「3階建て」「4階建て」投資信託のトータルリターンが悲惨なことになっている (アーツ&インベストメント・スタディーズ:教養としての国際分散投資の研究と実践)





そもそも、分配金が重視されるというのは、預金利息の代替ないし補完というイメージでしょう。
セールストーク自体、預金の金利の不満を和らげる流れに持っていく方法があるようです。
(定期預金の書替えに来店したお客様に)預金金利がご期待に沿えず、申し訳ありません。・・・こう言った後にお客に自ら、金利が低いと文句を言ってもらうんだと。そしたら押しつけではなくて、他に良い運用方法があると、スムーズに話が進むらしい。
お客様の心をつかむ投信販売の使えるトーク60選 (ノーロード投資信託徹底ガイド)


また、上記の「アルファ・カルテット」は日本株がベースですが、運用先に債券系の資産を使っているようなありがちなパターンだといっそう利息感が強まるかもしれません。

しかし、預金と投資信託というのは、構造が根本的に違うものです。
預金というのはお金を完全に銀行に渡すものです。
法的には消費寄託契約で、お金の所有権は完全に銀行に固有資産として移転してしまい、あとどう使おうが銀行の勝手。投資や融資に使って儲けようが、焦げ付かせて大穴を開けようが、預金者といえど一切手出しも口出しもできません。
その代わり、同種・同量の物(要するに預けたのと同額の金銭)に約定金利を付けて返せと主張する権利があるに過ぎません。
ただし、逆に元本と約定金利はどうあっても銀行の財布や金庫の中から現金を出してきて返す義務を負う。銀行は預かった金を仮に使い込んで損失を出していたとしても、誰か他の人から借金してでも預金者に返済しなければならない
それだけ返済さえすれば、あとは運用損も運用益も銀行のもの。
要するに、預金者とお金そのものは完全に切り離されて、数字だけ(一定の金額を払えという権利だけ)の関係になってしまっている
だからこそ元利の払いが保証される。

それに対し、信託は投資家と信託財産とがいつまでも直接の支配・所有関係を持つ。
信託財産は受託者や運用者の固有財産や他の信託財産とは明確に分別され、投資家はそれら固有財産や他の信託財産には何の権利もない。(その代わり固有財産の所有者や他の信託財産の関係者からも何の手出しもされない)
預金みたいに、誰かが外から分配金原資を借りてきて払ってくれるなんてことはない。
従って、分配金を出すにしても自分の信託財産を削るだけで、言ってみれば自分の財布その1からその2に移すに過ぎない。
財布その2の残高は増えるかもしれないが財布その1の残高は減る。
(1)まず信託財産内で運用益を稼いできて、(2)次にその範囲内で分配するのでなければ信託財産は枯渇する

このように、預金利息と分配金はインカムゲインとして似たような外見であるけれど、その原資が他人(銀行)持ちなのか自分(運用益)持ちなのかという点で決定的に相違する。
これが、「無理やり分配金を出すための運用をしている」投信の大きな評価損(基準価額下落)の要因であること。
分配金を出すためだけにオプション売りなど値上がり益を放棄する運用をした結果、全体の相場状況に反して大損をしている投信が出てきている(日本株であるだけに顕著に分かりやすい)今年は、その分配金追及のいびつさに気づきやすい年だったように思います。

来年の投資環境がどうなるか分かりませんが、トータルリターン制度の定着とともに、このいびつな分配金問題への理解はいっそう進捗することは期待したいと思います。

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[ 2015/12/31(木) 23:59 ]

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