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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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一般事業会社にもゼロ金利で意外に影響が出るかもしれませんよ
ご案内の通り、1月29日の金融政策決定会合により日銀当座預金にマイナス金利が導入されて以降というもの、市場金利も急低下が続いています。
国債利回りも8年物までマイナスを示すなどという状況に至っている中で、投資家界隈でも色々と考察が喧しくなっています。
日銀のマイナス金利導入で資産運用にどのような影響があるか (アーツ&インベストメント・スタディーズ)
マイナス金利で確実に言えること (ひとり配当金生活)
マイナス金利政策導入に伴うMMFなどの日々決算型公社債投資信託の購入の申込一時停止状況まとめ (1億円を貯めてみよう! chpter2)

当然ですが、預金・債券・MMFといった金利もの商品での運用が困難になることが指摘されています。
また、株式市場では銀行株が収益の圧迫を受けてパフォーマンスが振るわなくなるという観測が強いようです。
(実際に、マイナス金利導入が発表されて以降の日本株全体の回復の場面でも、銀行だけは振るわない成績だったようです)

いずれもその通りだとは思うのですが、今般の金利の大幅な低下によって、銀行・金融以外の一般事業会社にも業績に影響が出てくる可能性があるということは指摘しておきたいと思います。
PER、EPSなどへの影響を通じて、株式投資のパフォーマンスにも影響が出てくるかもしれません。

業績に影響が出てくるといっても、借入利息が増減するとかの話ではありません。
会計基準のいたずらとでも言いましょうか。

参考リンク
各会計基準における「割引率」の違い (新日本監査法人)

*「いたずら」以外の部分でも金利によるメリット・デメリットは企業ごとにありうるので、全体として業績にプラスになるかマイナスになるかは企業次第です。本記事はあくまで影響の一部分だけを切り取ったものです。



金利が下がるということはキャッシュフローの現在価値が上がるということ


金利が下がるということは、債券価格が上がる。これは投資家には常識の範疇でしょう。
しかしこの理論は、金融資産を売買・保有するときにのみ通用するという話ではありません。
実は、企業会計でも将来の見込みキャッシュフローを現在価値に割り引いた上で負債に計上したり損失計上の基準にしたりする処理があります。
典型的なのは退職給付会計、減損会計などがこれに当たります。
退職金制度がある会社や固定資産を保有する会社はすべて影響を受けることになります。

退職給付引当金繰入額が大幅に増加すれば収益圧迫


退職給付会計は、ざっくり言えば将来見込まれる退職金(一時金でも年金でも。ただし、入社から現在までに勤務済みの期間に対応する部分に限る)の現在価値を債務として認識しようとするものです。
現在価値に割引くには、無リスク金利を使うものと言われており、適宜の期間の国債利回りはその一例となります。
そしてこの割引計算は決算ごとに再計算しますから、前に決算してから次に決算するまでに金利が下がっていれば現在価値が上がりますから、引当金の追加繰り入れが(当該期間の勤務自体によって積み増すべきもの以上に)必要になってきます。
その結果、収益を圧迫する要因になってきます。

私もちょうど会社で今年度見込み&新年度予算を作成中で、退職給付引当金の今期見込み額を1月末の国債利回りで計算してみたら大変な額になってしまったところです(^^;
(部分的にはまさにマイナス金利に嵌ってしまい、まさかマイナスで割引く(=支給額面より大きな引当金になる!?)事もできないのでゼロ割引=支給額そのままを引当金に計上することに…)
私の会社は規模も知れていますから(そもそも上場企業でもありませんが…)、大変な額といってもさほどのものでもありませんが、何千人何万人という規模の企業になってくるとそうも言っていられないかもしれません。
確定拠出年金しかないとか、そもそも退職給付制度が全くないとかいう会社には関係ありませんが、さすがにそこまで徹底している上場企業というのも限られているでしょうから、多かれ少なかれ影響を受けることになりそうです。

付け加えますと、この退職給付引当金の繰入額は会計上は費用になっても税務上は実際に退職金が支払われるまで損金になりません。
従って繰入れた額には税効果会計を適用することになり、通常は実効税率相当分の繰延税金資産を計上することによって、それを差し引いた残りの額だけが純利益の減少になる(例えば、実効税率が30%、当期の引当金繰入が100だとすると、繰延税金資産が30計上され、純利益の減少は70に止まる)わけですが…
仮に、損金算入(退職金支給)時に十分な課税所得が見込まれない(要は、業績不振が見込まれる)会社の場合は繰延税金資産の計上が制限されますから、最悪の場合、追加繰入額がまるまる当期の純利益の減少になってしまう可能性もあります。
まさに泣きっ面の蜂というべき話であり、考えようによっては、こういう予想外の金利状況によって引当金を積まされる場面とは将来にわたって十分な利益を上げ続けられる勝ち組企業とそうでない負け組企業との差が明瞭になる踏み絵ともいうべき場面かもしれません。

減損損失額は少なくて済むかも


減損会計とは、一定の判定基準により収益性が低下しているとみなされる固定資産につき、将来キャッシュフローの現在価値まで簿価を切り下げようという制度です。
ここでの現在価値計算には無リスク金利ではなく様々なリスクを織り込んだ利率を使うべきものとされていますから、ゼロ金利にまでなってしまうことはないと思いますが、無リスク金利が低下していれば幾ばくかの影響は当然出てくるでしょう。
簿価とキャッシュフロー現在価値との差額が当期の損失になりますから、金利低下により将来キャッシュフローの現在価値が上がることになれば、損失計上額は少なくて済んだり、損失そのものがなくなってしまうかもしれません。
従って、こちらは企業業績にプラスの影響になるといえなくはないのですが、そもそも減損会計の対象になってしまうような資産を持っているという時点で色々問題ですから、あまり大手を振って喜んでいいもなのかどうか(^^;

実態に影響はなくても業績上のノイズになる


どちらかというと企業業績に重大な問題になるのは退職給付のほうでしょう。
減損と違って、どんなに効率的な経営をしている優良企業であっても問答無用に引当金繰入れ費用の増加が強いられます。
本業での業績が悪化しているわけでもないのに金利情勢で収益悪化を強いられるというのは企業にとってもそこの株を買う投資家にとっても痛手かもしれません(こうしてみると確定拠出型の利点がよく分かるというものです)。
確定給付型の退職給付制度を持っている限り、ほぼ全企業がこれによる業績悪化を受けるのですから、個別株投資家のみならずインデックス投資家にとっても他人事ではありません。

金利が急低下した一時期だけ一気に費用増になるというだけですから、長期投資という前提であれば大して気にすることでもありませんが(むしろ一時的な相場下落要因となればスタンスによっては仕込み時ということもありうる?)、それにしても広範囲に及ぶノイズになりそうです。



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[ 2016/02/03(水) 03:16 ]
[ 最終更新:2016/03/18(金) 00:38 ]

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