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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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「お金の教養」。20代女子から見ても60代保険社長から見ても共通ということ。 |
働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義 [Kindle版](出口治明)を読みました。
本書の内容を物凄く雑に説明すると、先にレビューした「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」をほぼ同じベクトルのまま教養面・知識面においてパワーアップしたもの、ということになりましょうか。
本書の筆者は、言わずと知れたライフネット生命の創業社長であり、日本生命時代を含め30年以上を金融業界のエリートコースで過ごしてこられた人物です。 その方が、20代を中心とする若年層を想定してお金との付き合い方を「知る編」「使う編」「貯める編」「殖やす編」「稼ぐ編」の5項に分けて語りかける形になっております。 が、その内容が両書対比してみると興味深い。
第1章 20代から考える将来への備え 20代、30代だからこそ、お金のことを考える (中略)/貯蓄と資産形成の目的/「お金のふやし方」は誰も教えてくれなかったし、わからなかった/親には頼れない/お金の本質とは何だ このままぼけっと生きていくとどうなるのか考えてみた 日本はこれからどうなるの?/考えておきたい、お金のこと 20代だけど長生きのリスクと老後の収入について考えてみる 我々20代の老後はどうなる?/20代で老後のことを考えるなんて、「ばからしい」?/資産の形成/終身年金の確保 インフレからお金を守るための「投資」はしなくてはならないのか? 「何もしないことのリスク」を考えてみた 後で楽するために、人生のマネープランを考えとく
第1講 「知る」編 なぜ、お金には不安ばかりがつきまとうのか? お金の不安はじつは「思い込み」だった! 日本って借金ばかり増えているらしいけれど大丈夫? お金の正体ってなんだ? 不公平をなくすためのたった2つの方法 払った額の2倍もらえる年金は、損か 「世代間格差」にとらわれすぎると不安になる 政府は結局、何をしてくれるのか 「負担が給付」の大原則 「不安お化け」を撃退しよう!
両書の最初の章の目次(上が「29歳で2000万円」、下が本書)を抜粋しましたが、なんとなく雰囲気がお分かりでしょうか? どちらの書も、まずお金あるいはマネープランというものの総論につき、「その本質は何なのか」「何故考えなければならないのか」「今直面している課題は何なのか」という点に向き合って、それから貯め方や使い方・増やし方などの各論に入っていくという、実によく似たアプローチとなっています。 「29歳で2000万円」の方は、自分の身の回りで起こっていること(あるいは起こりそうなこと)からざっくりとイメージを起こしていくボトムアップ的なアプローチなのに対し、本書は(流石に専門家でして)「日本の借金とは何か」「世代間格差は何故」「政府の役割とは」等々という個別の疑問に対して答えを与えていくトップダウン的なアプローチであると整理したいと思います。そして、両書とも「闇雲に不安がったりするのではなく、自分の頭で考え、できることをやっていこう」という感じのところに落ち着いています。 この辺りは、身の丈並みのところから考えるのか仕組みに関する知識を教わりつつ学んでいくのか、読者によって合う合わないあるかと思いますが、できれば両書ともに読むとより確かな腹落ちがするのではないかと思います。
また、2章目以降、お金の貯め方・使い方に関しても、両書とも「お金を自分なりの価値観にのっとって有意義に使う。特に使い方を型にはめたりするべきものではない」という思想においてかなり類似しているのは興味深い。 一般人の若手と専門家のベテランとで似たような基本思想が示されているのを見ると、やはりそれが真理なのかと確信が深められる気がします。
また、本書は流石に歴史的知見や人生経験に基づく部分も豊富かつ有意義にちりばめられています。 例えば、バブル世代と若年層との意識や文化の違いを、高度成長体験に結び付ける程度なら他の人でも考え付くことかもしれませんが、その高度成長というのがなぜ起こったのかを終戦後の地政学(冷戦等)、占領経済政策(ドッジライン等)、さらにアメリカが模範として存在していたこと等、歴史的な好条件に恵まれていたことから説明しています。そして、このような要因は現在なくなっているので高度成長体験はもう通用しないということを分かりやすく説明しています。(地政学的な要因を高度成長と結び付けるのは、ネットでNISAフォーラムでの武者陵司講演でもされていました。本記事執筆時点でまだ当該講演の公式レポートが上がっていませんがいつかアップされるでしょう) また、働くこと・稼ぐことに関しても、労働力不足が生じるであろうから働く場所自体はあるであろう、言うなれば「1億総活躍」(この言葉が本書執筆当時にあったのかどうか分かりませんが)はか可能であろうということを指摘しつつ、スキルを身につけるために教育などの自己投資を惜しまないべきであることを述べるなど、マネーの問題を超えた人生指南的な話もあります。この辺は、さすが経営者として社会人として豊富な経験と識見をお持ちであればこそというべきでしょう。
本書は、あえて位置づけをするならば、マネーリテラシーの本として「29歳で2000万円」を入門書とした場合のそれに続く発展本として読むと良いのではないかと思います。そうすることで、より自分の価値観と向き合い、メリハリをつけたお金や仕事との付き合い方ができるようになりそうです。 その上で、マネーに絞って資産運用の知識が必要なら、実践編として山崎元・竹川美奈子といった諸氏の投資本に進んでいくことになるのではないかと思います。
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良書
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[ 2016/03/08(火) 03:26 ]
[ 最終更新:2016/03/18(金) 00:28 ]
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