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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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保険の本質たるレバレッジ機能を生かして不妊保険ができるのかどうか?【金融商品】
不妊保険というのが解禁されるようです。
(というか、今まで殊更に禁止されてたんでしょうか……)

 金融庁は25日、不妊治療の費用を保障する保険商品を4月1日に解禁すると正式に発表した。

 不妊治療の多くは健康保険の適用外で、費用が高額になるケースも多い。今回の解禁は、生命保険会社に不妊治療保険の引き受けを促し、出生率の向上を目指す狙いがある。具体的な商品設計は生保各社が今後検討する。
(時事通信) 


健康保険でカバーされていないものを民間保険で穴埋めする、というのはもっともな発想ではあるのですが、どうやって保険商品として成り立たせられるのかやや疑問です。












保険の本質、特にレバレッジ機能につきおさらい


そもそも、保険というのは「起こるかどうか不確定だが、起こったら多大な損害が発生する」というところに成り立ちます。
そして、想定する保険事故が滅多に起こらないものであればあるほど、その威力が発揮されます。結果的にリスクが実現しなかった多数の人が払った保険料が、リスクが実現した少数の人への保険金支払いに回るため、リスクの実現が少数であればあるほど、僅かな保険料負担で多額の保険給付が受けられることになるからです。(レバレッジが高くなる)

逆に、保険事故が起こる可能性が高い場合には、レバレッジ(保険料に対する保険金の割合)が低くなります。
例えば、「持病があっても入れます」と謳うような生命保険は(持病の分だけ死亡リスクが高いので)一般的に保険料が高くなります。
損害保険でいえば、古くて耐震・耐火性能の劣る家は火災保険料が高くなります。
同じ保険金を支給しようとするときに、保険事故の発生確率が高ければ保険料もたくさん取っておかなければ帳尻が合わない、ごく当然の理屈です。

従って、加入者における保険事故の発生確率が100%に近づけば近づくほど、レバレッジは下がっていき1倍(保険料の支払額と保険金の額が等しくなる)に極限まで近づいていきます。(保険会社の利潤もあるので、正確には極限値は1倍を割り込みますが)
個人年金保険や学資保険といった、「一定年齢での生存」や「学資の発生」を保険事故とするものは、給付金の保険料総額に対する割合が高くても125%内外(学資保険だと110%内外でしょうか?)に過ぎないのもおそらくそのせいでして、「60歳や65歳での生存」とか「子供の進学時期まで親子とも生存」となる確率は(少なくとも今の日本では)そうならない確率よりも格段に高いため、どう頑張ってもレバレッジ(返戻率)を上げようがありません。

なんとなくだけど、保険としての設計が難しそうな不妊保険


さて、不妊保険です。
いったい、この保険に加入する人はどういう人なんでしょう。
既に不妊治療を受けている人、入りたいに決まっています。しかし、そんな人ばかり加入してしまっては、およそ保険の意味を成さないのは明らかです。みんな保険給付を受けるのでレバレッジが1倍になる(保険料と給付金が等しい、加入する意味がない)か、給付要件が極端に厳しくなって「誰も受給できない」という事態になるか、おそらくそのどちらかです。
レバレッジが1倍より大きくなってくれるためには、「加入したけどリスクが実現しない(保険金を受け取らず、結果的に保険料の払い損になる)」人の存在が不可欠です。
そうなると、不妊かどうか未確定な人が加入してくれないことには困るのですが、客側にニーズがあるのかどうか。死亡リスクとか疾病リスクだと割と切迫感を伴って意識され、「よし、保険で備えよう」という考えになる可能性は高いと思いますが、不妊リスクというのは自らの身に降りかからない段階でそこまで意識されるのかどうか。

仮に、不妊リスクを意識する人が十分な数いたとして、顧客数が確保できるとします。
保険事故の起こる確率はどんなもんでしょう。
日本生殖医学会によると、
世界中の過去の調査を2007年にまとめた報告では、不妊症の比率は、調査された時代や国により1.3%から26.4%に分布し、全体では約9%と推定しています。
Q3. 不妊症の人はどのくらいいるのですか?

ということです。
日本アクチュアリー会の算定する死亡率(死亡保険の設計に使われる)と比べても、保険事故の発生率は格段に高いと言ってよさそうです。 標準生命表2007
保険事故の発生確率が高いということは、保険加入者にとっては(保険金の支給事由に該当したとしても)保険料に比べて保険金が多くない不利な条件になるということです。

さらに、「既に不妊症の人」はできれば引受拒絶するなり支給制限をかけるなりしたいところですが、不妊症の診断も実のところ「どのくらい妊娠しなければ不妊症か」というのは諸説あってはっきりしていないようです(日本生殖医学会 Q2.不妊症とはどういうものですか?
となると、高リスク者の排除がどこまで適正にできるかもなかなか難しいものがありそうです。

私は不妊医療にも保険の設計にも暗いですし(第一、お付き合いしている異性もいませんから不妊に関する知識などありません(^^; )、保険商品の具体的な設計もこれから出てくるところですから、漠然たるイメージしかありません。
しかし、そのイメージの段階では、あまり保険としてうまく機能できそう(保険料の払い損になる人が十分ありつつ、支給事由該当者に保険料に対して十分大きな保険金の給付が発生しそう)にはないのかな、という印象です。
保険の加入要件や保険事故の設定など、決め方によってはうまく行く作り方ができる可能性は否定できませんが…。

現状でも負担軽減できる制度も一応あるよ


なお、現状でも自治体によっては不妊治療費の助成金を出すところもあるようです。 (横浜市の例
また、不妊治療も高額療養費の対象になりますから、助成金の支給対象外になるような高所得者でも国税&自治体が税率分だけ給付金をくれるようなものです。保険会社から給付金を貰ってしまうとその分だけ医療費控除に回せる額が減ってしまいますから、保険金が保険料に比べてそんなに大きくならない点を鑑みると、どっちが有利なのかな、ということになるかもしれません。(保険商品の設計しだいでしょうが)

やはりここは公的保険の守備範囲か


なお、このように民間保険としての有意義な設計が難しそう(加入者全体での保険事故発生リスクを抑えるのが難しそう)な問題に対して保険としての機能を高めたい(必要な人に十分な給付を与えたい)なら、やはり税財源や健康保険料財源で公的制度としてやらざるを得ないでしょう。
公的制度ならリスクの低い人からでも強権的に税なり健康保険料なり取り立てて原資に回すことができますから、実際に不妊に該当した人にとっての負担に対するレバレッジを高めることは可能でしょう。
もとより予算措置とか健康保険法ほか関連法規の立法手当てとかが必要になるでしょうが、その審議を通じ国民の目が不妊治療の現状や金の回され方に向くなら、不妊問題の解決という政策目的のために長期的には良さそうでもあります。
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[ 2016/03/28(月) 02:20 ]
[ 最終更新:2016/03/29(火) 02:09 ]

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