たまには確定拠出年金口座内の運用状況を見てみます。

惨憺たる有様です(失笑) 拠出金23,000円が16回分で368,000円に対し、評価損失が7.4%。まだ乗っていない3月26日拠出分を拠出金総額に加えて391,000円としても7.0%の評価損失です。 毎月23000円しか拠出できないのに491円(実に2.1%)も控除される、重いイニシャルコストも取られている、高値で買付を続けてきた挙句に年明けの相場下落を食らっている、などなど辛い要因がいくつも重なっています。
ただし、我が年金資産は全くもって悲観的な運用状況にあるわけではありません。 現在の軟調な相場展開が一時的なものとみなして復活を見込んでいる、ということもありますが、それだけではありません。
 これはSBI証券の通常の口座の抜粋です。 このファンドは何かと言うと、所得控除メリット分です。
私の現段階での課税所得の場合、限界税率が20.21%(所得税&復興税10.21%、地方税10%)であるため、月額23,000円の拠出をするたびに23,000×20.21%≒4,649円(端数切り上げ)の税額減少を生じています。 この4,649円を積み立てているのがこのファンドです。 拠出金が引き落とされた月の末日に買い付けているため、こちらも17回分が買い付けられていることになります。
この運用分も今のところマイナスになっているので何とも締まらないのですが(失笑)、とにかく評価額が76,633円あります。 先ほどの確定拠出年金口座内の評価損が27,332円でした。 税額控除のメリットが運用損を埋め合わせているばかりか、なお49,301円(=76,633-27,332)の余剰を生じさせています。(厳密には、評価損益を将来の損益通算に回すことを前提に、現在の評価損に対する20.315%の繰延税金資産を加算してもよいでしょうが、それは未計上です) 17回分の拠出金391,000円に対する比率でいうと、+12.61%にもなります。
相場下落の中で計測してこの数値です。 税制メリットの威力を見せ付けられます。
金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術などのように、所得控除のメリットを強調して利用を推奨する良書やコラムも数々ありますが、漫然と制度を利用して年末調整や確定申告をしているだけではメリットの実感が薄いでしょう(還付金が増えるとかの一瞬だけはそうでもないでしょうが、一般財産に混入してしまうと後は何も見えなくなりかねません)。 実際に税額減少分を専用のファンド(好みのものでOK。リスクを追加で取るのが嫌であれば預金でもまあいいでしょう)に突っ込んでおいて、その累計額が見えやすいようにしておけば、いざ相場が不調になっても「実はまだマイナスになってない」ということがはっきりと見えるようになり、気持ちの余裕も生まれるでしょうし制度の利点が感じられるでしょう。 無論、税額減少分を突っ込んだ再運用先が好調であれば、本来の確定拠出年金口座内の残高に加えて年金資産の増加が加速することになります。
所得控除による利益を専用の再運用先に回すやり方、個人的には推奨したいところです。
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