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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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iTrustの質疑応答について所感。投資家との対話姿勢はありそうだが。
さて、既にリンクや引用はしていますが、改めてiTrust世界株式に関する質疑応答について、考えてみたいと思います。
同ファンドに投資している菟道りんたろうさんが、ピクテ投信の用意している専用システムを通じて質疑を投げかけたものです。
ピクテ投信投資顧問の誠実な姿勢が素晴らしいーiTrust世界株式への問い合わせに対する回答がありました (The Arts and Investment Studies)

記事によると、翌日とその2日後に早くも返信があり、改善要望事項については早くも実行が約束されたとのことです。
さらに、ピクテ投信は具体的な行動も起こしました。すでにiTrust世界株式の特設サイトは、「1.パフォーマンス」の部分がより具体的な内容に変更されています。サイトの中で「参考・参照/指数・指標・インデックス」などの表現が混在して誤解を招きやすかった点も修正されました。また、5月次の月報から参考指数であるMSCIワールド・インデックス(配当込)の騰落率もファンドの騰落率と併記するように変更すると明言してくれました。もともと運用報告書には参考指数の騰落率を併記する予定だったそうですが、同じ性格を持つ月報にも記載するべきだったと素直に認めているのです。

まず、このように迅速に改善要望が反映されるというのはなかなか稀有なことといわなければならないでしょう。

そもそも問い合わせ窓口自体、運用会社によっては未だ電話しかない会社も少なくありません。(三菱UFJ国際ニッセイなどにはメールフォームがありますが、DIAMや三井住友TAMにはありません。投資家との対話を謳う直販でもひふみコモンズ鎌倉にはありましたが、意外にセゾンにはありませんでした)

利用しやすいメール問い合わせの門戸が開かれている上、しかも問い合わせのあった直後の回の月報からすぐに反映するというのは、直販系の小規模(スピーディーな意思決定が可能)な会社であれば格別、ピクテ投信レベルの大規模な組織ではなかなか大変な事態なのではないかと推察します。
それだけに、「やはりピクテ投信は本気なのだ」という感想には理解させられるものがあります。

(願わくば、交付目論見書の中に参考指数の記載やらを反映させると更に良いしそうすべきだと思うのですが…。別に任意のタイミングで誤りや不親切な記載を改善してはならないなんて規制はないですよね?)

その上で、気になることについて指摘したいと思います。



iTrust以外の一般ファンドには反映されるの?


今回、iTrust世界株式の特設サイト内の記述が一部改善され(参考指数名の表現など)、次回の月報から発行する書類にも所要の改善を施すと約束したということです。
それはそれでめでたいことなのですが、では、せっかく貰った意見を、他のファンドには生かすのでしょうか?

例えば、同じマザーファンドを用いているピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド(3ヵ月決算型)には、iTrust世界株式について指摘された改善事項がほぼそのまま妥当するはずですが、各種書類での指数名の表記変更(MSCI世界株式指数→MSCIワールド指数)などは行なわれるのでしょうか。
また、他のファンドも含めて、ウェブサイトや月報その他の書類にきちんと参考指数との比較表示くらいはされるようになるんでしょうか。

もしここまできちんと対応するのであれば、本当に投資家の意見を真摯に受け止める会社だと見てよいでしょう。
逆に、iTrust世界株式だけが改善されてそのほかのファンドが従来どおりのようだと、ちょっと疑問符を残さざるを得ません。うるさい顧客のいるファンドだけはその声を聞く態度を見せておく、という姑息なことをする会社だ、ということです。

もうそろそろ各ファンドの5月の月報が出る頃だと思います。
iTrust世界株式は勿論のこと、むしろそれ以外の一般ファンドの書類でもって、この会社の真価が問われそうです。注目したいと思います。


比較対照指数としてACWIを無視はやはり違う


iTrust世界株式ファンドの参考指数はMSCIワールド指数であるとして、その趣旨について色々説明がされています。
ピクテ投信からの回答によると、ベンチマークを設定したアクティブ運用の問題は「ベンチマークとして設定する指数の構成銘柄とその比率に投資成果が大きく依存してしまいがち」ということです。このためiTrust世界株式は「運用プロセスには特定の指数の構成比率は一切考慮に入れない」ようにするためにベンチマークを設定しないとか。なぜなら「指数構成比率を変更することでベンチマークに設定した指数を上回るか、全く別のアプローチで独自の哲学に基づいてポートフォリオを構築してその結果を参考指数と比べるか、というのはややこしいですが性質の異なるものであり、当ファンドは後者」だからだそうです。

MSCI ACWIとiTrust世界株式のポートフォリオの間には銘柄数で大きな乖離が生じているし、「この運用プロセスには特定の指数の構成比率は一切考慮に入っていません」と私への返信で明言しています。実際に投資している銘柄のほとんどはMSCIワールド・インデックスの構成銘柄であり、新興国銘柄は味付け程度。これでMSCI ACWIをベンチマークとするのは、やはり整合性を欠くというのがピクテ投信の言い分のようです。

ようするに、iTrust世界株式はアクティブファンドとして世界株式の「市場平均」を上回る運用成績を目指している。しかし「市場平均」を表すインデックスは様々あるので、もっとも代表的な世界株式インデックスであるMSCIワールド・インデックス(配当込み)を参考指数として設定した。これを上回るためにMSCIワールド・インデックスの組入れ銘柄や構成比率は一切考慮せずに投資ユニバースもMSCI ACWI組入れ銘柄まで広げている。だからMSCIワールド・インデックスもあくまで参考指数であり、別のインデックスを「市場平均」として比較してもらってもぜんぜんかまわないし、それによって運用の巧拙を評価されてもかまわない。もし、参考指数以外のインデックスと比較して「このファンドはダメだ」と判断する投資家がいても構わないし、そう考える投資家にはファンドを買っていただかなくても結構ということでしょう。

要するに、このファンドに資金を委託する投資家のニーズ(運用コンセプト)を表現するのはMSCIワールド指数であろう(MSCIワールドを上回れば委託の主旨に適う)と推定の上、それを参考指数として提示したということです。
その上で、それ以外の指数による評価も容認する。

たしかに、これは尤もです。
前回の記事で指摘したように、投資家にとっての運用効果を測る機能としての比較対照指数、その前提たる運用コンセプトは各投資家が自主的に決めるべきものであり、人によって違いうる。
一方で、受託者側が、投資家のコンセプトはおそらくこれだと推定して、当てはまる指数を提供してみせる。これは一種の専門家としてのコンサルティングの機能を果たしていることになります。

「MSCIワールド指数に勝つこと」がiTrust世界株式を検討する投資家の運用コンセプトとして大きく外してはいないでしょうから、委託者にとっての運用効果を測る指数としてはそれなりに適していると言っていいでしょう。


しかし、受託者の能力を測る指数としての機能は果たしていません。
あくまでも、当ファンドの投資ユニバースはMSCI ACWI構成銘柄全体です。
運用担当者は、あくまでもMSCI ACWIの構成銘柄全部を検討対象に、「これは組入れない」「これは組入れる」「これは比率をいくつにする」などと投資判断をしているのであり、その結果として60~80銘柄程度の具体的なポートフォリオが作成されています。
となれば、運用担当者の能力を、その投資判断が適正だったか否かを測るためには、あくまでも、ユニバースたるMSCI ACWI指数と比較されなければ意味がないのです。
場合によっては、「(コンセプトたるMSCIワールドには勝ったかもしれないが、)変に銘柄を絞り込むより、単純にMSCI ACWIそのもの(たとえばiシェアーズ MSCI ACWI ETF(ACWI)など)に投資した方がよかったよね。絞り込んだ投資判断は間違ってたね」なんてことになるかも知れないのです。

「指数の構成比率は考慮に入っていない」「銘柄数で大きな乖離が生じている」というのは全く関係のない話です。
銘柄数が変わった、構成比率がどうなった、というのは構成銘柄に対する投資判断を集積したその結果に過ぎません。
一定のユニバース全体から「何かを抽出する」という行為の裏には、必ず「ユニバースに何も手を加えず、そのまま全部持つ」という選択がありうるのです。
である以上、抽出した行為が正しかったのか間違っていたのか、その問題は厳しく評価されなければならないはずです。
どうも、この部分に関するピクテの主張は論点がずれてしまっているような気がしてなりません。

MSCIワールド指数が投資家のコンセプト、MSCI ACWIが投資ユニバースに何も手を加えないもの、当ファンドは前者を上回るために後者からわざわざ手間隙かけて抽出したもの。
この3つを併記すること、どのポートフォリオが投資家の運用成果を改善するのに最も資するものであったかを表現することに何か問題があるのでしょうか?
私はないと思いますし、すべきだと思います。

おわりに


決して疑問点がなくなったわけではありません。
なお改善を要する問題はあるという認識ですし、これからも問題が発見される可能性はあると思います。
ただ、それにしても問題提起から改善に至るスピード感や、(完全に納得できるかどうかは別として…というか、どう説明しても納得しないような困った人もどこかのブロガーのようにいるでしょう)詳細な議論を厭わないのは、直販投信ではあったかもしれませんが一般の投信では稀有なものなのは確かです。
ファンドの運用機関のあり方に意義ある一石を投じている存在であることは間違いないでしょう。
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iTrust | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2016/06/06(月) 01:11 ]
[ 最終更新:2016/06/06(月) 01:11 ]

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