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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
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家計も発生主義複式簿記で合理化
家計管理に減価償却の概念を取り入れているという話です。





なかなか合理的な管理だと思います。



減価償却の機能 使っている期間中ずっと費用を認識


減価償却というのは、本来は企業会計で使われる会計技術です。
長期間に亘って利用可能な設備(建物とか生産設備とか)については、見積利用可能期間(耐用年数)に亘って取得費を適切に期間配分するというのが減価償却の機能です。

このような設備は、5年とか10年とかの耐用期間中、継続的に便益をもたらし続け、生産活動の成果を生み出し続けます。
となれば、使用している期間中、分割して費用を計上して行って原価に繰り入れていった方が合理的です。(設備を利用しているという「経済的事象」に基づいて損益を認識するわけで、こういうのを「発生主義」と言います)
このような仕組みをとらず、設備を購入したそのときだけ一挙に費用を計上する一方、あとの5年間10年間は費用ゼロで設備利用の成果を享受し続けるというのでは直感的におかしいでしょう。

言ってみれば、5年とか10年とかの期間中はずっと設備使用料が発生するのだが、その全期間分の使用料を、最初の段階(設備購入時)に一括前払いしている。それを毎期取り崩すのが減価償却だ、といえばだいたいイメージできるでしょうか。

設備購入時には現金が出て行くが会計上は費用として発生しない。減価償却では現金がまったく出て行かないが会計上は費用が発生する。
一見すると直感に反し、理解し難くなりそうなところですが、以上のように考えると合理的な仕組みだと分かると思います。

家計でも発生主義は有用


設備を長期間に亘り使い続け、便益を享受し続けるというのは家計でも変わりはありません。
そうすると、やはり(購入時に一括ではなく)月ごと・年ごとに分割して費用を認識していくのが、生活費の把握としては実態に近いでしょう。
また、費用が毎期認識され続け、純資産が徐々に削られていく格好になることで、「毎期それ以上に純資産の積み上げを確保していかなければならない」という意識を確立しやすくなるという機能もあるでしょう。

29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみたでも、期間分割して費用認識する発生主義的な会計処理に言及しています(ただし、文脈的には減価償却というよりは引当金に近い性格です。引当金というのは、「将来発生する可能性が高く、時期及び金額が見積もれる費用・損失」を事前に分割して積み立てていく会計技術です。支出により受ける便益自体は一瞬で終わってしまい継続するものではない点が、減価償却する固定資産との違いです)。
月々を4万円程度の生活費でやりくりしたとしても、例えば半年に1回くらいの頻度で、1回につき20万の海外旅行に行っていたとしたら年間支出は40万ふえるため3.3万円の支出が月平均に加算されます。
つまり「4万で月々の生活をやりくりしている」ことは間違いありませんが、年単位で見た場合の実際の支出は月に直すと7.3万円であることを理解しなければいけません。
月単位でしか支出を見ない場合、この「隠れた出費」を見落としがちになり、実際は月7.3万円の生活に対し「私は月4万でやりくりしている」という間違った認識を持つことになります。

「隠れた出費」という表現で、現金の出入りと実際の損益が乖離する場合があること、むしろその乖離を積極的に認識すべきであることを的確に指摘しています。

減価償却にせよ引当金にせよ、発生主義に基づく複式簿記に特有の処理です。現金主義や単式簿記では表現が困難です。
家計簿では一般的に単式簿記が用いられるといわれています。
しかし、財政状態の実態を捉えるという意味では、発生主義・複式簿記のほうが優れているのは明らかでしょう。
なにも発生主義・複式簿記を企業会計の専売特許にする必要はなく、家計においてもその知識を習得・実践することは有意義だと思います。
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[ 2016/07/07(木) 00:23 ]
[ 最終更新:2016/07/07(木) 00:23 ]

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