海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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ESG投資のための指数作成って何の冗談ですか
年金積立金管理運用法人(GPIF)が、これからESG投資を始めると言い出し、そのためのベンチマークとなる指数を作らせようとしているそうです。



何を考えてこのようなものに手を出そうとするのか、理解に苦しみます。



ESG投資とは、
環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取り、3つの課題への企業の取り組み姿勢を投資判断の材料にする。欧米では社会的な課題解決と投資収益を同時に追求する手法として普及している。
(日経新聞の上記記事より)
というものです。

一見素晴らしい投資理念のようですが、成果としてはどのようなものでしょうか。
わかま屋さんが米国株式での事例を紹介してくれています。
【いい会社】iシェアーズ MSCI 米国 ESG セレクト ETF(KLD)が市場平均にノックアウトされる悲劇  (一方通行投資で気楽に資産形成。)
残念ながら、大きく負け続けているありさまのようです。

年金運用の使命は何であったのか


年金基金が積立金を運用する目的は何だったでしょうか。言うまでもなく、それは将来の支給に備え、十分な利回りを獲得すること、これ以外にありません。
GPIFの投資原則・運用規範にも、
【1】年金事業の運営の安定に資するよう、専ら被保険者の利益のため、長期的な観点から、年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保することを目標とする。
(中略)
この財政見通しで想定されている年金財政上必要な運用利回りを確保し、年金事業の運営の安定に資することが、GPIFの使命であると考えています。言い換えれば、年金財政上必要な運用利回りを確保できないことが、GPIFにおける最大のリスクです
(下線引用者)
と述べられています。
何の工夫もなく普通に市場平均に投資していれば取れたリターンを、変な小細工をしたばかりに取り逃がすようでは話にならんのです。

もとより、ESGの考え方で超過リターンが取れるなら大いにやればよいのですが、それが困難らしいことは実績を見ても分かりますし、わかま屋さんが指摘されているとおり、
個人的には、すでに「いい会社」になった企業に投資するのではなく、これから「いい会社」になる企業に投資するのなら、市場平均を超越できるような気がします。

しかし、どの企業が「いい会社」になるのか、未来の正確な予測は不可能ですから、一般の人はESG投資は控えておいた方がよいでしょう。
というものです。
今回のESG指数は、まさに「すでに「いい会社」になった企業」に投資しようというのですから、あまりにも筋が悪いというものです。

もっとも、一般人には投資先がこれから「いい会社」になるのかどうかを見極めることは不可能ですから、ESG投資そのものを避けるようなことになってしまうのですが、GPIFともなればそこは話が違ってくるかもしれません。
なにしろ日本有数の機関投資家ですから、実質的に保有する議決権を通じてESGの理念に照らして劣悪な企業に行使できる影響力はそれなりのものがあるでしょう。よりESGに適合する企業に作り変えてしまえば宜しい。「すでに「いい会社」になった企業に投資するのではなく、これから「いい会社」になる企業に投資するのなら、市場平均を超越できる」を自力で達成してしまうということです。
そのくらいのことをせずして、何のためのスチュワードシップコードでしょうか。

既存の指数の利用では駄目なのか


また、仮にどうしても「今の段階でESGの観点において優れている企業」に投資したいのだとしても、わざわざそのために新たな指数を立ち上げる必要はあるのでしょうか。
指数を作るのにも基準の策定やプログラミングなどの初期コストも掛かりますし、定性的な企業調査・選別などが必要な性格のものですから継続的コストも相当かかります。そのコストは指数利用者たるGPIFに跳ね返ってきます。

翻って、既存の商品を見てみますと、ESG投資に流用できそうなものは意外とあります。
例えば、G(企業統治)についてはJPX400指数がその観点を採用基準(独立社外取締役の選任、IFRS採用、決算開示。特に第1点でしょうか)に反映していることはよく知られています。
S(社会)は、GPIFのリリースを見ますと主に労使関係がイメージされているようですから、日銀御用達として最近話題の「設備・人材ETF」でよいでしょう。
E(環境)については、上場グリーンチップ35というETFが存在しています。
これら既存のファンドや対象指数を利用する(各ファンドに投資するのか、それとも各指数の構成銘柄に直接投資するのか、後者であるとして全銘柄に投資するのか複数の指数に該当する銘柄に絞るのか、色々戦略はありえるでしょうが)ことで、少なくとも、新規指数を設定・運用していくコストは削減できます。(既存の各指数でもライセンス料はかかりますが、GPIF自身のためにわざわざ作った指数よりは他にも利用者のいる指数のほうが安く付くでしょう)
また、既存の指数であれば、ある程度リスクやリターンの傾向、投資対象として良さそうか駄目そうかもある程度見当が付くというものでしょう。(もとより、所詮過去データですから限度はありますが)

果たして、戦略自体の有用性に疑問符が付く上に、代替可能な指数に目もくれず初期コスト・継続コストを掛けてまで新規指数をでっち上げるという行動が適切なのかどうか、大いに疑問です。

一応、個人投資家の直接利用もできるようになるか


日経の記事によりますと、
GPIFは新たに作る株価指数を他の投資家も使えるようにし、日本全体の投資底上げにも目配りする。
ということで、この指数に連動するインデックス(スマートベータでしょうか)ファンドやETFが組成される可能性も無いではありません。
まあ、SRIやらESGを標榜するファンドもコストが高かったり、やたら現金比率が高くて非効率な運用だったりするものが多いですから、そういうものへの代替的な選択肢にはなるかもしれません。
また、そのような商品群に対する評価のベンチマークとしての役割は果たせるでしょう。
個人的には、仮に出てきても購入する意思は全くありませんが、これが趣味だという人やこれこそ投資成果を改善する戦略だと信じる人には朗報でしょうか。
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[ 2016/07/23(土) 23:21 ]

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