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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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何の意義があるのか、楽天証券対面販売ラップ
日経新聞の記事によりますと、楽天証券が対面型のサービスを開始するとのことです。

ネット証券が対面の窓口を設置する例は、SBI証券がSBIマネープラザという営業窓口を設置しているというのがあります。
同じようなものかと思いましたが、どうも様子が違うようです。

 インターネット専業の楽天証券が対面型の新サービスを始める。独立系金融アドバイザー(IFA)大手のガイア(東京・新宿)と提携し、9月末にも個人の資産運用を一任で請け負う「ラップ口座」を提供する。楽天証券が顧客ごとに資産配分を算出しガイアの店舗で営業する。ネット証券の顧客は若い世代に偏りがちなため、対面販売で高齢者層を取り込む。
 楽天証券は対面営業の拠点を持っておらず、東京・新宿と大阪市にあるガイアの営業拠点で顧客と投資方針などの打ち合わせをする。最低投資金額は1000万円程度で検討しており50~60歳代の顧客を想定している。
 預かり資産の残高に応じた手数料を受け取る。年間の手数料は資産残高の1%後半になる見通しだ。500億円程度の預かり資産を目標とする。楽天証券は今後も複数のIFAと提携して対面型の販売網を広げていく方針だ。

楽天証券が対面販売 投資助言大手と提携、ラップ口座で


率直に申し上げて、呆れて言葉も出て参りません。
開いた口が塞がらない、とはこのことでしょう。
一部界隈で、時々「飛ばし」や誤報があることで人気を集めている日経新聞がニュースソースですが、今度ばかりは飛ばしであって欲しいとさえ思えます。



先行事例であるSBIマネープラザは、営業窓口とはいいながら、必ずしもその場で対面販売扱いで売買するとは限りません。
窓口で相談し、ポートフォリオを決めた上で、ネット口座の開設手続きをして実際の売買はネット上で行う、という事例もあるようです。
これにより、低廉な手数料体系での取引ができることになります。
ポートフォリオの相談の段階でも、ノーロード・低信託報酬のファンドを提案してくれるようです。
参考:【初心者の投資準備体験8】SBIマネープラザで証券口座開設&準備完了! (インデックス投資女子 Around40 Happy Life)

実に顧客の利益に適った営業方法だと思います。

尚、どうしても対面取引を希望する場合は、当然割高な手数料体系になってしまいます。
しかし、こと投信に関する限りは、販売手数料がインターネットに比べて割高になる場合がある(全く同一のファンドも少なからずあります)というだけで、信託報酬は当然同一ですしほかに継続コストが特段掛かるわけではありません。


それに比べ、今回報じられている楽天証券の対面窓口はどうでしょうか。
売るものがラップ口座、しかも預かり資産1000万円以上と来ています。
「預かり資産の残高に応じた手数料」が、年率1%台後半と言います。ラップ代だけなのか、中身のファンドの信託報酬も含めた総コストなのか分かりませんが、記事の書きぶりからすると前者のような印象を受けます。(仮に後者だとしても、楽ラップに比べると1.5~2倍という高コストになります)

いったいこれは何事でしょうか。
なるほど、楽ラップのセミナーでは楽天証券の社長は「今までの楽天証券ではデイトレなど頻繁に売買する人向けのツールの提供とか取扱銘柄は充実していたが、長期的に熟成させるタイプの資産運用という面では比較的手薄だった」として、短期的な損益にとらわれず長期に腰を据える運用手法として投信積立や確定拠出年金参入と並んでラップ口座を位置づけていました。

そういう営業戦略のもとラップ口座を運用商品の軸の一つに据えるならそれはそれで結構ですが、だからといって、こんな高コストなラップ口座をわざわざ楽ラップと別に立ち上げて売り出すとは何事でしょうか。

セミナーの席で、社長や室長は楽ラップを何と言ってアピールしましたか。
ラップ代と中身の信託報酬とを含めた総コストが0.9%台と、低コストかつ透明性が高いのが売りなんじゃなかったんですか。
10万円から手軽に体験できるのがセールスポイントだったんじゃないんですか。
個人個人の資産の目指すゴールまで、他に類を見ない広範な資産クラスを使って(さながら自動車のプロ運転手のように)無駄の無いルートで案内できるんじゃなかったんですか。
DIAMやステートストリートの低コストで信頼性の高いインデックスファンドと、年金運用に造詣の深いマーサー社やステートストリート社の助言を活用して運用するのが自慢なんじゃないんですか。

そんなに素晴らしい商品だというなら、対面でもご自慢の楽ラップを売ればよいでしょう。なぜそうしないんですか。
これらの特徴は今度売り出す対面のラップには備わっているんですか、いないんですか。少なくとも低コストというのは備わっていませんね。
ネットと対面とチャンネルが違うから中身もコストも違うものを…なんていうのは理由になりませんよ。現にSBIマネープラザは対面で相談してネット取引の商品を(しかもその中でも低コストの商品を選んで)薦めるということをしているんですから。
それとも、楽ラップは実はそんなに素晴らしいものじゃなくて、今度売り出す対面のラップの方がもっと優れているというのでしょうか?
いったい何を考えて相反する2つのラップを売り出すのか、それぞれ何がどう投資家の利益に繋がると認識して商品を提供するのか、明確な説明の欲しいところです。

また、セミナーの登壇者の事も、何だと思っているのでしょうか。
7月30日に楽ラップのセミナーがあって、31日にこの報道です。
本来ラップには批判的な立場であるにも関わらず、「他のラップに比べて低コスト」「他のラップに比べて透明性(コスト、ファンド構成、その時々の運用状況等)は高い」などと長所を探し出して一定程度肯定的な意見を述べてみせ、「楽ラップ外を含む資産全体を織り込んだアドバイス機能」をはじめとする興味深い将来像まで提言してみせた竹川・山崎両氏にとって、その翌日にこのような報道が出たのを見せられた心中は如何ばかりでしょうか。
まさに、あの会場で楽ラップを肯定した論理と真っ逆さまの代物を、同じ会社が出すというのですから。
楽天証券の社員の立場をも持つ山崎氏など、「この他よりましな楽ラップで、他のひどいラップを駆逐する!」とまで意気込んでみせた(立場上そう言わないわけにも行かないという面は多少なりともあるでしょう)のに、その矢先に身内の手によって駆逐すべき「他のひどいラップ」を繰り出されたのですから、途方もない梯子外しです。


このような展開を見せられると、楽天証券に対して大きな失望を禁じ得ませんし、投資家に対しても講演者に対してもいったいどのような料簡で臨んでいるのかが厳しく問われるべきものだと思います。
願わくば、今回の記事が飛ばし・誤報であり、本当はこのような2つ目のラップを売り出す話などなかった、という真相であることを切に望みます。
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[ 2016/08/03(水) 00:45 ]
[ 最終更新:2018/02/11(日) 17:36 ]

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