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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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小型バリュー系の低コストアクティブファンド登場?
楽天投信投資顧問が、9月2日付で3本のアクティブファンドの有価証券届出書を提出しました。

概要は以下の通りです。
ファンド名楽天グローバル株式ファンド楽天エマージング株式ファンド楽天・世界債券(為替ヘッジ付)ファンド
資産クラス先進国株式新興国株式先進国債券
主要投資対象ディメンショナル・ファンズ・ピーエルシー・グローバル・コア・エクイティ・ファンドディメンショナル・ファンズ・ピーエルシー・エマージング・バリュー・マーケット・ファンドディメンショナル・ファンズ・ピーエルシー・グローバル・ショート・フィクスト・インカム・ファンド
設定日平成28年9月21日
決算日9月10日
信託報酬(税込)0.6608%程度0.9208%程度0.5908%程度
申込手数料(税込)上限3.24%
販売会社楽天証券




それなりに実績のありそうなファンドに投資するFoF


DFAグループ


3本とも、ディメンショナル・ファンズ・アドバイザーズ(DFA)グループの運用するアイルランド籍投資信託に投資するFoFの形態となっています。
DFAグループは、米国内では資金流入額でトップクラスに入る人気の運用会社で、GPIFも国内小型株のスマートベータ運用を委託しているそうです。
超低コストアクティブ投信にヒント、米国株“勝利の方程式” (モーニングスター)

今回登場するDFAのファンド3本は、「学術的研究をベースにした、ディメンショナル独自の投資哲学による運用」「多くの著名学者をコンサルタントとして抱え、実証研究に裏づけされた運用手法」と謳っています。
そんなことを言われても具体的に何をするのやら健闘がつきませんが、株式運用の2ファンドについてはどうやら「企業規模の相対的に小さい銘柄」「相対的に割安な銘柄」「相対的に収益力の優れた銘柄」の比重を高めるということですから、中小型株戦略・バリュー戦略を取るようです。
なお、債券ファンドは「残存期間」「信用リスク」に着目して、それぞれのプレミアムの観点から構成を決定するそうです(が、組入れ対象は最長5年残存ですしAAマイナス格以上ですから、どこまでプレミアムの差がつくのかは疑問がなくはありませんが…)。

運用実績


著名学者が絡んでいるとは言っても、それえファンドがうまく行くとは限らないというのはよく知られています。(LTCMファンドの例を持ち出すまでも無いでしょう)
やはり、実際に運用成績が上がるかどうかはきちんと見極めたいところです。

このDFAの3本のファンドは、あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)(愛称:ぜんぞう)という限定追加型のファンドで投資されています。
なお、株式の2ファンドに限って言えば、あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド(愛称:てつさん)が投資対象としています。

「愛称:ぜんぞう」の月報で、2014年8月から2016年7月までのDFA各ファンドの運用実績がグラフ化されています。
そこで、株式部分につきMSCI指数のグラフと重ね合わせて比較してみます。(債券については適当な指数データが入手できそうにないので割愛します)

DFAグローバルコアvsMSCIワールド
先進国株式を比較してみます。
月報から抽出したグラフと、別途エクセルで作成したグラフとを無理やり重ね合わせているので相当見苦しいと思いますが、ご了承下さい。
青線がDFAのファンド。
黒線がMSCIワールドのスタンダード(ネット配当込み、円換算)。先進国株式の代表的運用としての選定です。
赤線がMSCIワールドIMIのバリュー(ネット配当込み、円換算)。「中小型株を含める」「バリュー運用」という特性を鑑みた場合、運用戦略としてより近いインデックスとして選定しました。

運用戦略として近いだけあって青線と赤線は競り合っていますが、概ね青線が上にいるようです。黒線からは(最近追いつかれていますが)概ねかなり上にいます。
こうしてみると、この期間に限って言えばDFAの運用はかなり功を奏していたというようには言えそうです。
ただ、黒線よりかなり上にいながら追いつかれているということで、MSCIワールドスタンダードとの関係ではボラティリティの観点からすると微妙かもしれません。

DFAエマージングvsMSCIエマージング
新興国についても同様に、DFA(紫線)、MSCIエマージングスタンダード(黒線)、MSCIエマージングIMIバリュー(赤線)の比較をします。
こちらも黒線よりはほぼ上にいます。ただ、赤と紫の戦いでは競り合いながらも紫が多少上で、バリューインデックスには残念ながら勝てていません。
ノーマルのインデックスよりは有利な運用、という目的であれば選択肢としてありそうでしょうか。

低コストアクティブとして選択肢が増えた、ようだが


バリュー戦略の低コスト投信はおそらく初


低コスト投資信託としては、「ひとくふう」シリーズが低ボラティリティ戦略、「たわらノーロードplus」シリーズが高配当低ボラティリティ戦略で売っています。iTrustシリーズは業界内での優位性という、何らかの投資指標よりは個別企業の分析に重きをおく方針です。
これに対して、バリュー戦略というのはおそらく初めて出てきた戦略といってもよさそうです。
戦略として選択肢が広がるのは歓迎できますし、コスト的にもひとくふうには敵いませんがたわらノーロードplusの日本株が0.756%、日本以外の先進国株式が0.918%、新興国株式が0.972%ですから、それなりに競争力はある水準でしょう。
なお、同じDFAのファンド3本を組み込むあおぞら投信の「ぜんぞう」は信託報酬1.38%程度、株式のみ2本を組み込む「てつさん」は1.285%ですから、まるで話になっていません。

さて、買えるのかどうか


ここまで書いてきたところでですが、非常に気になる点があります。
この楽天投信の3ファンドとも、信託報酬の販売会社取り分が0.0108%という異常に低い水準になっています。
これでは販売会社が販売するメリットが全くありません(委託会社取り分が0.243%ありますから、楽天証券が販売する分には「グループ合計で0.2538%」という算式も一応成り立ちますが)。販売手数料3%取る事もできますが、そんなことをされては投資家にとっては選択肢から外れるだけですし。

となると、一つ考えられるのは楽ラップなどラップ口座専用となる可能性。
これだと非常にありがたくない展開です。いくらなんでも、ラップ代で0.702%も上乗せされてしまっては買う魅力がなくなるというものですし、楽ラップはロボアドバイザーが比率を決めてしまい手入力での調整はできないようですから、バリュー戦略を積極的に組み込みたいと思ってもできない可能性があります。
ただ、楽ラップ自体7月に始まったばかりのサービスなわけで、まだ2ヶ月しか経たない段階でいきなり新ファンドを投入してロボアドバイザーのアルゴリズムに組み込む、となると今まで既に利用していた人はどうなるのか(当面放置しておくのか、再診断して新ファンドを組み込むのか、診断せずにファンドだけスイッチングするのか)、ちょっと運用が朝令暮改に過ぎてサービスへの信頼を落としそうです。
また、信託報酬が既存の楽ラップ対象ファンドと比べるとかなり高いですから、「ラップ代も込みで1%切り」という売り文句が使えなくなるので、営業的にも難しい気はします(^^;

となると、もう一つありそうなのは楽天証券の確定拠出年金での取り扱いでしょうか。
楽天証券の確定拠出年金は9月下旬スタートといわれていますから、時期的には符合します。まさか、そういうことなんでしょうか?
もしそうであるとするならば、俄然良い流れのようになってきます。
なにしろGPIFも採用するDFAの運用手法ですから、年金運用として相応しい運用という印象はつけられますし、長期的にこれだけの低コストでバリュー戦略というのは魅力がありそうです。また、ライバルとなるSBI証券には対抗となりそうな商品は見当たりません(三井住友・バリュー株式年金ファンドというのがあることはありますが、日本株だけで信託報酬1.404%では話にならない)。
楽天とSBIの差別化要因として、大きな役割を果たす事も期待できそうです。

もとより、一般売りがされて誰でも購入できるようになってくれると一番望ましいことです。
さて、いったいどうなるのでしょうか。
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楽天DFA | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2016/09/03(土) 02:31 ]
[ 最終更新:2016/09/03(土) 02:31 ]

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