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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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コストとレーティングの関係性…とはいえレーティングがファンド選びの基準として機能するのかは別の話
モーニングスターでコストとレーティングの関係性を探るというコラムが掲載されていました。

モーニングスターレーティングのランク別に「高コストファンド」「低コストファンド」(同カテゴリ内での平均信託報酬との比較で高低振り分け)の占める割合を比較して、低ランクのものほど高コストファンドの割合が増える傾向があるとしつつ、
ただし、最上位の5ツ星でも、高コストファンドは約5割残っており、一概に低コストファンドの運用状況が高コストファンドに対し優れている傾向にあるとは言い切れない様子です。
としています。

更に、カテゴリ別で見ると国内リートなどは低コストファンドが高ランクに占める割合が低いことを指摘し、
実際のコストと運用状況の関係は、相対的には低コストファンドが優位となるものの、高レーティングで低コストファンドの割合が低い資産では、ファンドを選ぶ際に、一概に「コスト=カテゴリー平均以下」と設定してしまうと運用効率の良いファンドを選ぶ選択肢を狭めてしまう可能性があります。実際のファンド選びでは、投資家によって重視する項目は異なると思いますので、ご自身の基準でファンドを絞り込んだ後、最後に確認として同じ資産カテゴリーの5ツ星ファンドと比較して運用状況が大きく劣後していないか、調べていただくことでより納得のいくファンド選びが出来ると考えます。
と主張しています。

……本当にそのまとめでいいんでしょうか。



まず、そもそもモーニングスターのレーティングはあくまで過去の一定期間の成績を数値化したものに過ぎません。
具体的には、過去3年・過去5年・過去10年のリスク調整後リターンに所定の比率を掛けて調整したものを比較してランキング付けするものです。
特定期間の相場の浮き沈みにはかなり影響を受けますし、「過去の実績が必ずしも将来のパフォーマンスを保証してくれるわけではありません」(とモーニングスターの社長が言っています)。

実際、レーティングで投資信託を評価しようとしても、そのレーティング自体がいかに変動しやすいか(星が付いた直後、その星と懸け離れたパフォーマンスが出る事)は、古いデータですが2009年4月1日と2010年3月31日のレーティングを比較したデータを見ても明らかです。
国際株式型ファンドのスターレーティングの推移とその特徴
この記事によりますと、2009年4月1日時点で星が5つ付いていたファンドの中で2010年3月31日に星1つまで落ち込んでしまったファンドが6.90%あったり、一方では2009年4月1日時点で星2つしかなかったファンドの中で2010年3月31日に星5つまでジャンプアップしているファンドが1.47%あります。
僅か1年でこんなに異動してしまうという事例は、パフォーマンス改善のためにレーティングを利用するということがいかに無意味であるかの証左ではないでしょうか。
冒頭の記事に即して言えば、国内リートについて
近年、国内REITは日銀により買入れが行われており、(1)AA格相当以上、(2)売買の成立した日数が年間200日以上かつ累計額が200億以上などといった基準を満たしたREITのみ購入されています。そのため、日銀の動向に合わせ、上手く銘柄を絞り込んだ一部のアクティブファンドが成果を発揮している可能性が考えられます。
と述べられているとおり、たまたま今の相場状況(現在のレーティング算定対象期間)においては特殊状況を利して高パフォーマンスを得られていますが、さてこれから先はどうするつもりなのか。相場状況が変わったときにそれに即して運用手法を変えて高パフォーマンスを維持できるのかどうか、それを我々投資家は予め見抜けるのかどうか、という問題になるでしょう。


一方で、コストが低いことによる恩恵というのは、あくまで「長期的にリターンを蝕む要因が少ないことで、安定的にパフォーマンスを下支えする」という以上でも以下でもありません。特定の始点と終点を切り取った期間内で高コストファンドがパフォーマンスで上を行く、という現象は起こりえないものではありません。
つまり、必ずしもコストの高低はレーティングの仕組みと相性が良いものとは言えない面があります。

更に、モーニングスターレーティングは最低3年運用したファンドでないと付与されませんが、平均コストの引き下げに寄与したニッセイ・三井住友DC・たわらノーロードといった低コストインデックスファンドシリーズなどは軒並み付与対象外になっていることにも注意が必要です。
また、生き残りバイアスが掛かっている可能性があることも考慮すべきでしょう(星が付くほど長期間生き残っている高コストファンドは、あまりひどすぎない程度に成績を残しているファンドであるはず。ひどいと償還されるはず)。


確かに、コストだけで将来のパフォーマンスが最良のファンドを選ぶことは難しいかもしれません。
しかし、レーティングがそれに代わり得るファンド選びの基準として機能するものなのかどうか。
「レーティングは過去のパフォーマンスの反映でしかない」「過去のパフォーマンスは将来を保証しない」「(高コストだろうと低コストだろうと)パフォーマンスを上げるファンドを事前に見抜くことは著しく困難」「コストは確実にリターンを蝕む」といった教訓を基にすれば、どちらが第一の基準たるべきかは自明のように思います。
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[ 2016/10/03(月) 02:39 ]
[ 最終更新:2018/02/11(日) 17:50 ]

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