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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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損保ジャパン日本興亜AMの直販DCは見かけ上の低コストで客を誘い込むスタイル?
損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントが個人型DCの取扱を開始しています。
損保ジャパン日本興亜アセット個人型DCプラン

紛らわしいですが損保ジャパン日本興亜DC証券の個人型確定拠出年金とは別会社の別サービスです。
更にややこしいですが、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの個人型DCの窓口業務(問い合わせなど)は損保ジャパン日本興亜DC証券に委託されているようです。

運営管理手数料は極めて低くできる


この損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントのDCは、運営管理手数料が「掛金月額」と「資産残高」の組合せによって決まります。
「掛金月額」が運営管理手数料を決める条件になるという方式はなかなか珍しく、しかも「掛金が2万円以上なら常に手数料167円」「掛金が1万円以上2万円未満なら資産残高100万円以上で手数料167円、100万円未満でも307円」と、手数料167円条件が非常にゆるくなっています。
「企業型DCもDBもない2号(限度額23000円)」「企業型DCがあり個人型への加入が認められている2号(限度額20000円)」なら加入当初から手数料を167円にすることができますし、「DBのある2号・公務員(限度額12000円)」でも307円という比較的低廉な水準でスタートできます。
このように、一見、極めて低コストでDCが利用できるプランかのように見えます。
最初から167円しか引かれずに投資に回るというのであれば、極めて心強く思えそうになります。





信託報酬は高い


ただ、問題は運用商品です。
運用商品のラインアップを見てみますと、元本確保型商品が傷害保険1本のほか、投資信託として15ファンドが並んでいますが、このファンドというのが過去にも取り上げた新設ファンドを中心とするアクティブファンドで占められています。インデックスファンドは1本もありません。
損保ジャパン日本興亜AMの直販ファンド?

信託報酬を見てみますと、国内債券ファンドの2本が0.594%と0.432%、Jリートファンドが0.8964%のほかは、1%内外の水準になってきています。
これでは継続的なコスト負担の重さに耐え続けなければならず、資産運用としてはかなりハンデを背負っていることになります。

かつてスルガ銀行のDCは、「運営管理手数料は常に167円で済むが、信託報酬が高いからトータルでは微妙」という扱いでした。
そのスルガ銀行でも、高いとは言っても0.756%の信託報酬で先進国株式インデックスファンドが買えた(ほかの資産クラスはもっと安い)わけですから、損保ジャパン日本興亜アセットのDCはそれより更に微妙な扱いをしなければならないでしょう。

思惑が邪推しようと思えばできる


損保ジャパン日本興亜アセットのDCプランの運用商品は、フィデリティ・大和投信・アセットマネジメントOneが1本ずつ提供しているほかはすべて自社商品の直販です。
従って、割高な信託報酬の中の、信託銀行分を除く全てを自社で取ることができることになります。
それを考えれば、なにも運営管理手数料を取らずともやっていけるという計算である可能性はないともいえません。
むしろ、「目立つ運営管理手数料を格安にして客を誘い、高い信託報酬を確実に払わせて儲けよう」という思惑(要するに、収益を取る名目を書き換えるだけ)かもしれず、そうであるとすれば行動経済学的になかなかうまい作戦であるかもしれません(ただ、そういう策だとすると「運営管理手数料を気にするのに信託報酬はザル」という、コスト感覚が鋭いんだか鈍いんだか分からない人物像をターゲットにしているという不合理なことになりますから、ここまで考えるのは勘繰りすぎかもしれません)。

また、採用されているアクティブファンドが「ESG」とか「バリュー戦略」とか、一見耳障りのいい運用戦略を謳っていることからも、信託報酬より別のところに目を惹きつけて誘引しようという思惑を推認できないわけでもありません。

結局は、アクティブファンドとしてお付き合いできるかという基本的な検証が全て。ある意味課税口座での運用と一緒


ただ、思惑がどういうものであれ、それに無批判にお付き合いする必要はありません。
アクティブファンドであるなら、その運用方針を見て、実績があれば実績を見て、信託報酬との兼ね合いを見て、お付き合いできるのなら乗る、付き合えないのなら乗らない、という判断を下すだけのことです。(インデックスファンドに退避する選択肢が奪われている以上、「お付き合いできる」かどうかは「60歳まで付き合いきれるか」という長い目線で考えなければならず、それだけシビアな検討が要求されます)

特に掛金限度が月額12000円など少額拠出となる場合を中心に、運営管理手数料を大きな柱として運営管理機関を選定しようとする考え方は定着してきています。
しかし、「運用商品の性質やコスト」も劣らずに重要であることを忘れてはならない、ということを思い出させてくれるプランだと感じます。
果たして、楽天証券やSBI証券で低コストなインデックスファンドや特徴あるアクティブファンドを利用するというのよりも魅力を感じるでしょうか? そこは一人ひとりの投資方針に照らし合わせて考えてみなければならないところです。


*モーニングスターにて、担当者の意気込みが語られています。
損保ジャパン日本興亜アセットのiDeCo、運用会社の視点で厳選したアクティブファンド中心のラインアップ
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DC(確定拠出年金) | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2016/12/22(木) 01:53 ]
[ 最終更新:2016/12/22(木) 01:53 ]

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