海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
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外国税額控除制度についておさらい (2)計算プロセス概観
前回に引き続き、外国税額控除について。
今回は控除の計算プロセスを概観します。

なお、基本的に所得税法をベースとしますが、具体的な所得の源泉国によっては租税条約の定めで取扱が変更になっている可能性もありますので留意して下さい。

外国税額控除の計算の手順としては、次のようになります。
(1) 外国で課せられた所得税を集計する。
(2) 全世界所得の中に含まれる、外国で生じた所得を集計する。
(3) (2)の全世界所得に対する比率を、日本での所得税に掛け合わせる。その結果として外国税額控除限度額が出る。
(4) (1)と(3)とを比較して、小さいほうを所得税から税額控除する。

*尚、日本の現在の制度では、「外国」は「外国」で一本の扱いです(アメリカも中国もオーストラリアも区別せず全部合算する)



以下、順番に見て行きます。



外国所得税の集計


外国の法令により、所得を課税標準として課せられた租税を集計します。
当該外国において申告納付であるか源泉徴収であるかは問いません。また、国税のみならず地方税も含まれます。

基本的には税額をそのまま集計しますが、外国人による投資や事業進出などを呼び込むために低税率を敷いている国の場合は、租税条約により日本での外国税額控除の計算上はある程度高い税率で当該国に納付したものとみなす場合もあります。(「みなし外国税額控除」という)
これは、そのような取扱を認めないと、当該国に支払う税金が安い分外国税額控除が減り、日本での税額が増え、結局トータルでの税負担が変わらないことから、当該国への進出が起こらなくなってしまうためです。
むろん、このような取扱が認められているのは、まだまだ国内の経済基盤が脆弱な途上国ということになります。
途上国の有価証券を買って利息・配当収入を得るとか、途上国で個人事業や不動産賃貸を行なうとかした場合には、租税条約を確認してこのような取扱が認められているかどうか調べたほうがよいでしょう。


計算に含まれない外国税額


実際に外国で納付したにもかかわらず、ここでの集計に加算できないものもあります。

そもそも外国税額控除は二重課税を排除するためのものですから、日本側が課税しない所得に対しては税額控除を認める必要がありません。
典型的なのはNISA制度で保有する有価証券の利息・配当です。仮に外国で源泉徴収がされていたとしてもその税額をココでの集計には加算できません。
ほかには、資本剰余金を原資としたみなし配当もこの類型です。
これらを外国税額控除の対象にしてしまうと、結果的に日本国政府が税収を削って当該外国に資金援助をするのと同様のことになり、それは容認できないというものです。

また、租税を減免するための怪しい類型の取引による外国税も集計にふくまれません。
例えば、家族や事業上の密接関係者を通じてのお金の貸し借りなど。所得の付け替えに使われそうな感じですが、それは外国税額控除の対象としては認められません。(このような取引を利用するほどなら、相当にプロフェッショナルな税理士や弁護士が付いているのでしょうから、そういう取引に関係のある人は詳細はそれらの専門家から聞けると思います)

更に、本来当該外国が課税できない金額も集計対象外です。
外国政府、もしくは納税者自身による何らかのミスで、当該外国が許される税率以上に高い税額を徴収してしまう場合もあります(例えば、米国からの配当金につき、日米租税条約上は米国政府は10%しか課税できないのに、米国の非居住者としての取扱がなされず居住者並みの高税率を課せられるなど)
そのような場合、本来外国政府に許されない徴収ですから、日本政府がそれをそのまま税額控除するいわれはありません。日本政府が身を削って外国政府の間違いを追認することになってしまいます。
このような場合は、日本での外国税額控除では外国政府が本来取ってもよかっただけの金額を控除に回すことになります。あとは、納税者本人が過剰徴収分を当該外国政府に還付請求することになります。

外国での所得を集計する


日本で計算される全世界所得の一部を構成する、国外源泉所得をピックアップして集計します。
法文上は、「国外源泉所得に係る所得のみについて所得税を課するものとした場合に課税標準となるべき金額に相当するもの」とされており、あくまで日本の税法から見た所得額になります。従って、税法上の計算基準の食い違いなどから、ここで算出する所得額と、外国で課税される際に算出された所得額とは食い違いが出る事もあるかもしれません。

どのような種類の所得が国外源泉所得になるかは所得税法95条4項、所得税法施行令225条の2乃至225条の14に詳述されていますが、基本的にほとんど全ての類型の所得が入っているといっても良いでしょう。
不動産の貸付や、外国で事業が行なわれる匿名組合の出資配当なども(言うまでもなく)対象になっていますから、仮にこれらの資産に投資している人がいたら、きちんとそれらにまつわる損益計算をして所得を出さないといけません。

逆に、「国外源泉所得」に入らないものを見ていった方が早いかもしれません。

国外源泉所得に入りそうで入らないもの


まず、NISAの損益など日本の税法基準で非課税になっているものは、集計対象にはなりません。
「課税標準となるべきもの」にそもそもなりようがないのですから、当然でしょう。

外国法人の発行する株式の譲渡益は、意外ですが、基本的に国外源泉所得に入りません。
所得税法施行令225条の4によれば、譲渡益が国外源泉所得になるのは不動産関連です(不動産、鉱業権、採石権、山林、不動産関連株式、ゴルフ場の権利)。
不動産関連株式とは、ざっくり言えば、総資産の半分以上が不動産である法人の株式や投資口です。
ここでいう法人には投資法人なども含まれますが、そうすると、例えばリートの個別銘柄とかリートETFなんていうのは譲渡益が国外源泉所得になるのでしょうか?

SBI証券で提供されている米国貸株サービスの貸株料は、ちょっと悩ましいところですが、利子の起因となる「株式の消費貸借契約」は日本の居住者であるSBI証券と日本の居住者である納税者との間で締結されていますから、国内源泉になる、すなわち国外源泉所得の集計には含めないということになるでしょうか。


控除限度額の計算、控除額の確定


以上により、国外源泉所得が確定したら、その金額が全世界所得に占める比率を計算します。
そして、全世界所得をベースに計算した日本での所得税にその比率を掛け合わせた金額が、外国税額控除の限度額となります。

なお、過去3年以内で、控除限度額が実際の外国税額より多かった場合は、その余っていた分も当年度の外国税額控除の限度額に加算されます。

また、過去3年以内で控除限度額をオーバーしていた外国税額があり、逆に当年度では外国税額控除の枠が余っている場合は、過去の外国税額を今年の余った控除枠に入れて還付を受けることができます。


外国税額控除の手続は大略以上です。
意外と理屈そのものは難解なものではなく、むしろ所得額や外国税額を集計する作業的な手間が大きいのではないかと思います。
ただ、今はe-taxである程度自動計算できる部分もありますから、作業的なハードルは多少下がっていると思います。

海外投資の機会が身近になる中、税制の理屈も是非抑えておいて、投資に際し戸惑いや萎縮のないように、ひいては投資機会を無駄にすることのないようにしましょう。
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[ 2017/01/14(土) 02:56 ]

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