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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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還付金の額が確定しますが住民税への影響も忘れずに
1月も終わりに近付き、確定申告の作成も進捗を見る頃です。

個人事業主は今まさに本番真っ只中で、決算を組んで納付税額を一から算出して、となっているところかと思いますが、給与所得者の場合は既に年末調整でとりあえずの納税を完了しており、確定申告では医療費や寄付金などの控除を適用して還付金を受け取るだけ、という人も多いでしょう。

「所得の増加を伴わず、控除だけ適用の還付申告」の場合、控除の効果がそのまま還付金の額として出てくることになります。
そのため、節税策の効果が感じられる…という風に思う人も多いと思います。

ただ、ここで一つ重要な留意事項があります。
住民税への影響が別個に残っているはずだ、という事実を忘れずにということです。


今回申告するのはあくまでも国税である所得税であって、地方税である住民税については埒外です。
納付税額や還付税額が出てもそれは所得税だけで、住民税は含まれていません。
そのため、今回の申告書での最終的な還付額を見ただけでは、控除の効果を過小に捉えてしまうことになります。
20万円の医療費。
7千円の還付金。

なんだか、医療費控除って申告しなくてもいいレベルじゃないかと思いました。

おそらく、個人の支払っている所得税やふるさと納税等で還付金が変わってくると思うのですが、こんなに面倒な作業なのに7千円しか返ってこないとなると、来年はもう医療費控除の申告しないかなーって思っちゃいます。

確定申告のために昨年の医療費計算したら約20万円だったのに、還付金が残念すぎる件。  (アラサーOL 初めての資産運用とお金の話)

上記は医療費控除の事例です。
20万円の医療費となると10万円の所得控除ですから、確かに、所得税額への効果は5000円(税率5%)とか1万円(税率10%)とかに過ぎません。
しかしながら、実際にはこれとは別に、住民税が1万円(所得控除10万円の10%)安くなるという効果があるはずです。
つまり、税額に対する効果総計は、還付金として見える額の2倍とか3倍に上っていることになります。これだけ違いがあれば、医療費控除の申告の手間についての評価もかなり変わってくるのではないでしょうか。

このあたりの説明はツイッターでもしましたが、要するに、所得税と住民税とで税額決定の時期がずれているので、所得税の還付金の情報しか入ってこないため、住民税での節税効果をつい失念してしまうことになります。
おまけに、所得税は「還付金」という目に見えやすい形で効果を享受できますが、住民税は「徴収額が減額される」という若干実感に乏しい形で効果が現れてきます。よって、ますますもって節税効果が認識し難くなります。
還付金という現金を介した形のものが強く印象付けられるのは、行動経済学的な認知のゆがみとも言えるでしょう。
また、DCの掛金拠出時の所得控除について、しばしば「住民税部分は徴収の減額という形だからメリットを意識しにくい(そのため、ついメリット分を浪費してしまいやすい)」という注意喚起が述べられますが、ある意味ではかなり似た事情にある面もあるといえそうです。



何らかの税制を利用するとき、こうしたメリット規模の錯覚に陥らないためにも、やはり確定申告の段階で住民税の影響まで試算して、全体の税負担を考慮しておくことでしょう。
幸い、住民税は所得無関係に10%という比例税率ですから、所得の増減に伴う住民税メリットの計算は極めて楽に出来ます。
また、住民税の試算をできるサービスもありますから、実際に「控除などの制度を利用した場合」「利用しなかった場合」の良パターンを入力して計算してみることで、制度利用によるインパクトの額がはっきり計算できます。
個人住民税 税額シミュレーション (横浜市)
税金計算機 (所得税・住民税簡易計算機)

こうしたサービスも利用しつつ、正確な税効果を把握して、より的確な反省や意思決定に役立てたいものです。



参考までに、所得税だけのインパクトでもって確定申告の必要性を軽視すると住民税などの後続が怖い…という、魂の叫びのこもった悔恨ツイを掲示します。
過去に紹介した税金漫画の作者の方ですから、耳を傾けておいて損はないかと。





*なお、ツイート中で保険料というのは、国民健康保険料だと思いますが、これは現在では所得控除前の所得に掛かってくるので、「控除をいじるだけの確定申告」であれば今は関係なくなっています(所得をいじる申告であれば当然に影響します)
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税金 | トラックバック:0 | コメント:2
[ 2017/01/31(火) 12:51 ]
[ 最終更新:2017/01/31(火) 12:51 ]

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コメント
はじめまして。
逆にサラリーマンで副業をされている方で、
住民税について、以下のことを理解しておられない方も多いのではないでしょうか?

【給与所得以外の所得が20万円以下の人は、所得税の確定申告は不要ですが、市民税・県民税の申告は必要です。】
http://www.city.otsu.lg.jp/soshiki/005/1215/g/shimin/shinkoku/1482227296753.html
URL | freeflyfisher #- | 2017/02/01(水) 06:18 [ 編集 ]

Re: タイトルなし
> はじめまして。
> 逆にサラリーマンで副業をされている方で、
> 住民税について、以下のことを理解しておられない方も多いのではないでしょうか?
>
> 【給与所得以外の所得が20万円以下の人は、所得税の確定申告は不要ですが、市民税・県民税の申告は必要です。】
> http://www.city.otsu.lg.jp/soshiki/005/1215/g/shimin/shinkoku/1482227296753.html

コメントありがとうございます。
住民税申告は手続き自体マイナーですし、所得課税として基本的に一体なイメージなだけに、国税が申告不要な時に住民税は申告必要ってのはあまり知られてないでしょうね。
あと、「所得が20万円以下でも、控除(医療費でも寄附金でも住宅ローンでも)を受けるため等で確定申告する場合には漏らさず申告しなければならない」というのもどこまで知られているか。

申告の必要不要くらいは納税義務者として整理・理解しないといけませんね。
URL | 安房 #- | 2017/02/01(水) 18:15 [ 編集 ]

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