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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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分配金減額について分かり易い説明。今一度、投資戦略を再考する契機にしたい |
ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型は、1月末段階で国内公募投信で純資産額第3位を誇る先進国リートファンドです。 このファンドは1月から分配金を60円から40円に減額させたそうですが、今般、そのことについてSBI証券のサイト上にて運用会社の日興アセットマネジメントが質疑応答形式で解説しています。 「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」分配金引下げをどう考える?
これを一読してみますと、分配金というものの正確な意味が示されているとともに、それに対する向き合い方が示唆されているように思われ、意外に良記事かもしれません。
ご存じの方も多いかもしれませんが、分配金は、いかなる場合もファンドの資産を「切り出し」て払うものであり、その分だけ基準価額が下がります。今回は、その「切り出し率」(分配率)が大きくなりすぎていたので、従来のレンジに戻そうという比率調整だったとご理解ください。
下図の通り、基準価額が下がることで「分配率」は自動的に高まっていました。しかし今回、分配金を60円から40円にしたことで、約24%だったその率(60円×12ヵ月÷2,945円※)は、約16%(40円×12ヵ月÷2,945円※)に下がりました。
言い換えれば、今回の分配金の引き下げは、年率24%もファンドの資産を外に出してしまうのではなく、40円に下げて様子を見た後、今後の上昇を待とう、という意味合いが強いと言えます。
※2017年1月5日(決算日)の基準価額(税引前、1万口当たり)
なお、減額した分はファンドの資産に残る(基準価額がその分下がらない)ため、減額自体はお客さまの「損得」に直接的に影響を及ぼしません。確かに、投資家のみなさまにとって、分配金の入金額は減りますが、その分だけ「ファンドに残っている分」が増えたのだということを、今一度ご理解いただければと思います。 まず、分配金というものが純資産を取り崩して支払われるものであり、その分だけ基準価額を下げるものであるということは、交付目論見書にも記載されていることではありますが、改めて「切り出し率の調整」という表現で説明しています。 基準価額が下がるのと同時に切り出し率が急上昇しているグラフも示されており、この説明は理解しやすくなっていると言っていいでしょう。 分配型の宿命として、ある程度基準価額が下がってくると運用益の率が分配金に負け出して、基準価額の下落に歯止めが掛からなくなりやすいですが、グラフを見ればそのことが一目瞭然でしょう。
そして、その後で各投資家の投資戦略の再確認・再考を暗に迫っているようにも見えます。 「40円に下げて様子を見た後、今後の上昇を待とう」という説明がされていますが、これは要するに、分配落ち前で月間40円すなわち年率16%の運用益が出続けなければ、基準価額は下がり続けるということを示していることに他ならず、そんな運用でよいのか、と問いかけていると解釈できます。 年率16%、それも月次で安定的に、というのがいかに高い数値かというのは説明するまでもないでしょう。これでは、実質的に今後もトータルリターンでの利益は期待薄だということが宣言されているようなものです。
また、「減額自体はお客さまの「損得」に直接的に影響を及ぼしません」「分配金の入金額は減りますが、その分だけ「ファンドに残っている分」が増えたのだ」という表現は、分配金を受け取ろうが受け取るまいが、リターンには何ら影響せず、分配金に拘泥するのは投資判断としては何ら合理性が無いという意味に他なりません。 このような発言が、分配型の投信を出している運用会社から受益者向けになされているという意味は重視されていいでしょう。 (投資家が分配金を欲しがるからそういう設計で出してるけど)分配金はそもそも投資家の利益でもなんでもないんだけど、本当にそんな商品でいいの? この機会にもう一度考え直しなさいよ、と問いかけられているのです。
今回の記事が、日興AM側の主導で作成されたのか、SBI証券側の主導でインタビューしたのかは分かりませんが、いずれにせよこういう解説が販売会社のウェブサイトに掲載され受益者に届くのは有意義なことだと思います。信託報酬の販売会社取り分程度の仕事はしているようです。 (日興AMのウェブサイトにも解説や資料は出ていますが、やはり、口座のある販売会社のサイトの方が目に付く可能性は高いでしょう) せっかく運用会社がこのようなメッセージを出したのですから、当該ファンド、あるいは類似する商品性のファンドを保有する受益者は、暗に突きつけられた問いを読み解いて、投資戦略を改めて検証し、より合理的な方針を考える契機にしたいものです。
なお、インタビューはこの後、ファンドの先行き・リート市況の見通しなどが述べられ、如何にリートが有望であるかを主張していますが……
特にその主張には真剣に耳を傾ける必要はないでしょう。
市況見通し自体は、やはり運用会社として当ファンドを売り込むべく、ファンドに有利な方向にバイアスが掛かった説明になるのはやむを得ないものと認識すべきで、客観的に正確な見通しであるとは限りません。 また、仮に市況への見通しが正しいのだとしても、ではその中で当ファンドを積極的に選ぶ理由があるのか、という点については積極的に何か示されているわけではありません。
当ファンドは信託報酬が1.62%、実質コストが1.756%(2016年1月6日~7月5日の運用報告書での「1万口当たりの費用明細」が合計0.878%であることより、その1年分換算)という高コストアクティブファンドですから、それに見合った超過リターンがなければ話になりませんが、どういう方法でリターンを実現するのか(銘柄選択基準など)も特に詳しい説明はなく、実際にも特に有利な結果は出せていないようです。
 もとより、将来的に大化けする可能性を一概に否定することもできませんが、コストの低い(すなわちリターンの押し下げ要因が小さい)インデックスファンドを押しのけてまで当ファンドを選択する合理性は(たとえ過剰分配が解消されたとしても)見出し難いのかな、というのが正直な感想です。 (単純に「コストが高い」というだけですから、為替取引を組んだりオプション取引を組み合わせたりしているファンドよりは分かり易い商品性なだけ幾分かはましではありますが…)
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投資信託
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[ 2017/02/01(水) 02:21 ]
[ 最終更新:2017/02/01(水) 02:21 ]
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