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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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朝三暮四ってどういう意味ですか? |
「朝決めたことと夜決めたことがすぐ変わるという意味で、すぐに物事が変わっていく、あっさり変えてしまうということ」ではありませんよ。 そういう風に理解をしていた総理大臣もいらっしゃったようですが……。
さて、そろそろ個人所得税の確定申告も期限が近づいてきており、ツイッターを見てみますと早い段階で還付申告をした人の中にはもう還付金の振込通知を受領された方も結構出ておいでのようです。 私は追加納付する立場なので、そういう喜びの声を上げることはできませんが……。
しかし、仮に申告書の作成結果が還付だからといって、それは喜ぶものなんでしょうか。 世の中にはこの還付金で遊びに行こうとしたり買い物をしようとしたり、景気のいい発言をする方もおられるようです。 消費性向が拡大するのは景気の刺激になって悪いことでもないんですが、還付金を「利益」と考えておいでのようだと、ちょっとどうなのかという気がします。
 上記が源泉徴収→還付に至るまでの流れを簿記仕訳でごく簡略に表したものです。
還付金が発生するということは何らかの源泉徴収を年の途中で行われているということですが、この段階では当然年間の課税所得が未確定の段階で概算税額を徴収しているだけです。確定した税金費用はこの段階では認識できません。 つまりこの段階では確かに手元の現金は減少しますが、複式簿記的に言うと相手方勘定は"仮払金"という「資産」でしかありません。
確定申告にてその年の収益・費用、各種控除等を取り纏めた結果、ようやく税金費用が確定・認識できます。 ここで、複式簿記的には税金費用の相手方勘定として"未払金"という「負債」が認識されます。
最後に、今まで源泉徴収で積み上げてきた仮払金がありましたから、これを未払金と相殺して、差額が現金預金で調整されることになります。仮払金の方が多ければ、相殺仕訳の借方に現金預金勘定が登場する=現金預金が増えることになるわけで、これが還付金です。
さて、ここまでで現金預金以外に認識したのは仮払金という資産、未払金という負債、税金費用だけです。どこに利益があるんでしょう。
確定申告の結果が還付になろうが追納になろうが、それはひとえに「仮払金の過不足の調整」に過ぎず、それ自体が新たに利益になるわけでも損失になるわけでもありません。 例えば、上図の例では結果的に年間税額が1080だったわけですから、後にして思えば各月の源泉徴収は90ずつだけ納めていれば足りていたわけで、結果論としては納める必要のないものを納めていたわけです。 そう考えると、特段喜ぶべき何物もありません。 むしろ、源泉徴収されてから還付されるまでの時間価値を考えると、その間の運用益の取り損ねというロスを食らわされていることにもなります。
例えば私には、毎年、確定申告の後に振り込まれるお金で大きな買い物をしたがる傾向があります。当然ながら、日常的に口座に入ってくる原稿料も税金の還付金も同じお金であり、価値は同じです。 ところが、いったん手元から消えたお金が戻ってくるせいか、還付金には、常に臨時収入を得たような感覚がつきまといます。そして、直後に行なう買い物は、浪費ではなく「特別枠」としてカウントされるのです。 行動経済学では、このように同じお金であるにもかかわらず、(歪んだ)差別化が行われることを「心の会計」と呼んでいます。 後田享・大江英樹(2014)「生命保険の嘘」(小学館) 11-12頁[後田]
この引用文の筆者の方はマネーの専門家なのですが、その方でも「臨時収入(利益)」感覚を持ってしまうようです(無論、こう書かれるということは、それが錯覚に過ぎないことも認識されているということですが)。 いかに還付金というものが錯覚を引き起こし、消費を喚起するに至る力が強いか、「心の会計」の威力のほどが分かります。
しかし、結局は利益でもなんでもないものなのですから、それを忘れて浪費に走っては、景気への影響はよいとしても個人の家計的には明らかなマイナスにしかならないことになる、ということは、頭の片隅に置いておきたいものだと思います。
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年末調整
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[ 2015/03/09(月) 08:00 ]
[ 最終更新:2017/08/21(月) 00:16 ]
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