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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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ズボラでも投資はできますし、資産管理全体の基礎知識も得られます
ズボラでも「投資」って、できますか?~元メガバンカーが教える お金を守り、増やす超カンタンな方法 (高橋忠寛)を読みました。


本書の著者は、銀行にて法人営業や富裕層向け営業を経験した後に独立して、「販売には関わらない立場」で金融商品のアドバイスをする事務所を立ち上げているという方です。
現在の立場は岩城みずほ氏や後田享氏に近いものになるでしょうか。

本書は、「ズボラな人」である相談者が高橋氏に相談に行き、資産形成・資産管理に関する教えを受ける体裁となっており、会話形式で話が進みます。
相談者は、
・35歳男性、子供一人
・世帯年収(夫婦合計)800万円
・月3万円貯金・残高累計200万円(いずれも見栄を張った数字)
・投資経験なし
という、実にどこにでもいそうなありふれた人物です(貯蓄に関する数字がその場で鯖を読んだものというのもなかなか卑近な感じを受けさせます)。
こういう人物(当然、事前の金融リテラシーは大して高くない)を会話相手として設定しているのですから、話す内容も当然基礎の基礎から、過度に高度な議論にわたらぬものになっています。まさしく「簡にして要を得た」といった仕上がりになっています。





本書では、4章構成の第1章において、タイトルの通りズボラな人向けの投資方法を説明しています。その内容は、「ネット証券を利用した、低コストなインデックスファンド(資産分散)への積立投資」という、ごく常識的・予想通りの内容のものです。
ただし、実のところ、本書において投資の占める割合はごく一部に過ぎません。

まず投資をするべき理由として「インフレとデフレ、円安と円高、それによる社会や個人への影響」を説明し、「一攫千金ではなく、徐々に増やしていく投資の方法もある」という話からしており、投資することに関する納得感を与えると同時にマクロ経済に対する若干の認識も持たせるようにしています(経済関連では、他に「高金利の通貨は減価する」という情報も含まれています)。
そして第2章以下では、保険(生命保険・医療保険の要否、貯蓄性ほか)、不動産(購入・賃貸、住宅ローンに関する考え方ほか)、知らないと損する税制(NISA、確定拠出年金、さらには相続・贈与対策に至るまで)という、およそ個人資産の管理まわりのあらゆる分野を網羅するに至っています。

これだけの幅広い分野の内容を、初心者にも理解できるであろう程度の難易度で、260ページ程度の書籍一冊に盛り込んでしまうのは、さすがに個人顧客との相談業務に長らく携わってきた経験のなせる業でしょうか。

また、筆者の過去の在職経験からでしょう、「分かりやすいテーマだと銀行員は商品を売りやすい」「銀行員はお金のプロではなく、販売のプロ」「保険料の内訳をブラックボックスにすることで保険会社は儲けている」「高い手数料を払って保険会社にお金を管理してもらう必要はない」など、売り手側の都合や論理についても歯に衣着せず斬っており、心地よさを感じます。


筆者は、「おわりに」にて
これまでの金融機関が提供する商品やサービスは、顧客の利益が最優先にされてきませんでした。金融庁が推し進める金融改革により、顧客の利益が最優先されるビジネスに変貌することに期待はしていますが、そんな簡単に変わらない気もします。
私は金融機関側に変化を求めるだけでなく、お客さんのほうも金融機関にカモにされないような最低限の知識を身に付けてほしいと思っています。それが自分のお金を守るための武器になるはずです。
と述べており、この問題意識には私もまったくの同感です。
金融機関側に、顧客の利益を犠牲にしてでも自らの利益を極大化しようとする動機が常にあることは構造上まったく当然のことですから、金融機関側が自発的に顧客本位だけで動いてくれることを期待するのはあまりにも善意を過信しすぎというものであり、自己防衛のためにも自ら正否を判断できる程度の知識を持っておく必要があることは当然です。
さらに、金融機関側が完全に善意であったとしても、各個人ごとに異なる資産状況や人生設計などを踏まえて最適な提案ができるのかといえばやはり限界があるのはやむを得ないところで、どの道最終的には自分自身での意思決定が必要になります。そのためにも知識を自身で持っておかなければならないでしょう。

本書は、カバーする分野の幅広さ(ほぼ個人資産関連の全問題に対応できる)、及びその平易さからして、十分に知識を身につけるための入門書として機能することができるものと思います。
およそ資産管理について知見が無い人は、ともかくまず本書を読んでもらい、理解できたらその次の段階として人生にお金はいくら必要かあるいは働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義あたりに進むイメージで良いかな、と思います。
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[ 2017/07/13(木) 02:33 ]
[ 最終更新:2017/07/13(木) 02:33 ]

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