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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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「英国流資産形成アイデアに学ぶ」。投資家にも、仕組みを作る側の人にも必読の書か
9月6日にコツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ #87が銀座にて開催されました。
今回は会の終わり近くに幾つかの書籍を巡ってのじゃんけん大会があり、その中の1冊、脱老後難民 「英国流」資産形成アイデアに学ぶ (野尻哲史)を獲得することができました。
本書は正規には9月9日に発売予定でしたが、著者の野尻氏が会に参加され提供されたものです。
著者ご自身にも了承を頂けましたので、正式発売日前ですが、取り急ぎレビューをしてみたいと思います。


本書は、主に、「投資家側のマネープランニングに関する部分」と、「仕組み(制度設計や販売の流れ等)に関する部分」とに分かれます。

マネープランニングに関する箇所では、「老後難民」になることを避けることを念頭に、税制優遇制度を利用することや「目標代替率(=リタイア後の生活費を、リタイア前の年収の何%にするか)」と老後の年数を用いて必要資金総額を導出することを説いています。
老後の必要資金総額は、意外と大きな数字になることが示される一方、「専ら取り崩す期間(≒最晩年近く)」「取り崩しながら運用も継続する期間(≒リタイア後当面)」「資産を準備する期間(≒リタイアまで)」と3期に分けて逆算していくことで、意外と無理なく資金の準備ができることを示しています。
このような逆算による計画の立て方は個人にとって大いに参考になりそうです。特に、2番目の期間(運用と取崩を並行する期間)の設定により、準備すべき資金のハードルが下がることが具体的な数値例で示されているのは心強くなるでしょう。

また、個人に資産形成への意識付けをさせるために、どのようなアプローチをしていくのが良いか(どうすれば「刺さる」か)も、対象属性別に考察されています。
これは筆者の勤務するフィデリティ退職・投資教育研究所の実施した意識調査などのデータも踏まえて考察されたもので、金融教育をする人(販売会社、企業年金の担当者、FPなど)には是非参考にしてもらいたいものです。
筆者は、まだ投資家になっていない人(「未投資家」と呼んでいます)に資産形成の意識付けをすることを重要視しており、実際にも誰しもがそのような意識を持って自助努力していかなければならない時代なのも確かですから、こうした「刺さる」アプローチの考察は今後重要度を増すと思います。


仕組みに関しては、特にイギリスの事例を重点的に紹介しています。
イギリスに注目しているのは、日本同様に高齢化が対処すべき課題として認識されてきた経緯があり、その対応として企業年金やISAといった制度を拡充して資産形成を進めてきた点で日本の手本になる、ということです。
特に、日本はイギリス以上に高齢化が進んでいるのに資産形成に関する進捗は今のところ遅い、という点に深刻な危機感を指摘しています。

具体的には、以下のような内容から成っています。
 ・企業年金の拡充。ほぼ全企業に何らかの企業年金が導入
 ・DC、ISA制度の使い勝手改善
 ・金融教育の拡充。初等教育のカリキュラムや退職者向け教育などとして教育に携わるNPOや公的機関などの組織の働き
 ・投資信託販売のスキームの変化。プラットフォームと呼ばれる販売チャンネル(「口座管理」及び「幅広い商品をラインアップすること」に特化した機関。あまり積極的な販促活動などは基本しない)の台頭
 ・「顧客本位の業務運営」
 ・アドバイザーに関する規制の変更。コストの明確化など。

イギリスの事情というのはなかなか触れる機会がありませんが、確かに日本の先行事例として参考になりそうな話ばかりです。
ファンドを幅広く扱うプラットフォームが、通常の販売会社や直販を押してシェアを取っていると言うのは興味深いところですが、口座を増やすことなく幅広い商品の購入ができるというのは納得の理由です。
日本ではかつて存在した「投信スーパーセンター」がコンセプトとして近い存在なんでしょうか? また、ひふみ投信やコモンズ投信などの独立系ファンドが直販だけでなく証券会社経由での販売もするようになっているというのも、口座を増やさないでという意味では似たような方向性になるかもしれません。

一方、アドバイザリーフィーを顧客に直接課する(運用会社からのキックバックは禁止される)という形でコストは明確化されたが、小規模の投資家には却ってコスト増になった場合があるという話もあり、必ずしも投資家が利益を享受するばかりでもないということでいささか気になるところです。


本書は、個人・教育者・制度設計者いずれにとっても学べるものが多いものとなっています。
特に、制度設計をする人(金融庁で法制度を作る人、金融機関でビジネスモデルを考える人など)には、是非読んでもらって今後の金融環境の改善に生かし、国民の資産形成が捗るように活用していってもらいたいと思います。


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[ 2017/09/08(金) 01:58 ]
[ 最終更新:2017/09/08(金) 01:58 ]

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