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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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途中で変な方向に行ってるのがなんとも惜しい本 |
金融機関が教えない 貯まる投資術という本を読みました。 書店でちょっと立ち読みして興味があったので、後からkindleで購入という流れです。立ち読み段階で後述するようなアレレな流れも把握していたので、kindle版と書籍版との価格差は重要になりました(^^;
全7章のうち、前半5章まではごくオーソドックスな資産形成本です。 お金の話をタブーにしない(金を貯める・増やすことに意識を持つべき)ということから始まって、インフレリスクの認識の必要性、家計改善、リスクとリターンの理屈、ポートフォリオに基づく分散投資、リバランス&リアロケーションなど、ごく真っ当な記述が続いています。 投信ついったらーレベルであれば最低限の常識に属する話も多々ありますが、全く投資に触れた事もないような人たちにとっては有益なものでしょう。
ただ、そこまでの記述を踏まえて具体的に手法を薦める第6章・第7章がいけません。 いくらなんでも、そこでいきなり「変額保険」はないんじゃないでしょうか。
変額保険を薦めるロジックは、「普通の保険と違って変額保険なら投資成果に応じて死亡保障額が増加するので、インフレ対応ができる。また、最低保証があるから保険機能としても安心。保険と蓄財のミックスとして、保険をまだ持っていない人が買うにはいいんじゃないか」というもののようです。 なお、「一時払い型」のものは推奨しておらず、月払いや年払いといった定期的に払い込むタイプのものを薦めています。ドルコスト平均による買付のメリットを生かす趣旨のようです。(ドルコストそれ自体がメリットになるのかは微妙な面もあるのですが、「払込金額より遥かに大きな資金を受け取れる」という保険としての機能との関係では一時払い型に合理性が乏しいのは明白なので、その限りでは一時払い型を薦めない結論にだけは同意できます)
しかし、「保険と蓄財のミックス」なるもののどこがいいんでしょうか。 保険金の最低保証が付いているということは、それだけの原資を確保しておく必要があるという事で、そのためのお金は保険料から取るしかありません。 となると、どういうことになるでしょう。例えば1000万円の死亡保険金保証がついた商品であれば、保険金の一部が1000万円の掛捨保険の保険料に回り、残額で特別勘定(変額保険内での各運用先)を購入するような形になります。(あくまでざっくりしたイメージです) つまり、運用に回せるのは保険料と比べて相当程度低いことになります。 保険会社内でのシステム運用経費も単純な保険と比べてそれなりに高くなりそうな点も考慮すると、保険は保険として単純な掛捨てに加入しておいて、運用は運用で分けたほうが効率的(少なくとも同等以下にはならない)ではないでしょうか。
さすがに本書でもそのような指摘を受けることは想定済みです。 資産運用としては普通に投資信託を買った方が効率としては上であることを認めています。 それでもなお変額保険を薦める理由としては、「市場環境がどうであろうと、底値売りでの退出や天井掴みをすることがなく、強制的にコツコツ積立がなされる」という仕組みを挙げています。 確かに、一般の株や投資信託だといつでも売買できる分、そのようなまずい投資行動を取ってしまうこともあります。 しかし、その対策なら確定拠出年金を使えば済む話です。 強制的にコツコツさせられる仕組みというのは確定拠出年金でも全く同じ、投資成果を老後保障または遺族給付で享受できるのも全く同じです。 コスト面や税制面の優遇を考慮すると、明らかに「低コスト保険+確定拠出年金」の方が、変額保険に勝るのではないでしょうか。
なお、本書では触れられていませんが意外に見過ごされやすいところとして、「変額年金の特別勘定には、たかだか生命保険契約者保護機構による保護しかなされない」という点があります。 確定拠出年金経由で投資する投資信託(一般の投資信託でも同じですが)であれば、信託保全が付いていますから関係機関が破綻しても何の影響もありませんが、生命保険契約者保護機構の保護であれば、保険会社の破綻があった場合に状況によっては資産が削減されてしまう可能性があります。 本書の薦めるような「若いうちから、30年・40年のスパンで投資を続ける」という投資スタイルであれば、当然に関係機関の破綻リスクも視野に入れるべきでしょうから、重要なポイントでしょう。
半分を過ぎるまではそれなりに良い内容だったのに、、最後に薦める商品でいきなり残念感あふれる印象になってしまいました(変額年金を薦めている部分でも、狼狽売りなどをせずコツコツ積み立てることの重要性を説くなど良いことも言ってはいるんですが…)。 トータルで見ると、似たようなタイトルのこっちの本を読んだ方が良かろう、と思います。 →金融機関がぜったい教えたくない 年利15%でふやす資産運用術
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変な本
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[ 2015/04/30(木) 08:00 ]
[ 最終更新:2016/03/17(木) 01:19 ]
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