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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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Smart-iシリーズが信託報酬配分変更…販売会社の意識はまだこんなものなのか
りそなアセットマネジメントの低コストインデックスファンドSmart-iシリーズが、珍しい内容の訂正有価証券届出書を提出しています。
信託報酬の配分変更です。

詳細を確認します。

名称委託会社販売会社受託会社信託報酬合計
Smart-i日経225インデックス0.0864%0.0756%0.0216%0.1836%
0.081%0.081%0.0216%
▲0.0054%+0.0054%±0%±0%
Smart-i TOPIXインデックス0.0864%0.0756%0.0216%0.1836%
0.081%0.081%0.0216%
▲0.0054%+0.0054%±0%±0%
Smart-i Jリートインデックス0.0864%0.0756%0.0216%0.1836%
0.081%0.081%0.0216%
▲0.0054%+0.0054%±0%±0%
Smart-i先進国株式インデックス0.1188%0.0756%0.0216%0.216%
0.0972%0.0972%0.0216%
▲0.0216%+0.0216%±0%±0%
Smart-i新興国株式インデックス0.1944%0.1512%0.0216%0.3672%
0.1728%0.1728%0.0216%
▲0.0216%+0.0216%±0%±0%
Smart-i先進国リートインデックス0.1188%0.0756%0.0216%0.216%
0.0972%0.0972%0.0216%
▲0.0216%+0.0216%±0%±0%





信託報酬全体を変更しないまま、配分だけを変更するというのもなかなか珍しい事例です。
いずれも委託会社の取り分を削って、販売会社に回している格好です。

Smart-iシリーズは、登場した当時はTOPIXがemaxis slimよりも低コストの設定となっており、リートも大幅な安値更新となっているなど、注目を引くコスト水準だったものです。
その後、慌てたemaxis slimが初の追随値下げをするなど、コスト競争に一石を投じたのは記憶に新しいところです。

ところが、どうしたことかいつまで経っても販売会社が付きません。
僅かにりそな銀行埼玉りそな銀行近畿大阪銀行SBI証券で、つみたてNISA向けとして取扱予定があるとされている程度です。(このほか、「つみたてNISA対象ファンドはすべて取り扱う」という方針と伝わっている楽天証券や松井証券などでは後々ラインアップに加わってくる可能性があります)
このうち銀行3つは、「◆つみたてNISA専用のファンドになります。」と明記されており、少なくとも当面は一般売り(現行NISAや課税口座での販売)はしないようです。まさに最低限の取扱といった感じです。

こうした状況下で今回の販売会社取り分上昇の配分変更です。
無論確たる根拠などありはしませんが、勘繰れるのは、販売会社が取り分に不満でそっぽを向いていたのではないかという可能性です。
配分変更前のSmart-iの販売会社取り分は、つみたてNISAで採用例の多い他のシリーズと比べても僅かですが低く抑えられていたようです。
販売会社取り分
シリーズTOPIX日経225先進国株式新興国株式国内債券先進国債券国内リート先進国リート
Smart-i0.0756%
0.081%
0.0756%
0.081%
0.0756%
0.0972%
0.1512%
0.1728%
0.0648%0.0918%0.0756%
0.081%
0.0756%
0.0972%
iFree0.0864%0.0864%0.0972%0.1404%0.0702%0.108%0.1404%0.1404%
たわら
(12月30日予定の引下げ前)
0.0864%0.0918%0.108%0.2457%0.0702%0.0945%0.1431%0.1674%
三菱UFJつみたて0.0864%0.0864%0.0972%0.1728%
ニッセイ
<購入・換金手数料なし>
0.0756%0.081%0.0864%0.1728%0.06696%0.0864%0.108%0.1188%

新興国株式でiFreeの方が高かったのと、ニッセイ<購入・換金手数料なし>が今度の決算明けからの引下げの影響で一部資産で同点・逆転があるくらいで、あとはSmart-iの方が販売会社取り分が低くなっています。
それを、他のシリーズと同等くらいの水準まで引き上げた格好なのが今回の改定です。(リートは信託報酬全体の水準が他のシリーズより一段低いので、改定後でも他のシリーズと差がついています)
「取り分を増やしますから、何とか取扱してください(ノД`)・゜・。」ということなのかもしれません。

今回の改定によっても、委託会社の取り分を引き下げて全体としての信託報酬水準が変わらない結果になっている以上、一応、投資家にとっての不利益はありません。
しかし、考えようによっては、販売会社によって、本来ありえた投資家の利益が削られているともいえます。
委託会社の取り分を下げたということは、例えば先進国株式であれば委託会社としては0.0216%引き下げた水準でも何とかやっていけたということであり、投資家は本来その0.0216%分のコスト減をそのまま享受できたはずのところ、その分を販売会社に取られることになるわけです。取り分を増やしてくれなければ販売をしない、という態度のために。
仮にそうだとすれば、販売会社の姿勢は、まさに投資家の利益を犠牲にして自己の利益を図ることということになります。
まだまだ日本の販売会社の「顧客本位」とはこの程度の意識ということです。

販売会社による取り分への不満ゆえにせっかくの低コストなファンドが販売されず、また可能だったはずの更なるコスト低減も妨げられ販売会社に取られるというのは、投資家にとっても大変な損失です。
こうしてみると、やはり信託報酬の一部が販売会社に還元されるという方式そのものの弊害を認識させられます。
外国では、信託報酬から販売会社への還元がそもそも廃止・禁止されている国もあることが知られています。
 米欧で進む投信販売改革 日本は周回遅れ
このように販売会社が信託報酬からの「コミッション」体系でなく「フィー」体系で収益を取るようになれば、委託会社の努力によるコスト低下については投資家が直接享受することができるようになり、今回みられるような販売会社による取扱渋りやコスト低下分の横取りは生じないと思われます(勿論、投資家側においても、できる限りフィーの薄い販売チャンネルを利用する努力が必要になります)。

まだまだ日本の投資信託販売において、投資家の利益を尊重しようとしていない部分は大きい、その一例を見せられる事案でした。
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Smart-i | トラックバック:0 | コメント:2
[ 2017/11/11(土) 23:05 ]
[ 最終更新:2017/11/11(土) 23:05 ]

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コメント
こんにちは。私も英国ISAのことを調べていて、販売会社の取り分がexpence ratioとは別に記載されていることに気づいて驚いた記憶があります。
(ただ案外高く0.3%くらい取るようです)

つまりファンドとしてのオペレーションフィーは運用会社がすべて受け取り、販売会社は「我々は預かり資産からこれだけ受け取ります」ということを自由に決めることができ、顧客はそれを見て金融機関を選ぶことができるというのは健全な市場を形成する要素だと思います。
少なくとも販売会社が儲かる、取り分の多い商品に販売の重点を置くということがなくなると思います。
URL | #- | 2017/11/13(月) 00:33 [ 編集 ]

Re: タイトルなし
> こんにちは。私も英国ISAのことを調べていて、販売会社の取り分がexpence ratioとは別に記載されていることに気づいて驚いた記憶があります。
> (ただ案外高く0.3%くらい取るようです)
>
> つまりファンドとしてのオペレーションフィーは運用会社がすべて受け取り、販売会社は「我々は預かり資産からこれだけ受け取ります」ということを自由に決めることができ、顧客はそれを見て金融機関を選ぶことができるというのは健全な市場を形成する要素だと思います。
> 少なくとも販売会社が儲かる、取り分の多い商品に販売の重点を置くということがなくなると思います。

「少なくとも販売会社が儲かる、取り分の多い商品に販売の重点を置くということがなくなる」
まさにこれが重要だと思います。
取り分が不満で扱われないようでは困ります。

委託会社の努力でコストを下げられる分はきちんと投資家が享受できつつ、販売会社から助言が全く要らない人は薄い(零に限りなく近い)フィー、どうしても助言がなきゃ困る人は高いフィー、というのがよいと私も思います。
URL | 安房 #- | 2017/11/13(月) 01:33 [ 編集 ]

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