農林中金全共連アセットマネジメントから、つみたてNISA向けのインデックスファンドが登場します。
詳細を確認します。
いずれも12月19日の設定となっていあmす。 販売会社には農林中央金庫の名があります。実際には、全国のJAバンクが販売することになるのでしょう。 信用金庫向けにしんきんアセットが設定したしんきんノーロード日経225と同様、グループ内の販売会社向けに自前で作ったものと思われます。
日経225のほか、S&P500に目を付けたのはなかなかセンスの良い着眼ではあります。 ただ、しんきんアセットのものと同様、コストがあまりにも高く、あえて購入する理由が見出せません。 もっとも、JAバンクの取り扱いファンド一覧によると、従来の取り扱いファンドは、日経225が信託報酬0.648%、TOPIXが0.594%、Jリートインデックスが0.432%(ただし毎月分配)、あとは軒並み高コストアクティブファンドのみ、という惨憺たるありさまなので、今回の2ファンドでも輝いて見えてしまいかねないという状態ですが……
というか、JAバンクって全国どこに行ってもこのラインナップしかないんですか…? たしか地域別に独立した組織だったはずですから、それぞれ独自性があるのかと思ってましたが…
しんきんアセットといい、グループ向けに商品開発をするのもそれ自体は系列の中央を担う機関として尤もな意思決定なのかもしれませんが、どうもあまりそれがユーザーのための商品として結実しているとは今のところ言い難いようです。 一方で、同じように系統をなしている金融機関グループでも、労働金庫連合会の場合を見てみますと、夏の段階で低コストインデックスファンドの取り扱い開始を表明していましたが、更につみたてNISAでもたわらやiFreeなどを導入することになっています。 「つみたて NISA」対象商品の選定について
なお、ろうきんのインターネットバンキングでは、課税口座においてもたわらやiFreeなどが債券やリートも含めて取り扱われているようです。 低コスト商品は「つみたてNISA専用」と銘打って課税口座では販売しない扱いにする販売会社も数多い中、貴重な対応といえます。
もとより、そもそも労働金庫は投信運用会社をグループ内に持っていませんから、そもそも自前で設定するという選択肢はないわけですが、それにしても、外部から引っ張ってきている労働金庫の方が、自前でグループ販売会社向けに設定しているしんきんや農林中金より投資家にとっての利益に適った結果になっていることは明白です。 わざわざ今になってグループ向けに信託報酬の割高なつみたてNISA用ファンドを設定するのは何のためなのか。投資家の資産形成を促進するという「顧客本位の業務運営」に適った考えがあってのことなのか、それとも割高な信託報酬を設定してグループ内で総取りしようという目的でしかないのか、これらのグループ系統の中央にいる方々にはしばし考えてもらいたいと思います。
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