たわらノーロードシリーズより、目標リスク水準を設定するタイプのバランスファンドが設定されています。
詳細を確認します。 たわらノーロード 最適化バランス(保守型)/(安定型)/(安定成長型)/(成長型)/(積極型) 投資スキーム:以下の9種類のインデックスに連動するマザーファンドに投資するファミリーファンド方式
国内株式:TOPIX 国内債券:NOMURA-BPI総合 先進国株式:MSCIコクサイ 先進国債券:シティ世界国債インデックス(除く日本) 先進国債券(為替ヘッジ):シティ世界国債インデックス(除く日本、為替ヘッジ) 新興国株式:MSCIエマージング 新興国債券:JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス 国内リート:東証REIT指数 先進国リート:S&P先進国リートインデックス(除く日本) 目標リスク水準(年率):保守型2%、安定型5%、安定成長型7%、成長型10%、積極型13% 信託報酬:0.54% 運用開始:平成30年1月24日 販売会社:SBI証券、楽天証券
たわらシリーズからのバランスファンドは、リスク水準に着目すると思われるものとしては、たわらノーロードバランス(堅実型)/(標準型)/(積極型)、たわらノーロードスマートグローバルバランス(保守型)/(安定型)/(安定成長型)/(成長型)/(積極型)に続いて3種類目です。(このほか、リスク水準とは無関係の8資産均等型があります) なにやら似たようなのが立て続けに出ていますが、どうやら特徴は以下のように整理されます。
シリーズ | 最適化バランス(今回登場) | バランス | スマートグローバルバランス |
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資産配分見直し | 年2回実施 目標リスク水準に基づいた最適化計算による | 固定? 見直しをするとは謳わず | 年2回実施定量的に算出するが基準の明示はなし |
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構成資産 | 9資産 | 10資産 最適化バランスに加えて「先進国株式(為替ヘッジ)」がある | 8資産 最適化バランスから「新興国債券」が抜ける |
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信託報酬 | 0.54% | 0.2376% | 0.54% |
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ちょっとずつ特徴を違えつつ、ぱっと見で違いが識別できないのを乱立させるのも混乱を招くばかりでいかがなものかとは思います。
なお、スマートグローバルバランスは、どういうわけか当記事執筆時点で販売会社がまだないようです。従って、実際に購入が可能なのは、現時点で最適化バランスとバランスの2種類になります。
目標リスク水準を設定する今回の「最適化バランス」は、emaxis最適化バランスと類似したコンセプトといえます。信託報酬も0.54%で並んでいます。 ただ、emaxisで一番リスク水準の低い「マイゴールキーパー」でも目標値は6%と、たわらの「安定型」と「安定成長型」の間に位置しています。たわらの「積極型」は、emaxisでいうと「マイミッドフィルダー」(年率12%)とほぼ同等にとどまり、emaxisには更に高リスクの「マイフォワード」(年率16%)、「マイストライカー」(年率20%)が存在しています。 このように、全般的にemaxisより低い水準の目標リスクであるということは、期待リターンも低めに落ち着くことが予想されます。
もとより、同じ目標リスクであってもポートフォリオ計算過程が全く同一になっていない限り、ポートフォリオは異なる可能性があり、より効率的にリスクを取れるなどしてリターンが高くなる可能性も否定はできません。 しかし、手段がインデックスファンドの組み合わせに限られるとなると、それにもおのずから限度がある(極端にリスクあたりリターンが向上する可能性は低い)のではないかと思われます。
特に、積立買付を念頭に置くと、「下がったところで多量に買える」というメリットを考えるとある程度価格変動があった方が適しているとも考えられますから、あまりリスクを抑えすぎるのも逆効果とも考えられます。 となると、本ファンドの設定の狙いはあるいはつみたてNISAなのかもしれませんが、つみたてNISAでは「emaxis最適化」を捨てて本ファンドを選択する意義は乏しく、むしろ課税口座で既存資産(あまり減らしたくないもの)をある程度まとまった投入をするのに(どちらかといえば)適しているかもしれません。
ただ、いずれにしても、信託報酬自体が現今の水準からするとやや割高ですから、あえて購入する判断に至るかどうかはかなり難しいところではありそうです。
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