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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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Fund of the Year 2017 表彰式。色々と時代が変わったことを実感させられる結果
1月13日に実施されたFund of the Year表彰式に参加してきました。

今回の結果は、既に公式サイトにアップされています。
また、会の模様は、既にすぱいくさんがアップされています。
 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017速報 【第1部 iDeCo/NISA アンケート結果発表】 #foy2017
 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017速報 【第2部 みんなの【声】を聞いてみよう!個人投資家が注目ファンドに寄せる熱いコメント」一挙紹介!!!】 #foy2017
 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017 速報【第3部 結果発表】 #foy2017

いちおう、私も実況ツイートをしたのでまとめておきます。




概観


今回の結果は、楽天バンガードやMSCI ACWI(除く日本)といった新機軸のファンドに、<購入・換金手数料なし>シリーズやemaxis slimという「継続的なコスト引き下げ」をコミット・実践するファンドが食い込む構図でした。
概ねこのような構図になることは事前に予想していた通りです。

ニッセイ<購入換金手数料なし>外国株式インデックスファンドは、投票期間中に信託報酬の引き下げを発表したものの、emaxis slimシリーズがやはり同じころに信託報酬引き下げを数度にわたって実施しており、インパクトを殺がれたのではないかと思いましたが、支持基盤は固いもので連覇こそ途切れたものの2位に踏みとどまりました。
ニッセイアセットマネジメントの上原取締役が登壇し、「ファンドが大きくなったら、その分を運用効率化して投資家に還元するのが立ち上げ当初からのコンセプト」「大きく育ててくれた既存投資家そのものに返していくという思い」「ライバルの低コスト化に心が折れそうになることもあるが、このコンセプトは動かない」と、非常に頼もしいスピーチをされています。
実際に、今まで何度となくコストの引き下げで信頼感も得ていますし、emaxis slimに代表される「新ファンド設立によるコスト引き下げ」に対するアンチテーゼ(既存の投資家に返していく)を不動の方針として明言したことからも、今後とも支持は簡単に衰えることはなさそうです。

もとより、emaxis slim型の「新ファンド設立により、旧ファンドによる高収益を維持しつつ低コストのファンドを出す」という作戦によってこそ、価格破壊の一段の促進が起こりえたこともまた確かでしょう。
異なる戦略が併存することによって価格競争がより熾烈になった、戦略の多様性の賜物と言ってよいのではないかと思います。

投資家の声が重視される時代の象徴


例年基本的にそうですが、今回の上位入賞ファンドは特に「投資家本位、投資家の意見に応える」という思いのこもったものになっています。
「インデックスファンドは最も基本的な投資」という楽天投信、外国株式を一本で買えるという新機軸の上「安さばかりでなく運用の質を重視している」という発言を(十分な安さを持ちながら)していた野村投信など、スピーチでも投資家本位の考え方の一端を覗かせていたり、懇親会でも各運用会社とも口々に「投資家の声を直接聞いて活かしたい」旨の発言が聞かれました。
10位に入っているiFree S&P500がつみップでの個人投資家側からの意見が元で設立に至ったのを典型に、今回のFOYの順位は、投資家の声の意義が高まっていることを象徴するような結果と考えたいところです。

歴史的役割を果たし終えたのか


また、今回のFOYの結果でもう一つ投信界の変化の象徴と考えられるのは、セゾン投信のファンドがベスト10の座を失ったことです。
Fund of the Year2007以来、セゾン投信は2ファンドのうち少なくとも1本はベスト10入りしていたのですが、今回は史上初めていずれもランクインを逃しています。歴史的な出来事と言ってもいいでしょう。

コメント紹介では、「郵便局で買えるようになり、未経験者に国際分散インデックス投資への道を開いた」ということをこのファンドの意義として高く評価する声もあったようです。たしかに、かつてはそれが大きな存在意義でありえたのでしょう。

しかし、今や(つみたてNISA限定販売の縛りがある場合も多いですが…)多くの地方銀行でも個別資産クラス・バランスファンドとも信託報酬最安値近辺のファンドが取り扱われています。
特に、数多くの販売会社にラインナップされているつみたてんとう(三菱UFJつみたて)シリーズは、運用会社自身が店頭販売向けを念頭に置いたもので、「販売員研修も踏まえたフルセットのサービスを提供」とされていますから、販売会社から顧客に丁寧な案内・説明がなされることが期待されます。
また、ゆうちょ銀行においても、つみたてんとうシリーズのほかJP4資産均等バランスという低コストバランスファンドも登場しています。

こうなってくると、「身近な販売会社で、直接丁寧な説明を受けつつ投資を検討できる」というセゾン投信の従来の強みは、独自性をかなりの程度失ってしまっているといえます。
となると、後に残るのは「今や最安値からかなり引き離されてしまった、一世代前のバランスファンド」でしかありません。これでは厳しい。
要するに、セゾン投信が今まで果たしてきた役割は他のファンドでも果たせるようになってしまい、大きく立ち位置が揺らいでしまっている状態です。
今後、コスト水準の見直しをするなり何なり、よほど思い切った手を打たないと、セゾン投信の特にグローバルバランスファンドの方は支持層を維持・拡大していくことは難しくなっていくのではないかと思います。
むしろ、アクティブファンド「達人」の方が、運用対象選定や実績など特徴が強いため、これからは支持を維持しやすいかもしれません。ただ、それはそれで、常に市場より優れた成績を上げ続けなければならないということにほかならず、これはこれで茨の道ではあります。

終わりに


色々な意味で、歴史的な変化を実感させられるイベントとなりました。
もとより、「多くの会社が、投資家の利益につながる優良なファンドを真剣に設定するようになった」ということの現れですから、極めて喜ばしい事といえます。

今回の投票対象ノミネート期限(10月末)を終えた後には、EXE-iつみたてシリーズや楽天VWO・楽天VYMといったファンドの設定もあり、また投票期限(11月末)を過ぎた後に更なる信託報酬引き下げをしたファンドも何本かあります。今回以上の激戦になることは目に見えています。
更に、現在までに新規設定されたファンドは次回の投票が行われる頃には(運用報告書が間に合うかはわかりませんが)月次レポートが何本も出てきており、実際の乖離状況など運用の質も見られ始めるフェイズに入っていきます。
運用会社にとっては厳しい日々が続きますが、是非今回の受賞スピーチなどで語った志を持ち続け、良質な運用の実現をしていただきたいと思います。
また、それを実現できているかどうか、投資家目線で直接評価を下すことで切磋琢磨を促せる本イベントは、ますますもってその重要性を増していくことになるでしょう。
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Fund of the year | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2018/01/15(月) 00:33 ]
[ 最終更新:2018/01/15(月) 00:33 ]

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