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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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あさイチにて投資特集。制度紹介の取っ掛かりとしては
予告されていた通り、NHKあさイチの1月25日放送にて、積立投資に関する特集が放送されました。

コーナー冒頭でつみたてNISA Meetup(つみップ)の模様を少し紹介して(冒頭挨拶の場面と、懇親会での参加者へのインタビュー)、そのあとはつみたてNISAとiDeCoの紹介でした。
つみたてNISA Meetupのイベントの紹介なのかと思いましたが、それは取っ掛かりに過ぎない感じでしたね。

本放送の時間帯には私は仕事中でしたが、先に視聴した人のツイートなどでは今一つ満足いかないような感想が目立ちましたので、どんなものだったのか不安を覚えつつ録画視聴してみました。
結果、意外にそこまで悪いものでもなかったのではないか、というのが感想です。

良かった点


さり気なく、少額での投資ができることをアピール


つみたてNISAとiDeCoの制度の紹介は、加入資格や利用可能額、節税メリット等を項目ごとに紹介する、オーソドックスなものでした。
もとより、そもそも制度を知らない人に向け、諸条件やメリットを説明するのは欠かせません。
尚、重箱の隅をつつくようですが、iDeCoに加入できるのは20歳以上(60歳まで)と紹介されていたのは厳密には誤りです。
iDeCoには、国民年金の1号被保険者・3号被保険者(これらは確かに20歳以上でしかありえない)のほか、60歳未満の厚生年金被保険者は加入資格を有します。厚生年金保険は、適用事業所で一定時間以上就労する従業員である限り、年齢の下限なく加入できます(というか、加入しなければなりません)。
従って、中卒や高卒で就職して厚生年金に加入した人は、20歳に到達する前であってもiDeCoに加入可能です。(その後20歳になる前に退職した場合は、再就職して厚生年金に再加入するか20歳に到達するまでの間は、おそらく運用指図者になると思われます)
※事業所が企業型DCを実施していた場合は、当該企業型DCの規約が認めていない限りiDeCoに加入できませんが、もちろんこの制約は20歳以上も同じです。

さて、その中で、投資可能額として、つみたてNISAは月額100円から、iDeCoは月額5000円からと紹介されており、「100円から!?」と驚きの声も上がっていました。
あまり力点を置かれてはいませんでしたが、隠れた重要ポイントだったと言えると思います。
投資というと、どうしてもまとまった資金がないとできないという印象を抱きがちです(つみップの配布資料の中にもそういうアンケート結果が出ています)。


ここで、月額100円あるいは5000円から投資が可能という制度が紹介されたとなると、いくらなんでもこの金額を「まとまった資金」という人はいないでしょう。
僅かな金額からでも「投資」ができる仕組があると知らしめた事は、一つの重要な誤解を解くきっかけになりうる点で、それなりに意味があったと評してよいでしょう。

自助努力の有効性・必要性を指摘


つみたてNISAとiDeCoの制度説明に続き、有働由美子氏が「なぜ国は、ここまで有利な制度を作ってまで投資をさせようとするのか?」と疑問を呈し、それに対し深田晶恵氏と柳澤秀夫氏が「公的年金は国民全体の保険料を一つの丼にしてそこから取り出すようなイメージだが、その取れる量が少なくなっていくかもしれない。そこで『じぶん年金』を各自で作ってもらいたいということ。少子化などを考えるとそういう方策が必要」と解説しています。

「全体を一つの丼」という喩えは、公的年金あるいは確定給付型年金(企業年金など)の弱点を端的に表現しています。
これら予め給付水準を何らかの形で決めてしまっている年金は、その運営主体(国や企業)の責任において支給のための資金を用意することになります。
しかし、そこでもし前提条件が悪化して、資金運用が想定ほどうまくいかなかったり、人口減少で保険料(掛金)収入が少なくなったりしたら…それでも給付をやめるわけにはいきません。
そこで、公的年金であれば国家権力を使い、増税や保険料引き上げなどで原資を確保したり、給付水準を将来に向かって引き下げたりします。
企業年金であれば、当該企業が穴埋めをする結果、従業員の給与が抑制されたり、最悪倒産の憂き目を見たりすることもあるでしょう。
結果的には、何の責任もないはずの加入者・受給者が何らかの形で不利益を被ることになります。国や企業に任せているはずが、巡り巡って意外に害を受けます。
「じぶん年金」であれば、自分以外の他人の状況がどうであれ、自分の持ち分は自分のもの、何ら巻き添えを食わされることはありません。その意味では、自己の関知しない不測の危険を軽減するものともいえます。(もちろん、その反面、運用がうまくいかないとその結果も引き受けることになり、誰に助けてもらうわけにもいきません)

この意味で、今回紹介されたつみたてNISA&iDeCoの必要性・有効性は、丼云々の喩えでうまく説明がされているといえます。


また、少子化などで公的年金の維持が難しい状況にあるから個人で備えてほしい…という国の本音は、年金財政からしても至極当然の話です。
公的年金に頼ること一辺倒で、公的年金支給の拡充を求められる一方では財政が持たない恐れが大きいのは明らかで、各自が準備することで給付の抑制がしやすい(拡充する必要性が薄れる)ようにならないと困るという、この状況が存在するのは確かでしょう。

どちらかというと不安を強調するイメージだからか、この辺は頗る評判がよくないですが、しかし、自助努力の必要性と優位性、更に公的年金の拡充が困難と見込まれる現状を正しく認識することはマネーリテラシーとして不可欠でしょう。
私は、これらの現状認識を公共放送の中で冷徹に突き付けたこの一節は、投資の必要性を納得させ動機付けをする上で必要不可欠だったのではないかと思います。



不足していた点


「投資=短期売買・タイミング売買・銘柄選定」という点の払拭


「投資=大きな資金が必要」という点は、既に述べたとおり、ひっそりとですが払拭されていました。
ですが、「売り買いのタイミングを見極めたり、銘柄を選別したりしないと利益が出ないのではないか?」という、こちらも極めてありがちな認識については、特にフォローはされていません。
「投資=デイトレ」のような認識では、やはり大抵の人は、尻込みをするか、変に積極的な売買を繰り返してコストを嵩ませるなどの失敗をするか、等といったあたりが落ちになりそうです。
「市場全体に投資するインデックス投資であれば、個別銘柄を選定する必要がないうえに、タイミングにかかわらず長期保有していればそれなりの利益が出る可能性が高い」「その『市場全体』というのも、日本だけでなく先進国全体とか世界全体とかもある」ということが触れられていないのは残念でした。

損失を闇雲に恐れる点


コーナーの最後の方で、「投資は損をすることもあるから慎重に」と、リスクを忌避する空気が強まるような雰囲気になっていました。
確かに、減少するリスクがあることは確かでしょうが、だからと言って闇雲に恐れるばかりでよいとも言えません。
そもそも、株式であれば投資先企業(株式インデックスへの投資であれば対象地域の企業全体)の純資産あるいは将来の利益を手に入れることになるわけですから、株式会社が利益をあげるんどえあればそれに応じて株価の価値も増大していく方向に向かっていきます。
勿論、本来あるべき価格より買われすぎて暴騰したり、売られすぎて暴落したり、ということはあります。その結果、損失を抱えることもあるでしょう。
しかし、そこで投げ出さずに保有継続、さらに安いところでも買付を継続していけば、いずれ株価も落ち着くべき適正なところに戻っていき、安く買った分が貢献して収益もプラス方向に戻っていくはずです。(損失になったところで諦めて投げてしまうのが一番勿体ない)

この辺の話は、理論も、リーマンショックを潜り抜けた長期間の体験談(損益数値付き!)も、「お金は寝かせて増やしなさい」(水瀬ケンイチ)に極めて詳細に書かれていますから、是非一読すべきです。
また、それこそつみップの席上でもさんざん白熱した議論・体験談が披露されていました。せっかく取材に来ていたのですから、この辺の内容もきちんと盛り込んでもらえるとよかったのではないかと思います。

つみたてNISAとiDeCo、別に選ばなくてもいいんだよ…というか、基本は両方利用でよい


また、つみたてNISAとiDeCoは、「こういう人の場合どっちを使ったらいいのか」という議論が盛んになされていましたが、どちらか片方を選ぶべきものという誤解を呼ばないかが非常に気がかりではあります。
勿論、別にどちらかを選ぶ必要があるものではなく、両方使っても一向にかまいません。

また、「iDeCoは60歳まで引き出せない」ことをつみたてNISAを優先する理由にしていることがありましたが、特にそういう議論をする必要もないし、また、少なくとも給与所得者の場合にあっては両制度をフル活用」が最適解になる場合が多いのではないかと思っています。
というのも、老後資金までの収支を考えると、どのみちつみたてNISAとiDeCo程度の資金は資産としてどこかしらに確保しておかなくてはならない場合が多いと思われるからです。
「人生にお金はいくら必要か」(山崎元・岩城みずほ)でも紹介されている人生設計の基本公式は、年収や年金見込み額、保有資産、老後の生活比率など、今後の人生に関する諸条件を入力することによって、手取り年収のどれだけの割合を資産として残しておくべきかを算出する式です。
これの計算結果は、実際には、20%程度の数値になることが多いようです。実際に試算してみると分かりますが、よほど保有資産が巨大だったり超高給取りだったり老後の生活を切り詰めたりする設定でない限り、10%とかの数値までは下がってこないと思います。
企業年金のないサラリーマンの場合、iDeCoとつみたてNISAの枠を合計すると676,000円。これを0.2で割ると338万円になりますから、これ以上年収があると、iDeCoとつみたてNISAの枠いっぱいに相当する額程度は最低限資産形成に回さないと話にならないわけです(そうしないと、老後の生活費が不足することになる)。手取りで338万円というと、額面では単身者の場合で420万円とか430万円くらいでしょうか、結構簡単に到達してしまいそうな数字です。
こうなると、iDeCoが60歳になるまで引き出せないなどというのは利用を避ける理由になどなりませんし、むしろ出せないのがメリットだと言わなければなりません(なにしろ、「最低限このくらいは資産形成に回っていないといけない」枠内なのですから、おいそれと取り崩してしまっては後で帳尻が合わなくなって困るのが落ちです。どうせそういう事なら初めから引出不能な方がよい)。
また、どうせそれだけの金額を資産形成しなければならないのであれば、まずはiDeCoとつみたてNISAを両方利用して非課税メリットを最大限利用するのが最適であることは自明の理です。どちらを選ぶなどという話ではなく、よほど低収入でない限りは片方の枠だけでは足りないでしょう。

終わりに


難点も色々書きたてました。
しかし、「つみたてNISAやiDeCoの存在自体」「少額でも投資ができること」「自助努力の必要性」を知らせたという点においても、今まで人気番組のような目に触れやすい手段で広報されたことはあまりなく、「取っ掛かり」としての役割はまず一定程度果たしたと言えるのではないかと思います。
勿論、今回だけで終わりになるようでは物足りないにも程があります。
不足している情報は今回指摘しただけでもかなりありました。
またその一方で、番組中の街頭インタビューでも「(税金が減るなど)仕組みが分かれば利用したい」旨の声が複数あるなど、高い需要の存在は示唆されています。
素材としても、つみたてNISA特設サイトの諸資料やつみップ会場での議論など十分あるでしょう。
是非、今回の番組の続編によって更なる情報の充実を期待したいと思います。

また、そういう需要を持っている人たちは、今回色々な用語がテレビで流れたわけですから、是非とも検索を掛けて自身でも情報を拾いに来てもらいたいものです。
きっと金融庁のサイトやブロガーの記事が引っ掛かり、有用な情報にたどり着けると思います。

また、本記事でここまでに紹介したもののほかにも、いろいろ有用な書籍もありますから、買うなり借りるなりして知識を身につけるとよいでしょう。
 税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門 (竹川美奈子)
 “税金ゼロ"の資産運用革命 つみたてNISA、イデコで超効率投資 (田村正之)
 老後貧乏にならないためのお金の法則 (田村正之)
 毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資 (吊ら男)
まだまだ多数ありますが、これらの本から1冊でも2冊でも読んでおくと、投資について一層的確にかつ難しくなく理解ができ、必ず有用になるのではないかと思います。
本番組に関連するキーワードの検索で本記事に辿り着いた方は、是非検討してみてください。
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[ 2018/01/26(金) 04:30 ]
[ 最終更新:2018/01/26(金) 04:30 ]

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