PGIMジャパン(旧プルデンシャル・インベストメント・マネジメント・ジャパン)は、運用する投資信託の3月15日限りでの繰上償還決定を発表しています。 信託終了(繰上償還)決定のお知らせ
これは、昨年12月25日付で提案がなされ、異議申し立て手続きで反対票が過半数に至らなかったために決定に至ったものです。 信託終了(繰上償還)予定のお知らせ
今回の償還対象の中には、以下のインデックスファンドが含まれています。 PRU国内株式マーケット・パフォーマー(信託報酬0.702%) PRU国内債券マーケット・パフォーマー(信託報酬0.54%)
PRUマーケットパフォーマーシリーズは、STAMインデックスシリーズ(現SMTインデックスシリーズ)の登場以前の時代において、低コストインデックスファンドの代表的存在の一角を占めていたようです。 水瀬さんのブログの古い記事では、当該シリーズを含む低コストファンドの販売窓口拡大にインデックス投資環境改善のための鍵として期待をかけているものもあります。
ここのところ、投資信託としては最安クラスのインデックスファンドが、いろいろな金融機関で、続々と取り扱い開始になっています。
投信スーパーセンターの「年金積立インデックスファンド」(外国株式・外国債券)、フィデリティ証券の「中央三井インデックスファンド」(外国株式・外国債券)、イーバンク銀行の「PRUマーケットパフォーマー」(外国株式・外国債券・日本株式・日本債券)などなど。 これは、とても良い傾向だと思います。
インデックスファンドの取扱金融機関が増えることはいいことだ ※強調は引用者による 私はSTAMシリーズが登場してからの投資スタートだったので、当シリーズを利用する機会には恵まれませんでしたが、歴史的には重要な意義があったファンドシリーズです。
その歴史的ファンドの一角が崩れるということで、なかなか感慨深いものがあります。
もっとも、今回繰上償還になるファンドはSTAM以降、ましてや直近のニッセイ・たわら・iFree・emaxis slim等の低コスト化の流れに対応しきれておらず、当時の信託報酬水準のまま。気が付いてみれば最安ファンドの3倍4倍という水準に置いてきぼりにされている状態です。
emaxis slim及びニッセイ<購入・換金手数料なし>で、国内株式は0.17172%、国内債券は0.15012%という信託報酬です。 このような完全な落伍状態では客が付くはずもなく、繰上償還もやむなしというほかないかもしれません。(上記引用記事も、その趣旨は窓口拡大・残高増大による償還防止のほか、インデックスファンドの切磋琢磨による改善をも期待しているものですから、競争についていく素振りも見せずに落伍するようなファンドが償還に至ることまで否定するものでは恐らくないでしょう) PRUマーケット・パフォーマーシリーズにはほかに海外株式(0.864%)と海外債券(0.702%)もあり、特に前者はベテラン投資家が嘗て主力として利用していたものですが(水瀬さんの野村ファンドネット証券での悲しい思い出でも知られる)、これらも今や「とてつもない高コスト」としか評しえないレベルになっており、先行きは決して安閑としていられるものではなさそうです。
このファンドのように、一時期は業界を代表する地位の一角を占めていても、時代の変化に対応できず、魅力を維持・増進できないようだと、容赦なく凋落がやってくるようです。 SMT(i-でない)やemaxis(slimでない)なども一時代築いたとはいえ今や低コストファンドとして評価する人は殆どいない有様ですから、決して他人事ではありません。 インデックスe(旧CMAM)とか日興のインデックスファンド(旧年金積立)などに至っては、つみたてNISAにも対応しないままですあkら、存在感が無くなっていく一方でかなり危ない気がします(誰かこれらのファンドを覚えていますか?)
なんてことを言っていたら、やはり影の薄かったi-mizuhoシリーズに変化が起こりましたね。次の記事あたりで取り上げましょう。
今は、マーケットパフォーマーシリーズの時代とは比べ物にならないほど競争が激化しています。 ニッセイ、emaxis slim、楽天バンガード、EXE-iつみたてなどが低コスト化や新たなコンセプトのファンドの開発などにかなりのスピードで取り組んでいます。 またその一方で、投資家側の評価の目も深みを増しており、例えば信託報酬では一歩置いて行かれ気味かのような感もあったたわらノーロード先進国株式について、実質コストの低さなど運用の質を評価するコメントが入りつつFund of the Year2017の第8位に入賞させられるなどの例もあります。 競争相手と客の目、両方が厳しさを増している時代だからこそ、一時的に高評価を受けたとしても努力を惜しまず続ける事が求められそうです。
そういった意味で、上記の引用ブログ記事で 更に、うまくいけば、取扱金融機関同士で競争原理が働き、「そっちがそのインデックスファンドを揃えるなら、こっちはもっと格安のこのインデックスファンドだ」とばかりに、更なる低コストインデックスファンドの取り扱い(もしくは開発)が促進されるかもしれません。 日本のインデックスファンドの信託報酬には、まだまだ値下げの余地があると思います。
こういった動きが、日本のインデックス商品の、長期的かつ安定的な運用につながっていってほしいと、強く強く望みます。
とあるのを読むとなかなか感慨深いものがあります。 金融庁のつみたてNISAなどの政策による影響があり、必ずしも金融機関の自発的な動きばかりではないところは微妙ではありますが、ともかくどうやら時代が追い付いてきたか。
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