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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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ラップ系サービスの運用資産を急落時に売却……何重もの意味でおかしな投資行動
さて、前回の記事にて、「乱高下時に無暗に売却するのは損失のみ受けて回復を待たないおかしな行動であること」「しかし商品によっては下がった時に勝手に売ってしまう仕組であるものがあること」を指摘したところです。

世の中には、そういう残念な投資行動を完璧に実践してしまう人も多いようです。
【悲報】暴落時にロボアドバイザーに解約申し込みが殺到してサイトが一時アクセス不能に! (神経内科医ちゅり男のブログ)

足元の急落局面でロボアドを利用したサービスに売却・解約する注文が殺到したそうです。

このような投資行動は、何重にも不合理なものというほかありません。




第一に、下落時に資産運用を縮小・停止することで、安値からの回復を待たずして損失を確定してしまう事。
リスク資産である以上短期的には上げ下げがあるのが当然で、下がったところで運用を止めるようでは何のためにリスクを取っているのか分かりません。
一時的には下がりつつ、長期的にはリスク相応の利回りに収斂していく、それがリスクを取った長期投資の本筋です。

第二に、しかし、ユーザーレベルでは売らずに運用継続をしても、サービスの内部で勝手に売られてしまうという、サービス自身の抱える弱点が直撃することです。
これは前回の記事で指摘した商品と全く同様の問題点です。(従って、以下の指摘は完全に繰り返しです)
ロボアドを使うにせよ、人力のみのものにせよ、ラップ型のサービスでは、(具体的な挙動はサービスごとに異なりますが)概ねユーザーごとにリスク水準を設定してそれに沿ったポートフォリオを組んでいくはずです。
リスク水準によって決めるといっても、当然、相場変動によるパラメーター変化は実績が出てからの後出しで反映する以外ないわけですから、乱高下を経た後になってから高リスク資産(株式)の比率を下げて低リスク資産(債券、短期金融資産)を買い増すことになります。
強制的に、下がった資産を売って損失確定をさせられ、回復力の弱い資産を買わされることになります。

第三に、第二の問題点の存在により「運用を諦めようが、諦めずに続けようが、不利な運用結果になることが実質的に約束されている」にもかかわらず、高価なコストを負担させられています。
ラップ口座系のサービスでは、口座管理手数料あるいは投資顧問料等と称して、年率1%程度(あるいはそれ以上)の経費が、中身である投資信託やETFの信託報酬とは別に掛かることになります。
運用そのもので不利になる要因はあっても有利になる要因が想定しがたいのに、コストが余計にかかるというのはなんとも合理性のない話です。
松井証券の「投信工房」のように、投信の信託報酬以外に追加コストの発生しないサービスであれば、この話は当てはまりません。
もっとも、投信工房のように「一応最初にロボアドが出てくるが、ユーザーが何らそれに拘束されず好き勝手にアセットアロケーションを変更できる」というようなサービスは、そもそも一般的なロボアド・一般的なラップサービスとは話が別のものとして扱うべきかもしれません。



第一の問題点だけであれば、すなわち解約するという行動だけが不合理なのであれば、ラップ系サービス利用者に対してのコメントは「相場が急変したからといって解約するな」「長期視点で持ち続けろ」というだけで済みます。
しかし、第二・第三の問題点を鑑みると、そもそもラップ系サービスを利用するという大元の選択自体が不合理でして、もはや解約するしないでどうこうなる問題でもありません(むしろ、「投資からの撤退」という意味ではなく、「まともな運用手法への乗り換え」という前提でもってこの機に解約してしまうべきだとも考えられます)。

心理的な要因を排除したり、手間暇を掛けずに放置したいというニーズがあるのはその通りでしょうが、その目的なら、単に普通の投資信託を自動積立なり一括購入なりして放っておけばいいだけです。
株式100%なら楽天VTやニッセイインデックスパッケージ【ファンドパック3】、債券やリートなども含めた配分ならニッセイ<購入換金手数料なし>やemaxis slim、ニッセイインデックスパッケージなどで様々な配分のバランスファンドがあります。コストは信託報酬0.2%台・0.3%台程度、固定配分のファンドであれば「値下がりした資産ほど買い増される」という形になるため「下がったもの・乱高下したものを売る」というラップ系にありがちな投資行動よりは遥かに回復力も期待できる合理的なスタイルです。


もとより、「下落したから資産運用そのものから撤退する」というのは救いようのない行為としか言いようがありません。
同時に、下落相場に直面した際に、「値下がりした株式が売られ、回復・上昇に限度のある債券・短期記入資産が買われる」という運用を目の当たりにすることで、ラップ運用の不合理さを認識して見限るなら、それは極めて有意義なことです。
ラップでなくても感情を排したほったらかし運用などいくらでもできるのですから、是非この機会をとらえ、少しでも低コスト・合理的な運用に乗り換えることを考えては如何でしょうか。
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ラップ系(ロボアド含む) | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2018/02/12(月) 03:40 ]
[ 最終更新:2018/02/12(月) 03:40 ]

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