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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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意外に個性のある8資産均等型バランスファンド |
ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズに新登場の8資産均等バランスファンドは、予定通り2月13日から設定されています。 これで、8資産均等型ファンドは5社による7種類が並んだことになります。
8資産均等ファンドを好みとして利用する場合、信託報酬も下がってきていますしまさにより取り見取りの選び放題……と言いたいところです。 しかし、実はこの7種類、意外にも組み入れ資産に各社ごとの個性があるようです。 従って、各ファンドの特性を理解して、慎重に選択する必要があります。
名称 | 信託報酬 | 国内債券 | 先進国債券 | 新興国債券 | 国内株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 国内リート | 先進国リート |
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ニッセイ<購入・換金手数料なし> | 0.22572% | NOMURA-BPI総合 | FTSE世界国債(除く日本) | JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(除くB格以下) | TOPIX | MSCIコクサイ | MSCIエマージング | 東証リート指数 | S&P先進国リート(除く日本) |
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emaxis slim/ つみたて/ emaxis | 0.22572%/ 0.2376%/ 0.54% | NOMURA-BPI総合 | FTSE世界国債(除く日本) | JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド | TOPIX | MSCIコクサイ | MSCIエマージング | 東証リート指数 | S&P先進国リート(除く日本) |
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iFree | 0.2376% | NOMURA-BPI総合 | FTSE世界国債(除く日本) | JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド | TOPIX | MSCIコクサイ | FTSE RAFIエマージング | 東証リート指数 | S&P先進国リート(除く日本) |
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たわらノーロード | 0.2376% | NOMURA-BPI総合 | FTSE世界国債(除く日本) | JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス | TOPIX | MSCIコクサイ | MSCIエマージング | 東証リート指数 | S&P先進国リート(除く日本) |
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SMT | 0.54% | NOMURA-BPI総合 | FTSE世界国債(除く日本) | JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド | TOPIX | MSCIコクサイ | MSCIエマージング | 東証リート指数 | S&P先進国リート(除く日本) |
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赤字が独自色の強いベンチマークです。 8種類の資産クラスが全て同じになるのは、三菱UFJ国際投信の3シリーズとSMTだけです。 新興国系で独自色が出ている傾向にあります。
iFreeは新興国株式にFTSE RAFIエマージングを採用しています。 FTSE RAFIは、「売上/ キャッシュフロー/ 株主資本/ 配当の4つのファンダメンタル要素を用い」るのが特徴で、いわゆるファンダメンタルインデックスに相当します。 こうした要素がそれ自体としてパフォーマンス向上に資するものであるかどうかは難しいところですが、これら4要素は割と銘柄間の順位が(時価総額とは無関係に)変動しやすそうで、その結果細かい売買が必要になる可能性が高そうですから、取引コストがかさむ恐れがあります(実際、FTSE RAFIを採用しているiFreeシリーズの新興国株式ファンドをSMTやemaxisの新興国株式ファンドと比べると、売買委託手数料も売買高比率も高めに出ています)。コストがかさむとなるとパフォーマンスの足枷として不利に作用する恐れがあることは念頭に置くべきです。
MSCIエマージングのような時価総額インデックスであれば、期初に保有していた株式や期中に時価総額比率通りに購入した株式は、期末にも時価総額通りの比率になっているはずですから、インデックスの構成銘柄自体が変わらなければ、銘柄間の比率調整のために売買する必要は理論上ありません。従って、コスト的には有利に働きます。 また、先進国でMSCI、新興国でFTSEと、異なるインデックスプロバイダーになっています。こうなると、インデックス採用国が重複したり、あるいはどちらにも含まれない国が出てくる場合があります。 現状では、韓国が「MSCIでは新興国・FTSEでは先進国」扱いとなっているため、先進国MSCI・新興国FTSEという構成だとどちらからも除外され、全く投資することができなくなります。将来の構成国の見直し次第では、更なる「どちらからも除外」「どちらにも含まれる」の事例が出てくる可能性はあります。 「日本を除く全世界」の中で韓国の時価総額は2%程度に過ぎないと思いますから影響は限定的かもしれませんが、取りこぼしている国があることは覚えておいた方がいいでしょう。
新興国債券は、使われている指数が実に3つに及びます。 JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス・エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイドは、最も基本的な指数でして、現地通貨建ての時価総額比率によって投資することになります。 JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラスは、米ドル建ての債券に投資するものです。従って、米ドルと現地通貨との間の為替変動を考える必要がなく、この点でパフォーマンスに差異が出ます。 そして、たわらは「JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス」に連動しているのですが、ニッセイは「除くB格以下」という限定の付いたインデックスに連動しています。 ところが、たわらノーロードバランス(8資産均等型)の請求目論見書によれば、新興国債券クラスを担当するエマージング債券パッシブ・マザーファンドでは、「組入債券は、当初組入時において、S&PもしくはMoody’sの外貨建て長期格付がBB-格もしくはBa3格以上を取得している債券とします。」という制限がかかっているので、実質的には「除くB格以下」であるニッセイと同様の運用になっていそうです。ところが、それにもかかわらず、たわらの運用報告書ではこの投資制限を考慮しない(BB-格未満やBa3格未満も含んだ)ベンチマークを比較対象として表示しているので、見かけ上は乖離がものすごいことになっていたりします。
 そのため、たわらの8資産均等や新興国債券ファンドのパフォーマンスをチェックする場合は、ベンチマークとの比較を見ただけでは運用の正確さを見ることが難しくなるので、注意が必要です。
以上のように、一口に「8資産均等」と言っても、内実は意外にばらけており、各商品ごとに値動きの特徴が変わることがあります。 単純に信託報酬や実質コストで商品の優劣を比較することができず、「ドルと現地通貨との為替動向による影響」「売買コスト差とファンダメンタル要素によるパフォーマンス差によるトータルの影響」といった要因が運用成果に影響を及ぼすことを理解する必要があります。 各商品の値動きの特徴をしっかり押さえたうえで、どれなら自分の気に入るか。コスト以外にこういうことを考えて商品選択をする必要があり、8資産均等型は意外に奥深い(厄介な)一面があります。
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投資信託
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[ 2018/02/22(木) 02:57 ]
[ 最終更新:2018/02/22(木) 02:57 ]
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