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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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三菱UFJ国際アセットのブロガーミーティングに参加
3月27日に実施された、三菱UFJ国際投信のブロガーミーティングに出席してきました。
同社のブロガーミーティングは過去にも何回か実施されていたのですが、参加はできておらず。
昨年からつみップの実況をしたり運用会社の中の人と名刺交換をしたりが増えてブロガーとしての存在感が漸く出てきたせいか、今回は募集開始に先立って開催の案内を頂くことができ、無事参加申し込みができました。

今回は、「emaxisシリーズの商品展開」をテーマに、三菱UFJ国際投信の代田取締役のほか、山崎元氏とイボットソンアソシエイツの小松原宰明氏を交えてのトークイベントでした。
また、懇親会でも代田取締役から色々ファンドの運用などに関する興味深い裏話を聞くことができました。

山崎氏にとっては「今までグロソブをはじめとする旧国際投信のファンドを散々批判してきたので、その血を引く三菱UFJ国際投信の敷居を跨げる日が来るとは思わなかった。emaxis slimのような低コストの良ファンドが出てきたおかげでここに来ることができ、歴史的な和解の日になった」ということです……w

オフレコにしなければならない話も多く、なかなか厄介ですが、話題のいくつかをまとめます。



emaxis、emaxis slim、つみたてんとうの3シリーズの位置づけ


従来型emaxisはネット販売と窓口販売と両方で売ってきたが、この両チャンネルではコスト構造がかなり違う。典型的には、窓口では目論見書をはじめとする書面を紙で渡す必要があることが多く、印刷代がかなりかかる。ネット販売であればそのようなコストは必要ない。
そこで、印刷物を一切作成しないファンドをネット向けとして切り出したのがemaxis slim。印刷物を出さないということになると、ネット専業以外に販路が広がる可能性は低い。
また、つみたてんとうシリーズはつみたてNISA向けに、税制関連の資料などに対応させて店頭で販売できるようにしたもの。これはこれで目指す販路が違う。

尚、従来型emaxisを値下げすればよかったのではないかという声も承知しており、emaxis fatなどと呼ばれているが、信託報酬を引き下げるというのも意外と厄介。
・販売会社と交渉する。従来型emaxisは販売会社数が膨大だが、そのすべてに、販売会社分の信託報酬が下がることを飲んでもらわなければならない
・金融庁に届け出る。
・管轄財務局に届け出る。
・つみたてNISA対応ファンドなので、「『つみたてNISA対応ファンドが』信託報酬を改定する」という届け出も必要になる
・目論見書などの資料を改定して印刷する
などと、労力とコストが要求される。

個別の販売会社として見れば、値下げに同意せず信託報酬の高いままの商品を売り、投資家の利益を犠牲にしても自社の取り分を維持しようとするのは顧客本位の業務運営に悖る話というほかありませんが、膨大な販売会社を相手に交渉しなければならないという運用会社側の困難は是非もないところ。
しかも、届け出や紙の印刷が増えるとなるとあっては猶更……(slimであれば紙の印刷は必要ないので、だから比較的信託報酬改定がしやすいのでしょう)

一方で、ゆうちょ銀行のように、従来型emaxisの取り扱いを中止して、より低コストなつみたてんとうに切り替えるところもあります。
これは、投資家にとっては紙媒体の資料や店頭でのレクチャーが受けられる点は変わらず、税制などの資料が充実する上に信託報酬が低減するなど、従来型emaxisより純粋にメリットが増大するだけのはずですから、「顧客本位」の意識が高い販売会社といえます。
三菱UFJ国際投信にとっては、やる気のある販売会社に向け、このように信託報酬引き下げではなくつみたてんとうへの切り替えを働き掛けていくのが現実的な解になっていくでしょうか(既存のファンドに扱いを変えるだけなら、資料の改定だのなんだのの手間は大きく減りますから、かなり楽な作業になるはず)


3地域均等型ファンドについて


3地域均等型ファンドは、一見すると安直に等配分しているだけのように見えるが、実はそうとばかりも言えない。
イボットソンの仮定するリスクとリターンの数値を前提にすると、実は、3資産均等配分でも効率的フロンティアの曲線付近に来るので、資産配分として有力な選択肢といえる。(但し、もちろん、イボットソンの想定するリスクやリターンそのものを疑うならその限りでない)
日本に限らず欧州などで見ても、世界株式に投資するとき、自国株式を時価総額比率より多めに持つことが最適な配分になる傾向がある。
また、年金運用などでも、賃金上昇率をヘッジするなどの観点から、国内株式を多めに持つ運用にすることが多い。

emaxis slimのコスト引き下げについて(限界、意気込みなど)


勿論、闇雲に引き下げているわけではなく、ビジネスであるから、「ここまでなら引き下げても大丈夫」という想定ラインを持っている。
そんな中で、ここまで下がってくると、インデックス使用料が最も大きなコスト要因になりつつある。
emaxisに限らず一般論として、これからは、低コスト化を追求するために、使用料の安いインデックスに乗り換えるような動きが出てくることもありうるのではないか。

近年、公募投信全体の資産規模は横ばいな中で、低コストインデックス投信だけは年率20%程度の伸びを示している。明らかな成長分野である。
一方で、基本的に、最低コストのファンド以外はまともに生き残ることはない(コスト以外に差が付く要因はないはずなので)。資産クラスごとにコストの安い2本程度、3本目がぎりぎりやっていけるかどうかということになるはず。
率先して信託報酬引き下げを続けていくことで、その2本・3本の中に入っていけるようにして、その成長市場を確実に享受できるようにしていきたい。

指数使用料は、探してみると野村アセットのETFの有価証券届出書に書いてありました。主なものをまとめてみます。
ファンド名指数使用料
TOPIX連動型上場投資信託TOPIX最大0.0324%
※但し、年間最低162万円
NEXT FUNDS JPX日経インデックス400連動型上場投信JPX400最大0.0432%
NEXT FUNDS 外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信MSCIコクサイ0.05%以下
NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信ダウ平均0.06%以下
※但し、年間最低6万ドル
NEXT FUNDS NASDAQ-100(R)連動型上場投信NASDAQ1000.08%
※但し、6ヶ月最低6000ドル
NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信NOMURA-BPI総合0.0108%
NEXT FUNDS 外国債券・シティ世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信FTSE世界国債(除く日本)0.02%
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信東証リート指数最大0.0324%
※但し、年間最低162万円
NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信S&P先進国リート指数(除く日本)0.03%以下
ここに挙げた料率は、あくまでも各指数業者と野村アセットとの間の取り決めであって、交渉次第では異なる料率になる可能性も当然にあり得るところでしょう。
それにしても、先進国株式の信託報酬が0.1%程度になっている現況にかんがみると、MSCIコクサイの0.05%とかダウの0.06%という数字は、単純に言って指数使用料のせいでコストが5割増し6割増しになってしまう(NASDAQ100に至っては8割増し!)ということですから、たしかにかなりの足枷に感じさせられます。
コスト引き下げのためにここに注目する動きが出てくるようだと、今後更に投資家のパフォーマンス改善の為にも大きな効果が出てくるかもしれません。

インデックス投信では最低コスト以外に生き残る道はないという現状認識は、流石に、正鵠を射ています。そして、そのために先手先手を打っていくのは極めて頼もしく感じられます。


インデックスファンドの売買執行、執行コストについて


インデックスファンドの売買は、バスケットとして証券会社に見積もりを出させ、好条件を提示したところに発注することが殆どである。形としては相対取引になる。
証券会社にとっても、売買取扱高を稼げるので、普通に市場へ発注する委託取引(エージェント取引)と比べてかなりファンド側にとって有利な条件を提示してくることが多い。

なお、このような相対取引の場合は、債券の取引などと同様に、売買価格そのものの中にコストが織り込まれた形になる(市場発注(エージェント取引)のように、売買手数料が別途切り出された形で取引するわけではない)。
運用報告書の費用明細の中に、有価証券取引手数料という項目があるが、ここに記入されるのはエージェント取引など手数料が切り出して表示される取引で発生した費用だけである。バスケット取引のように、売買価格の中に織り込まれているコストは表示されない。
従って、運用報告書の費用明細を見ても、実は、真の実質コストが見えるわけではない
※アクティブファンドの場合は、バスケット取引に馴染まないので、話が多少変わる。あくまでこの話はインデックスファンドの話。

そもそも売買執行コストには、「独立して切り出されている売買手数料」「売買価格そのものの中に織り込まれているコスト」「ファンドからの発注自体によって値動きが生じてしまうことによる、マーケットインパクトのコスト」などいくつかの次元がある。
これらのうちどこまでを開示対象とするかは、諸外国の制度を見てもかなり異なっている。米国では売買価格織り込み型のコストはおろか独立切り出し型の手数料さえ、エクスペンスレシオ(総経費率)に算入して「いない」。欧州でも、国によって、独立切り出し型のコスト程度は開示対象に含めている国、織り込み型のコストも開示対象にしようとしている動きのある国、等、色々あるようである。

現状では、真の実質コストを知るためには、「配当込みベンチマークからの基準価額騰落率の乖離」を見るのが最も近いというほかない(基準価額はコストが全て反映された数値であるため)。

インデックスファンドの売買執行は、資金の出入りを正確に見積もって、売買発注を正確に・最適化して行うことが重要な事となる。
入金で買って出金で売って、等ということをすると無駄に往復分のコストを負担することになって良くないし、現物でインデックスを買いそろえられないような半端な金額の現金が発生する場合、「多少の乖離を容認して先物を利用する」「現金のまま置いておく」など、コストや資金規模などとの兼ね合いで最適解が変わってくることもありうる。
ただ、こういった判断及び執行は、いくつかの条件を決めるなどして、AIでの運用に親和性がありそう。AIというとアクティブファンドの戦略決定に利用するイメージだが、実はインデックスに向いている。
もしかすると、何年かしたら、人間のインデックスファンドのファンドマネージャーはかなり人数が減って、AI化が進むのではないかと個人的には思う(もしかすると、人間のファンドマネージャーに、AIにはできない「職人芸」というものがあるのかもしれないが)。

懇親会で、代田取締役が話していた内容です。

運用報告書に表示されていないコストがあるというのは意外でしたが、売買執行の仕組みを聞くと、一応、なるほどと思います。
売買価格に織り込まれているとなると、当然、会計処理を考えるとB/Sにおいて証券の取得原価に加算され、P/Lにおいて有価証券評価・売買損益にマイナスのインパクトを与えるという形で内包されてしまうわけですから、費用明細の中にもそのコストを表示してしまうと実質的に二重で開示することになり、表の間で整合性が取りにくくなります。
また、織り込まれているコストを、本来の証券価格と切り離すことが可能なのかどうかという問題もありそうです。
一筋縄で行かないのは確かなようです。
また、こういう問題がある事が分かると、逆に、「配当込みベンチマークから費用明細に記載の費用を引いても騰落率とかなり食い違う。なぜ?」という疑問に対する回答の一要因として腑に落ちる面もあります。

さはさりながら、一方、エージェント取引だと売買手数料が費用明細に載り、相対取引だと売買損益の中に織り込まれる(費用明細には含まれず、結果、費用が少なく表示される)という風に、実質的にはコストが発生しているのには変わりがないのに開示上の扱いが変わってしまうのは片手落ちな感があり、違和感を覚えるのは否定できません。

費用の算定については、iシェアーズ・コア MSCI 先進国株(除く日本)ETFにて、以下のような記述があることが注目されます。
執行コスト相当額は、以下のa.~d.を主たる計算要素として、a.とb.の差分またはc.を、d.に応じて加重平均することにより算出することを基本とします。

a.当ファンドの純資産総額を算出する目的で組入銘柄を評価する価格

b.組入銘柄を売買する場合の推定取引価格

c.組入銘柄等の取引に伴い別途徴収される手数料、税金その他の取引コスト

d.組入銘柄の当ファンドにおける組入比率
この記述は、直接的には、当該ファンドを設定あるいは解約する際に、信託財産留保額に近いイメージで別途徴収する金額を算定するためのもので、ファンド内部の運用コストというわけではありません。算出される費用も実績というよりは概算の性質を持つものでしょう。とはいえ、売買執行価格に含まれるおおよそのコストを切り分けて算出する方法として、参考にはなりそうです。
コストの算出としてはこういった方法で概算しつつ、参考情報として開示するなどの方策はあってよいだろうとは思います。
マーケットインパクトまでとなると更に困難になるかもしれませんが、少なくとも、手数料相当のコストくらいは実態に合った表示をすることが、投資家にとってもより正確な理解と評価をすることができ、顧客本位につながるのは確かです。


おわりに


今回は、emaxisに懸ける思い、運用会社自身がインデックスファンドの重要性の増加を認識してその中でトップを取ろうとする思いを感じることができました。
また、代田氏自身、「ブロガーの注目は強く感じ、償還など変なことをすると信用を失墜するであろうことを感じる」「ある意味、こういった目線が運用会社へのガバナンスになっている」と、かなり投資家の目を意識していることを窺わせるコメントをしていました。

執行コスト云々の話を備忘ツイートしたところ、「そんな表示されないコストがあるのはおかしいのではないか」という反応も複数ありました。
確かに、そこには違和感も確実にあるので、改善には期待したいところですが、こういうツイートが出てきたことで、それこそガバナンス機能が発揮されて業界における開示慣行の変化が促されるようなことがあれば、こういう話がこの場でされた意義も出てくるというものです。

最後に、このような興味深い話を聞ける場に案内されたことに感謝しつつ、筆をおくこととします。
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MUAMブロガーミーティング | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2018/03/30(金) 01:53 ]
[ 最終更新:2018/03/30(金) 01:53 ]

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