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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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未だに横行している「見た目だけ有利な利率の定期預金」。コストに目を向けて不利さに気づきましょう
インデックス投資家仲間のユーリさんが、『高金利』の外貨定期預金について記事にされています。
しばらく前にツイッターで紹介された商品で、その時に私が反応して説明したことを纏めていただいています。

年利4%のドル定期預金に乗せられた話 (ごきげん手帖)

ユーリさんの知人の方が勧誘された商品で、年利4.0%という表示が実にまぶしく感じられます。
チラシをよく見ると、「4.0%」というところにマーカーで丸が付けてあり、よほど熱心に利率の『有利』さを強調して勧誘されたのであろうことが推察されます。

正直言って、「まだあったんかいこんなもん」と、いっそ感動さえ覚えるような商品です。

もとより、4%というのはあくまで年率でして、この商品は2ヶ月定期ですから実際に貰えるのはその6分の1、さらにそこから源泉税を引いたものだけ。
実際に損益を計算してみると、記事中に示されているように、為替変動しない状態では結構な損失になってしまうありさまです。
短い期間で得られる僅かな利息が、為替手数料を補填するのにさえ足りていないためにこのような結果になります。
件の商品の場合、外貨預金と同時に円預金にも年率1.0%という有利な利率で預金できますから、それを利用すれば少しはましになります。
ただし、円預金も2ヶ月物である上に、外貨預金と同額以下しか預けられないという条件付きです。
今、ドル預金に100万円預けると、満期には8961円の損失という結論が出ています(チラシによると本来は3万ドル以上=300万円超の預金が必要ですが、そこは気にしないことにします)。
そこで円預金に最大限すなわち100万円預けるとして、得られる利息は100万円×1.0%×2÷12×0.8=1333円に過ぎません。
こういうのを「焼け石に水」といいます。

為替手数料と利息の比較は、下記のツイートのように簡便に計算ができるので、それさえ試してみれば(詳細な受取額の計算をしなくても)たちどころに実際には不利な商品である事が分かるかと思います。



今回は米ドルと豪ドルですから表示が4%程度でしたが、これがランドだとかトルコリラなどといった通貨になってくると、1ヶ月もので10%を超えるような利率(年利)が出てくることがあります。
しかし、そんな利率であっても、1ヶ月では受け取れるのは1%程度に過ぎないのに対し、そのような通貨では為替手数料が(優遇があったとしても)1%を大きく超えるのが通例であるため、トータルでは損失になったりします。

特に難しい計算ではないはずですから、コストについてちょっと頭を巡らせるだけで損失を回避できることがよく分かる事例であると同時に、それでもいつまでも横行しているところを見ますと、銀行にとって実においしい商売である(引っ掛かる鴨が恒常的に多数いる)であろうことが推察されます。


ユーリさんのように、不自然に有利そうな広告をきちんと怪しみ、損得を試算したり商品の特性・仕掛けを分析したりして正確な理解を得ようと試みる姿勢を持ちたいものです。



なお、
でもこれって…
相場を読めて且つ円安に振れる自信がないなら選んじゃダメってことですよね…
(もしくは博打として楽しむか)
とありますが、そのような自信があるならあるで、もっと有利な商品がありますから、いずれにしても本商品にはおよそ出る幕がありません。

最も単純には、円安になるという相場観の元、FXで円売りドル買いのポジションを取ればいくらでも儲け放題です。
仮にレバレッジを掛けなくても、FXの実質的な為替手数料は何桁も小さい水準であるため、明らかに本商品より有利です。

FXに抵抗があるとしても(途中で予想と逆に行ってしまった場合、ロスカットの危険もありますから、忌避する理由も十分あります)、住信SBIネット銀行であれば、米ドルの為替手数料は片道4銭という水準です(キャンペーンなどではなく、定価でこの水準)。
本記事の執筆時点で住信SBIネット銀行の米ドル2ヶ月定期は1.4%という水準ですから、1ドル105円という前提を合わせて計算すると、元本100万円として以下のようになります。
 円をドルに両替:100万円÷(105+0.04)=9520.18ドル
 金利:9520.18ドル×1.4%×2÷12×0.8=17.77ドル
 ドルを円に両替:(9520.18+17.77ドル)×(105-0.4)=1,001,103円
なんと、表示上の金利は4分の1に過ぎないのに、1万円程度も有利になってしまいました。

また、同じく住信SBIネット銀行でドルを調達しつつ、その資金でSBI証券取り扱いの米ドルMMFを買い付ける選択肢もあります。
SBI証券で取り扱いのMMFも、本記事執筆時点では高いものでやはり1.4%程度の利回りですから、向こう2ヶ月このままいくとすればやはり同じような利益を見込むことができます。
MMFの利回りは市中金利の動向などにあわせて常に変動しますから、上振れする可能性も下振れする可能性もあります。

MMFは、こちらの記事でも紹介したとおり、「十分に期間が短い」「十分に信用度の高い」という、リスクを極めて低くした債券系商品に投資する商品です。
外貨預金であっても、満期時に約束通りの外貨額を確実に返還しなければならない都合上、銀行は預かった資金を結局は似たような投資先で運用することになるでしょうから、利回りも似たようなところに落ち着かざるを得ません。
その上で、コストをどれだけ抜くかで、預金者/投資家にとっての有利不利が決まってきます。一般的傾向としては、人件費や設備費などの嵩む大手金融機関の外貨預金では不利になり、そうした経費のあまり掛からないネット銀行の外貨預金や、事前に明示された信託報酬(及びその他の運用実費)しか課されないMMFであれば有利になります。


なお、本商品のような「一見有利だが、コストやその他の制約などを考慮すると全く不利な商品」については、「金融商品にだまされるな!」という書籍にて詳細に説明されています。
本商品のような「年率表示での利率は目立つが、為替手数料を考えると損な外貨預金」のほか、
 ・外貨建て個人年金
 ・満期延長(短縮)付きの預金
 ・投資型の保険
 ・いわゆるEB債をはじめ、「うまくいけば単なる高金利預金/債券で終わるが、株安や円高になるとその相場に連動した償還額になる(損失を抱える)商品」各種
など、多彩な商品について、実際にありそうなパンフレットを示しつつその仕掛けを解説しています。
金融商品で間違って不利な選択肢に嵌らないよう、一読して損はない書籍です。
つみたてNISAフェスティバルの「おススメの一冊」にも投票しておきましたが、古い本なのでたぶんランキングには載らないでしょうから、この際ここで紹介しておきます)

2007年の本なのでかなり古いはず(同著者による同様の構成で更に詳しい「金融広告を読め」に至っては更に古く2005年!)なのですが、今も横行しているような商品が多数紹介されており、古さは感じられません。
セールスがこの間あまり進歩がなさそうな事、買わされる側もあまり勉強していない(だからこそ横行が続く)のであろう事、買う側にとって知識や商品分析がいかに重要であるかがよくわかります。
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[ 2018/04/05(木) 01:23 ]
[ 最終更新:2018/04/05(木) 01:23 ]

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