楽天証券が、確定拠出年金において指定運用方法を設定することを発表しています。 指定運用方法(掛金・移換資産の取扱い)に関するご案内
初回掛金拠出日から約4箇月の間に運用方法の指定をしなかった場合、「楽天・インデックス・バランス」による運用が開始されることになります。
個人型確定拠出年金では、さわかみ投信が「さわかみファンド」を指定運用方法にしている例がありますが、多数の運用商品を揃える一般的な運用管理機関では元本確保型以外を指定運用方法として正式に指定するのは初めての例となります。 他にも、方向性としてはりそなやマネックスなども投信を指定する意向を示しています。
楽天・インデックス・バランス(DC年金)は、既報の通り、バンガードのファンドを利用して全世界の株式と債券に投資するファンドです。 債券が85%を占めるというのは、かなりリスク抑制に軸足が寄っており、数十年という運用期間の長さや税制のメリットを十全に生かし切れない憾みはあります。
平成26年10月の変更前のGPIFの基本ポートフォリオで債券+短期金融資産76%ですから、それよりも更に保守的な構成と言えます。
ただ、15%であっても株式によるリターン取り込みの効果が得られるのは長期的に見て有意義には違いないとは言えます。 また、信託報酬が0.2078%と、ラインナップの中でも特に低コストな商品であることは評価されます。
楽天証券は、過去にも投信での残高に限定してポイント付与のキャンペーンを行うなど、確定拠出年金での資金振り向け先を投資信託に誘導しようという動きが明確なようです。 時間を味方につけ、リスクを取りつつ資産を成長させていくことの必要性はつみたてNISAの説明の中でも触れられているところです。
確定拠出年金という限られた枠の中であるにせよ、このように(十分分散された低コストな!)投資信託への誘導によって資産配分が改善されていくのは有意義な動きと言っていいでしょう。
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