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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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投資家側も責任を果たそう |
少し時間が経ってしまいましたが、5月30日の日本経済新聞コラム「十字路」に載っていた記事に大いに共感しました。 みんなでよくする投信業界
ブーケ・ド・フルーレットの馬渕治好氏の執筆による記事で、以下の引用の通り、投資家にも一定の知見を持つことが投資業界をよくするために不可欠との主張です。 私の常々考えていることと極めて近い内容です。
「損をする可能性が高い商品を売りつけるとはけしからん」という声も聞く。しかし、そうした商品の過去の傾向を学んで買わなければいい、と言うのは酷だろうか。それどころか、はやりの投信を扱っていない証券会社の客が「おまえの会社で売らないのなら他社に口座を移す」と言ってきたこともあると聞く。
「いや、無垢(むく)な投資家のために、ひたすら業者と行政だけが汗を流すべきだ、お客がテーマ型の商品を買いたいと言っても、顧客本位の姿勢で拒絶し続けるべきだ」という主張も聞く。「自分のために学ぼうともしない投資家を守るのが当然だ」という考えは実は危うい。「電子レンジで猫を温めてはいけません」といった類と同種の注意事項を、延々と並べざるを得なくなる。情報の非対称性を踏まえれば行政や業者の責任ははるかに重いが、投資家も学び努力しなければ投資関連業界はよくならない。投資家には不適切な商品や業者を排除する力があるはずだ。
今でこそ、金融庁は家計の安定的な資産形成を基本方針とし、「税制面での支援」「顧客本位の業務運営」「実践的な投資教育」を具体的な柱として政策運営をしています。つみたてNISAのような制度が拡充されて良質な商品が提供されるようになる一方、回転売買や高コストな商品(外貨建て保険や多階建て投信など)に対しては厳しい目が向けられるようになっています。投資環境の改善のために金融庁が果たした役割、またそれに対応した金融機関の取り組みの変化が大きな意義を持っていることは間違いのないところです。 しかし、そのような政策ベクトルがあっても尚、高コスト保険や仕組債などが根絶やしになったわけではありません。高コスト投信も設定されれば、せっかくのインデックスファンドやETFの低コストを台無しにするラップ口座やロボアドなども健在なありさまです。 いわんや、金融庁の政策担当者が変わったら? 長官の後任がやる気のない人だったら? 政権が変わって株式投資の支援を軽視するような流れになったら? 投資環境の改善につながるような施策が乏しくなり、以前のように業者が顧客を食い物にし放題、などということになる可能性だって否定はできません。そうなった場合には、また投資家はやられっぱなしを甘受するのでしょうか。 投資環境の改善や顧客の保護といった役割を、特定のキープレイヤーにだけ任せきりにするというのは、そのキープレイヤーが態度を変えたら終わりになりかねないという極めて不安定なものになります。
一方で、投資家側は、不適切な商品に対しては「買わない」という態度を貫くことで、理論上は、市場原理を通してそのような商品を追放することができます(業者側が高コスト商品を売ろうとしても、販売数が伸び悩む・レピュテーションリスクが高まるなどにより、「低コストのまともな商品を売った方が利益になる」という状況を作出できる)。 というか、「理論上は」どころか、それこそが、取引の一方当事者としての投資家が本来果たすべき役割でもあるでしょう。 馬渕氏が、「投資家も学び努力しなければ投資関連業界はよくならない。投資家には不適切な商品や業者を排除する力があるはずだ。」と述べているのは、まさにそういう趣旨だと理解できます。 金融庁は、第三者たるお役所に過ぎず市場参加者でも何でもない以上、本来はあまり市場メカニズムに立ち入るべきではない立場のはずです(これが例えば医薬品市場とか食品市場のような、身体的安全に直接関わるようなフィールドであれば、ある程度先走って介入するのも理由がないではないですが、特にそういうわけでもありません)。それなのに、つみたてNISAに「地雷除去」と比喩されるような厳格な要件を課してみたり、金融機関などを厳しく監視したり、かなり積極的な介入をしてきています。 これは、投資家の資産形成を支援しようという真摯な思いもあるのは勿論ですが、それと同時に、「投資家に任せてみても市場メカニズムを通してまともな商品を選別できない。市場参加者として無能すぎ、とても任せておけない」という見限りの念も多分にあるのではないでしょうか。 取引の当事者として、まったくもって独立当事者たる能力を認められていないからこそ、わざわざ後ろ盾になるような手を打つのです。
たしかに、金融庁の施策は、結果を見れば商品の選別や金融機関の規範の向上など、投資家のためになるものとして大きな意義を持ちます。 だからといって、単純に喜んでばかりいるのでよいでしょうか。むしろ、「そこまで手取り足取りやってもらわないといけない、まともに商品選択一つできないとみなされている」という現状に、取引当事者であるはずの立場として情けない・恥ずかしいことだと反省するべきであるように思います。 さらに、金融庁の態度が変わることによって、その金融庁からの後ろ盾を不意に失うリスクもあります。 とても無邪気に喜んでばかりいてよいとは思えません。
幸いにして、まだ当面の間は金融庁の政策が変わってしまう見通しはなさそうで、投資家保護・支援の方向性は続きそうです。 投資家にとっては当分は変な商品に引っ掛かるリスクを著しく下げられる猶予期間が与えられているようなもので、「学び努力する」ための余裕が与えられている絶好のタイミングとも言えます。 今のうちに、投資家の方でも十分に学びリテラシーを高め、「なるほど、地雷除去のために規制など掛けずに自由取引に任せても、、変な商品が売れてしまうことはなさそうだ」と納得させる程度にまで達する、これは今がまさにそのチャンスではないでしょうか。
自立した取引当事者としてリテラシーを持ち、「投資家には不適切な商品や業者を排除する力がある」を実現する。 いつまでも金融庁のやる気や金融機関の善意におんぶに抱っこの不勉強なままでいるのではなく、そんな、当事者としての成長に期待したいものです。そしてそれが(碌でもない商品を自力でレッドカード対象とし市場から放逐する力を身につけることが)、実際の取引参加者としての最低限の責任というものではないでしょうか。
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フィデューシャリーデューティー
| トラックバック:0 | コメント:0
[ 2018/06/06(水) 12:53 ]
[ 最終更新:2018/06/06(水) 14:05 ]
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