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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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伏兵・サクソバンク証券が外国株式取引サービスを開始。強烈な武器を揃えている、のだが…
サクソバンク証券が、今月から海外株式(現物)のサービスを開始しています。
サクソバンク証券の海外株式

案内を見てみますと、なかなかの充実ぶりです。
取扱銘柄は、米国上場だけで実に6000銘柄。国内ネット証券で銘柄数が多いことで知られていたマネックスを遥かに抜き去っています。
手数料も0.20%と、SBI・マネックス・楽天の半分以下に抑えているほか、上限手数料も15ドルと一段低く抑えています。

そればかりか、米国株・中国株(上海・深圳・香港)のほか、欧州株(ユーロネクストパリ・ドイツ証券取引所・ロンドン証券取引所)をも取り扱う由。
従来、ネット証券ではなぜか東南アジア各国ばかり熱心で、SBI証券などタイやらマレーシアやらベトナムやら凄まじくニッチな国々を取り扱っていた割に、欧州は取り扱っている証券会社がありませんでした。
もとよりニューヨーク市場でADRとして欧州銘柄にアクセスすることは可能でしたが、やはり直接現地市場に行かれないのは不思議で仕方ありませんでした。投資対象たりうる世界的な優良企業があるのは東南アジアと欧州とどちらかといえば、頭数・規模・質のいずれの観点から見てもさすがに欧州でしょうし、時価総額で見てもイギリス・フランス・ドイツの3箇国でVT(FTSEグローバル・オールキャップ指数)の10%以上を占めるほどに重要な市場なわけですから。

そして、それ以上に衝撃的なのが、配当金の選択肢です。
配当金再投資(DRIP)
デフォルトの支払形態は現金です。ただし、お客様は、株式での受け取りを選択することもできます。受け取り資格のある現金は、権利落ち日の保有高に基づいて、約定日に記帳されます。受け取り資格のある株式は、約定日付けで再投資率が確認された時点で割り当てられます。配当金再投資の場合、お客様は個々の証券レベルで、自動引落の指示を手作業で挿入することができます。
米国株式取引ルール ※中国・欧州株にも同様の記載

なんと、ついに、ついに、DRIPが国内証券会社のサービスとして登場です!
言うまでもなく、株式やETFから出てくる少額の配当は、取扱いに頭を悩ませられる厄介者です。現金で置いておくと機会損失そのものですし、かといって手動で再投資するには最低投資単位に足りなかったり、コスト負けしてしまったりします。
私の場合、国内個別株や東証ETFから出てきた配当金は基本的に適当な投信の買付に回したり(100円から投資できるようになったことが大変ありがたい)、米国ETFから出てきたドルの配当金は利回りの上がってきたMMFにプールして資金がたまり次第ETFに回していますが、やはり配当金を「即時に」「同一銘柄に」入れられるならポートフォリオの継続性の意味からもこれに越したことはありません。Firstradeで実際にDRIPを利用していますが、自動的に再投資がされるのはかなり快適です。
DRIPは投資家界隈でも待望されて久しかったこともあり、これが実装されたのはまさに歴史的な出来事と言えます。

このように、銘柄数・コスト・欧州へのアクセス・DRIPと、極めて強力な武器を取り揃えているサービスであり、界隈はまさに沸き立っています。
サクソバンクというとFX屋さんという認識しかありませんでしたが、どうして大したものです。

が。
どうも、気がかりな点も残っているようです。



まず、特定口座に対応しているのかどうかが判然としません(これに関する説明が見当たりません)。
対応していればよいのですが、仮に対応していないのであれば、取得価額や売買損益の管理を自分でやらなければならず、かなり煩瑣なことになります。
加えて、譲渡益に対する源泉徴収を行う余地がないことから(譲渡益の源泉徴収が可能なのは特定口座のみ)、確定申告が必須となります。従って、譲渡益がある場合、自営業者やリタイア者など国民健康保険の人は、社会保険料への影響を免れなくなります。
なお、配当所得に関しては、一般口座であろうと特定口座であろうと、日本の税金が源泉徴収されている以上、確定申告不要制度を利用することは可能です。
また、国税で申告しつつ住民税で申告不要とすること、総合課税か申告分離課税かを任意に選択すること、申告分離課税としたうえで譲渡損失と相殺することなど、いずれも可能です。


もっとも、一般口座ゆえのデメリットは、なにもサクソバンクに固有の問題ではありません。他の証券会社でも外国株における特定口座の浸透より以前から保有していた証券については同様の問題を引きずっているはずです。また、それこそ海外証券会社を利用している人は当然一般口座しかありえませんから、同様の手間に対応している格好です。


より気になる記述が、配当に関する説明のところに書かれています。
株式ポジションから得られる配当
株式ポジションから得られる配当は、標準的な源泉徴収税が差し引かれたうえで、お客様の口座に入金されます。現在、当社では、在留資格または法的地位に応じて利用できる可能性がある優遇源泉徴収税率に対応することも、そうした税率を提供することもできません。
米国株式取引ルール ※中国株・欧州株も同様の記載あり

優遇源泉徴収税率に対応できない! これはどういう意味でしょうか?
例えば米国株の場合、原則的には、米国の非居住者が受け取る配当には、米国の税が30%の税率で源泉徴収されるところですが、通常の日本国内の証券会社を通じて日本の居住者が米国株を保有している場合は、日米租税条約によって米国での源泉徴収税率が10%に軽減されています。
サクソバンク証券では、この軽減された10%の税率での源泉徴収ができず、30%の税率になるという事でしょうか。なんとなく、そう読めてしまいそうな文章です。
杞憂であればよいのですが、もしその通りであるとすると、投資家にとって大変厄介なことになります。
というのも、仮に米国で30%の税率で源泉徴収されたとしても、条約で定められた10%の税率を超えた部分については、日本で確定申告をしても、外国税額控除で取り戻すことができないからです。控除限度額云々の問題でなく、そもそも控除の対象になりません。
所得税法施行令
(外国税額控除の対象とならない外国所得税の額)
第二百二十二条の二
4 法第九十五条第一項に規定するその他政令で定める外国所得税の額は、次に掲げる外国所得税の額とする。
四 我が国が租税条約を締結している条約相手国等【中略】において課される外国所得税の額のうち、当該租税条約の規定(当該外国所得税の軽減又は免除に関する規定に限る。)により当該条約相手国等において課することができることとされる額を超える部分に相当する金額若しくは免除することとされる額に相当する金額【後略】

実際に外国で取られていながらその税額を控除できないのは、不条理なようにも見えるかもしれませんが、そもそも政府同士でお互いに「ここまでしか課税しないようにしよう」と課税権限を制約しあうのが租税条約ですから、相手国が勝手にその枠をオーバーして徴収してきたとしても、それはこちらの政府から見れば権限のない侵犯行為でしかないわけで、そんなものの控除を認めるわけにはいかないわけです(自分が本来徴税できる部分を謂われなく犠牲にして、相手政府の反則行為による利得を認めることになってしまいかねない)。
従って、日本政府の立場としては、「米国が条約に則って本来徴収権限がある10%だけは外国税額控除を認めるが、超過した20%分は米国政府から還付してもらってくれ」という話になります。
無論、徴税権限がない(限度をオーバーしている)以上、米国に還付申告書を提出すれば還付はされるでしょう(そうでなければ米国政府が盗人になってしまいます)。
申告書を作るために米国の納税者番号(ITIN)を取得して、米国非居住者向けの租税実体法・手続法の概要を理解して、英語の申告書を適正に作成・提出するということが抵抗なくできれば何も問題はありません。
もちろん、これと同様の話が中国にも欧州にも起こることになります(イギリスだと配当の源泉徴収がありませんから話は変わってきますが)。複数の国の株に手を出して、条約所定以上の税率で源泉徴収された配当を受け取ったら、その国の数だけこれをやる必要があります。

普通に考えて、とてつもなく対応困難な話です。
言語の壁、法制理解の壁、そして手続きに係る時間と費用、これらを費やして各政府に還付申告をしないと、本来より高い税率を課せられてしまう恐れがある。
これでは、取扱商品に関する種々の武器が全て吹っ飛んでしまいかねない大問題と言わざるを得ません。

なぜそのような仕組みになっているのか、大変理解に苦しむところです。

とはいえ、欧州株やDRIPといった、皆が待ち望んでいたであろうサービスに足跡を残したのは紛れもありません。
願わくば、これを機に各ネット証券においても後追いでサービスの競争が触発されてほしいものではあります。


※この配当源泉税の取り扱いについて、本記事をアップする前に実際どうなのか確認をしておこうと思い、9月20日未明に問い合わせフォームからメールを投げてみましたが、21日夜になっても回答はもらえていません。
ただ、他にも同様の問い合わせをした人がおり、そちらには回答が来たようです。


どうやら、申告書(米国の場合、W-8BEN?)をサクソバンク証券に提出することで日米租税条約所定の10%の軽減税率になるようですが、その提出を失念すると米国非居住者一般の30%の税率になるようです。
本記事で書いた危惧は半ば当たっていたようです(もとより、回避可能ですから相当ましな状況ではあります)。
おそらく、欧州株式や中国株式でも同様になるかと思います。

それにしても、SBI証券などでは何も手続きをしなくても自動的に租税条約所定の軽減税率になるというのに、なぜサクソバンクだとこのように書類の別途提出をしないと軽減税率にならない(=外国の租税庁への還付申告という面倒な手続きを強いられる!)のかは理解に苦しむところです。
また、「標準的な源泉税率を差し引かれて」などと、具体的にどういう意味なのか分かりにくい表現の説明しかなく、必要な手続きの内容(更にはその存在自体)や、その手続きをしなかった場合の不利益の内容など、ユーザーから見えやすい場所での説明が不十分を極める印象です。
税務問題は投資リターンにも極めて大きな影響があるだけに、サービスを提供する業者として十分な説明や、そもそも面倒な手続きを減らせるような設計(他社のように、軽減税率くらいは自動的に適用できるようにすること)が重要なはずです。

どうも、サービス設計や説明の面において、いささか「顧客本位の業務運営」の理念に照らして十分とは言い切れず、果たして資産運用の場所として安心して利用してよいものかどうか、個人的にはかなり微妙な印象です。
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[ 2018/09/21(金) 22:12 ]
[ 最終更新:2018/09/21(金) 22:12 ]

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