低コスト化の進展は今年も続きました。
emaxis slimの方に投票する選択肢も当然あり得ましたが、やはりemaxis slimは「業界最低水準に合わせる」という取り組み以上でも以下でもないわけなので、実質的に競争を牽引している功績が大きいのはニッセイの方になろうかという判断に至りました。
それにしても、コストを低下することは投資家の利益拡大に直結するわけですから、その先頭に立つ両シリーズはどちらが上位を占める結果になっても完全に納得の行くことになります。
一方で、不思議なことに、投票期間の終盤になって、【未だ旧世代の水準からコスト低下が見られないとあるバランスファンド】への集中投票が散見されています。
しかし、「資産クラス間のアセットアロケーションやリバランスを考える手間がない」というメリットを勘案しても、
同様の特徴を持つ 数割低コストなバランスファンドも(4資産・8資産均等以外でも)数多く登場している中で、あえて高コストなファンドを選好する合理性には疑問を禁じえません。
せっかく金融庁や運用会社からの注目も高まっていることが窺われるほど社会的影響力も高まってきているイベントなのですから、投資家にとってのパフォーマンスを不必要に削られることのないファンドを推す意思を明確にして、投資家全体の利益拡大につなげたいものです。
「低コスト全世界株」という長期運用の基本をなす資産において、良くも悪くもスタンダードです。
「小型株まで含む」という特徴では
雪だるま全世界株式との2本だけで、iDeCoで利用可能な選択肢としては現時点で唯一という優位性もあります。
ただ、年が明けると雪だるまもSBI証券のセレクトプランで利用できるようになってきますし、そうなると信託報酬面や運用の乖離などの問題も含め、雪だるまや
emaxis slim全世界株式オール・カントリーとの間で優位性がなくなってきそうですから、正念場には違いありません。果たして来年も投票するに足る何かをなお持ち得ているかどうか…?
教材としての機能に期待しての投票です。信託報酬もバランスファンドとしての最低水準に極めて近く、まずまず問題はないでしょう。
田村正之氏の近著でもGPIFの運用の長所も、覚悟しておくべき一時的な下落リスクも含めて詳細に説いているところでもあり、それを体感学習できるのは貴重な商品なのですが…
もっと日の目を見るべきファンドの筆頭かもしれません。