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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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「投資賢者の心理学」
富山コツコツに訪問した折に、じゃんけん大会を勝ち抜いてしまい、投資賢者の心理学を頂戴することとなりました。
折角なのでレビューすることにします。

本書は、行動経済学者でもある大江英樹氏による、資産管理・運用における思い込み・誤解・勘違いについて解説するものです。
2015年の出版ですが、3年を経ても内容は全く陳腐化していません。




本書は、行動経済学の本ですから、例えば「フレーミング効果」とか「現状維持バイアス」「確証バイアス」などといった専門概念も登場していますが、それぞれ身近にありがちな事例と関連付けられているため、実感を伴って理解しやすくなっています。
フレーミング効果:「株は債券よりハイリスク・ハイリターン」→「債券は株よりローリスク・ローリターン」と言い換えることにより債券のリスクを軽視させられてしまう

現状維持バイアス:上昇相場や下落相場における「今回は違う」(戻ることなくずっと上がり続ける/下がり続ける)という言説に惑わされる

確証バイアス:事実上既に決めている投資判断を後押しするコメントを貰いたくて証券会社の相談窓口に訪れる


また、扱う範囲も、「金融機関は専門家だ」という勘違いや「退職金で投資デビュー」等といった入門時の間違い、「リスクとリターン」「投資は不労所得か」等といった総論的なものから、年金や保険・株式投資・投資信託など個別の投資に関する諸問題など、ほぼ資産運用の全分野をカバーしていると言ってよさそうです。

そして、最終章では「では、どうすればよいのか?」というタイトルで、これらの勘違い・誤解に嵌ることを回避するための対策を5つのポイントに纏めて解説しています。
簡単に言えば、「仕組みを作る」事と「他者からの働きかけ(見掛けと発言双方を含む)を無暗に受けない」事により、心理的な陥穽を回避しないようにするものです。
200ページに亘って説かれてきた問題に対する方策が10ページ余で語られるというバランスですが、それだけ心理的な要因が大きく、心理の問題を排除することこそが肝要という意外にシンプルな策で足りる(逆に、それほどまでに心理の問題は厄介である)という事なのでしょう。


また、2018年12月現在の環境を前提にするとより味わい深いものもあります。
例えば、「給与天引きは最強の資産形成術」「仕組みを作って運用」等といった話は、つみたてNISA制度と深く繋がって活用可能な知見であることは明らかでしょう。
また、年金・保険に関する話も、iDeCo制度の拡充及び加入者増加を考えると、漸く時代が追いついてきた感があります。人生100年時代の年金戦略を更なる発展版として捉えることも可能でしょう。
更に、「買いたい弱気/売りたい強気」というテーマは、10月以降くらいの相場の変化と投資家たちの心理状況の変化を見つつ読むと、なるほどまさに…と思えるかもしれません。
こうした現実世界の変化と本書の内容を見比べてみるのもまた一興です。


資産運用の初心者にとって運用の基礎を学ぶためとしても、またベテランが初心に立ち返り再確認する為の本としても、極めて有効に活用可能な本だと思います。
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[ 2018/12/19(水) 03:50 ]
[ 最終更新:2018/12/19(水) 03:50 ]

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