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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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多分「年金資産が消えた」と大騒ぎされそうだけど…騒ぐ必要がない・騒いではならないことを確認しよう
ここ1~2週間というもの、内外の株式市場・為替市場などは極めて大きな変動に見舞われており、資産運用においても強烈な逆風が吹いています。
私自身も、年初来で給与だけで600万円得ており、支出控除後でも300万円程度残ってるはずなのに、純資産がやや減少しているというなかなかの体たらくになっていたりします。 ( ;∀;)

まあ、私の資産状況などは私自身が気にしたり気にしなかったりしておればよい話でして、所詮他の誰に影響のあるような大した話ではありません。
大した話になりかねないのは、いつもの事ながら、公的年金運用に関する取り上げられ方です。

GPIFと同様のポートフォリオで運用することを謳っているiFree年金バランスは、前四半期末である9月28日の基準価額10174円に対し、12月26日のそれは9120円。約10.4%のマイナスになっています。
GPIFの運用状況速報によると、第2四半期末では165.6兆円の運用残高があったわけですから、仮にiFree年金バランスと同程度やられていたとすると、17兆円内外の四半期損失を出していると思われます。
細かい運用手法の差異、運用コストの差異、期中の入出金による影響、などがありますから単純にこの通りの数字にはならないでしょうが、良好な方にぶれたとしても損失幅15兆円まで改善するでしょうか……
第3四半期の速報が出た後、「年金が15兆円消えた! リスク運用で年金が危ない!」などと報道や国会で騒がれるのが目に浮かぶようです。四半期で十兆の桁まで行ってしまうとなると見栄えも違いますから、さぞや勢いが良くなることでしょう。

ただ、だからと言って、この四半期損失の金額を直ちに騒ぐには当たらないこと・むしろ騒ぐべきでないことは幾重にも確認しておく必要があります。



まず、幾ら大きな評価損が出たからと言って、足元の年金の支払いに窮する事態には、およそなり得ません。

平成29年度業務概況書26ページの「(コラム) キャッシュフローの管理」によりますと、
最初の10年程度はキャッシュアウト局面(保有資産を取り崩し、現金化)が続くことになります。(注)キャッシュアウトに必要な資金を確実に確保することは、安定した年金支給のために大変重要です。このため管理運用法人は、キャッシュアウト局面に備えて、主として国債から構成される「キャッシュアウト等対応ファンド」(2017(平成 29)年度末時点で 14 兆 6,573 億円)及び、満期保有目的の財投債から構成される「財投債ファンド」(9,727 億 円(時価ベース))を保有し(38・39ページ参照)、両ファンドの満期償還金・利金(16ページ末尾の(注 2)参照)によりキャッシュアウトに必要な資金を賄えるよう準備しています。
とある通り、事実上の無リスク資産で当面の必要資金を確保してしまっています。従って、年金支給の原資は当面安泰であり、また評価損に陥った資産を泣く泣く売ったりすることなくじっくりと回復を待つことが可能です。
更に言えば、そもそもGPIFの資産から払い出される金額自体が年金支給の中で小さな比率となっており(保険料収入及び国庫負担の方がメイン。GPIFからの資金は1割程度)、その意味からも年金財政へのダメージとはなり得ません。この話は人生100年時代の値金戦略(田村正之)に詳しい)

GPIFの積立金運用の役割は、保険料及び国庫負担による支給原資を補完することで、所得代替率の減少を抑制することにあります。(このことも田村氏の前掲書にて詳述)
また、GPIFの前記コラムによると、積立金を払い出すフェイズに本格的に入るのは2014年の財政検証から25年後頃以降のようです(それまでには一時的に残高増加のフェイズがある)。
これらのことを考えると、やはり20年・30年あるいはそれ以上の長期のスパンでリターンが確保でき、積立金残高が長く残りやすいようにしておくことが、所得代替率確保の観点からも理に適うことになります。

株式中心の期待リターン・リスクが高いポートフォリオにおいて、短期的に大きな損失が出たとしても、時間の経過とともに損失を補って余りある収益に転じていくことは、お金は寝かせて増やしなさい(水瀬ケンイチ)中の15年史でも示されている通りです。
また、積立金の増加フェイズがあることを考えると、この期間中はカンチュンド氏の主張する積立投資の効果に準ずるものが出てくるはずですから、ますますもって、一時的な損失を気に病む必要性も妥当性もなくなってきます。





他方で、もし一時的な損失に目が眩んで、安全性を最重視した運用に切り替えさせるような究極のスタイルドリフトを起こさせることになると、運用益による長期的な積立金残高の積み増しが進み難くなる結果、早期の積立金残高枯渇・所得代替率低下を招来しかねなくなり、
積立金に意図された趣旨を阻害されることになります。


年金はとかくセンセーショナルに取り上げやすい問題ではありますが、目先の数年間はいくら損失が出ようが安全資産だけで年金支給は賄えるため評価損益を一喜一憂するに及ばず、20年後・30年後に向けて長期的に収益積み増しが期待できること(それにより所得代替率を下支えする事)が本旨にあります。
そのことをよく理解し、四半期や1年程度の収益で無用な騒ぎを起こすことは慎む必要があります。
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[ 2018/12/27(木) 04:12 ]
[ 最終更新:2018/12/27(木) 04:12 ]

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