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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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10年以上経過したファンドのベンチマーク差異。そしてもし低コストファンドが昔からあったら?
いわゆる「低コストインデックスファンド」の系譜に属するシリーズであるSMTやeMAXISが登場してから、もう10年を超えています。
これだけ時間が経って長期間のレコードが出てきますと、興味深い事実も見せられてくるものです。

eMAXISfat先進国株式202012
eMAXIS fat 先進国株式の2020年12月の月報より、騰落率の抜粋です。
当該ファンドは2009年10月28日設定、2020年12月末時点で11年と2ヶ月が経過しています。
その間、ベンチマークであるMSCIコクサイ(税引き後配当込み)のトータルリターンが240.1%に対し、ファンドは226.9%。
なんと13.2ポイントも劣後しています!



というとショッキングなようですが、別にこのファンドが下手な運用をしていたわけではありません。
ファンドとベンチマーク、それぞれのリターンを幾何平均して1年平均リターンを出してみれば明らかです。
(11+1/12)年ベンチマークfat差異
トータルリターン240.1%226.9%
幾何平均年率11.59%11.19%▲0.40%

1年平均での差異は0.40%のアンダーパフォーム。
当該ファンドの信託報酬である0.6%+消費税分は勝手に不利差異として出てきますから、他に運用面において0.2~0.3%程度の有利差異が生じていた。
貸株による収益、ベンチマークとファンドとの適用税率の差異、などによるものでしょう(税率差異により有利差異が生じる場合があることは、ブロガーミーティングにて触れられています)。
ざっくり米国株の比率が60%程度、これに対する配当が年率2%程度、適用税率差異が20%とすると、0.24%程度の有利差異になります。割といい感じでしょうか。

ファンドとして当然生じる差異が出ているだけで、全く問題のない運用がされてきていることが推察されます。
むしろ11年以上にわたってこれだけコンスタントに指数をなぞっているのはインデックスファンドとして信頼性が高いと言えそうです。
コスト水準とて、ファンド登場当時には十分安かったものです。
それでも、これだけの年月を重ねると10ポイント以上ものアンダーパフォームという事態に陥ってしまうのですから、コストの長期間累積の恐ろしさ(負の複利効果)が知れようというものです。

eMAXISslim先進国株式202012
なお、slimの方はこんな感じになっています。
fatと同じ期間が取れる、3年のところで見てみましょう。
3年ベンチマークslim差異
トータルリターン24.4%25.0%
幾何平均年率7.55%7.72%+0.17%

3年ベンチマークfat差異
トータルリターン24.4%23.0%
幾何平均年率7.55%7.14%▲0.41%


slimの方は数次にわたり信託報酬引き下げをやっていますし、受益者還元型信託報酬も発動していますから厄介なのですが、とりあえずコストは年率0.10%+消費税程度という事にしておきましょうか。
そうすると、税率差異等による有利差異はfat同様に年率0.2~0.3%程度生じる結果、ベンチマークに対して0.17%のオーバーパフォームとなっています。
fatの方は設定来(11年2ヶ月)の時とほとんど変わらない対ベンチマーク差異です。
fatとslimとの間では当然のことながら、信託報酬差異である年率0.5%程度+消費税分に相当するくらいの差がついています。

では、仮に2009年10月28日、fatと同時にslimが、今と同じ信託報酬0.1%程度であったとしたら、果たして今までのトータルリターンは?
3年ではfatより年率0.58%高いリターンを示していたslimですが、消費税率の低かった時代も長くとることになりますから控えめに年率0.5%程度の差が付くものとしてみましょうか。
そうすると、この期間slimの想定年率幾何平均リターンは11.69%。
トータルリターンは、(1+11.69%)^(11+2/12)-100%=243.7%
fatのトータルリターンが226.9%ですから、実に16.8ポイントも高いリターンを得られていたことになります。

あくまでも机上の単純計算によるものではありますが、コスト差がもたらす長期間経過後の影響、低コストファンドを選択することがいかに重要であるかがよくわかります。
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[ 2021/02/01(月) 07:00 ]
[ 最終更新:2021/02/01(月) 07:00 ]

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