fc2ブログ
アクセスランキング

海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
>> ホーム
>> RSS1.0
プロフィール

安房

Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
にほんブログ村
にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ
にほんブログ村
にほんブログ村 株ブログ つみたてNISAへ
にほんブログ村

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

UBS (5)
ESG (2)

「コストが違う事で投資成果が大違いになる」イラストの実例を見せてくれるファンド、ミリオン
三菱UFJ国際投信が、運用するインデックスファンドのうちネット限定販売のもの(eMAXISなど)を除いた商品につき、信託報酬を国内0.50%、海外0.75%(いずれも消費税別)に引き下げることが報じられています。
 三菱UFJ、投信手数料一律引き下げ 複雑な体系を解消 (日本経済新聞)

その一環として、インデックス・タイプ(ミリオン)という日経225連動のインデックスファンドも信託報酬引き下げが行われます。
このファンドは1987年11月27日設定という年代物で、1.55%→0.50%という、実に1/3の大幅値下げとなります。

このことに関しては、既にkenzさんが報じています。
 インデックス・タイプ(ミリオン)の信託報酬が1.55%から0.50%(税抜)に引下げ
ところで、上記記事の中で、このミリオンというファンドの設定来リターンが大きくベンチマークに劣後していることが指摘されています。
設定日以来のベンチマークのリターンが77.6%もあるのに、ファンドのリターンが▲3.1%という、劣後どころかマイナスリターンになってしまっています。
実に80.7%ものマイナス乖離、これはいったい何が起きているのでしょうか。



実は当ブログでは過去に似たような話をしていたのですが、ひとまず、この期間におけるベンチマークとファンドの幾何平均のリターンを見てみましょう。
(34+2/12)年ベンチマークミリオン差異
トータルリターン77.6%▲3.1%
幾何平均年率1.70%▲0.09%▲1.79%

34年で年率1%台に過ぎないという日経平均のリターンもどうかとは思いますが(ほぼ配当分しか増えてないようなものじゃないだろうか…?)、それはさておき、平均してみると年率1.79%だけベンチマークに劣後しているという事です。
ミリオンは既述の通り信託報酬が1.55%かかっています。それに消費税が付き(消費税未導入→3%→5%→8%→10%と何段階もの税率を経ていますが、計算を間違えていなければ全期間平均すると税込で1.63%くらいになるはずです)、更に信託報酬以外の運用コスト(売買委託手数料、監査報酬他)が発生することを考慮に入れると、経費だけで1.7%を超えてきてもおかしくはなさそうです。
そうすると、全期間を通じれば運用自体には大きな瑕疵はなさそうで、ひとえに34年分のコストが積み重なって80ポイント以上の大幅劣後に至った、という結論になります。
運用益を全部失ってるのは日経平均自体のリターンが低すぎたという事情がありますが、それにしても、1.55%の信託報酬から帰結される長期でのトータルリターンの劣後幅は恐ろしい限りです。

ちなみに、信託報酬が0.50%に下がった「新・ミリオン」や、信託報酬0.14%のeMAXIS slimが1987年11月27日設定で存在したとして、34年2ヶ月後のトータルリターンを計算してみましょう。
信託報酬以外のコストを鑑みて、ベンチマーク比でそれぞれ0.60%劣後、0.24%劣後としてみます(信託報酬に0.10%ずつ上乗せ)。
そうすると、「新・ミリオン」(想定幾何平均年率リターン1.10%)では45.09%、eMAXIS slim(想定幾何平均年率リターン1.46%)では63.83%となります。
ミリオンよりは大幅に改善する一方、「新・ミリオン」でも30ポイント以上の劣後、slimでさえも14ポイント弱の劣後になってしまうということで、長期間運用した際の「負の複利効果」の重さが思い知らされます。

よく、同じ投資対象でも信託報酬の違いで投資成果はこんなに違う!という趣旨の、コストを0.5%とか1.0%とか1.5%とか差をつけてみて10年・20年といった期間でのトータルリターン差をグラフ化してみた図が、様々な解説資料に乗っていますが、このベンチマークとミリオン及び想定ファンドのリターン差は、その図を現実のものとして見せつけてくれる実例です。
今や20代からでも投資を始めている人も多いはずですが、そうなると投資期間が30年どころか40年を超えることにだってなるはずです。そうした場合に、いかにコストの低い商品を選定することが重要であるか、はっきりと教えられるものです。

それにしても、ミリオンというのは給与天引きで購入していく商品なんだそうですが、こんな商品を給与天引きで買わされるとは恐ろしい話もあったものです……くわばらくわばら。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へにほんブログ村 株ブログ インデックス投資へにほんブログ村 株ブログ つみたてNISAへ


やたら高コスト | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2022/02/15(火) 07:00 ]
[ 最終更新:2022/02/15(火) 07:00 ]

<<「ほったらかし投資術」第3版! 時代により変わりつつも、主たる論は強固に変わらず | ホーム | 「人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略」(田村正之)は長期資産形成の教科書あるいは辞書。是非一家に一冊置いて最新の正確な理解を!>>

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL
http://anbowasset.blog.fc2.com/tb.php/710-5ac254eb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

copyright © 2023 海舟の中で資産設計を ver2.0 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ. / NetMania