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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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SBIグループが新生銀行の仕組預金のコスト開示
SBIホールディングス傘下に入った新生銀行は、6月下旬から為替特約付きの仕組預金「パワード定期」のコスト開示に踏み切りました。
パワード定期(仕組預金)の販売手数料等の開示について

パワード定期は、為替特約を利用した仕組預金で、円貨で預入をした際に決められた特約レートよりも判定時点(満期時付近)での為替レートが円高になっていたら、特約レートで換算した外貨で払い戻しがされる(実際のレートの方が円高なので、結果的に為替差損が生じる)という商品です。
※ほかに、外貨で預入をするパターンも選択できます(特約レートより円安に進んだ時に特約レートで円転されて払い戻しされる)

仕組預金として典型的な商品類型で、預金金利が一般的な定期預金と比べて非常に高い数字が出るので、多くの銀行で同タイプの商品がかなり目立つ宣伝がされています。
(パワード定期の場合、「円で預け入れてドル円の相場を見る」タイプの商品では、1年物が4%を超えているようです)

ただ、「高金利」の裏には銀行と市場参加者との間での為替オプション取引があり、銀行が市場に売ったオプションの代金を銀行と預金者との間で山分けをしているという構図が、この金利の真の姿です。
そのような構図自体、そしてその山分けによる預金者の取り分は果たして適正なのか、という疑問はかなり以前から吉本佳生氏や山崎元氏などの識者から指摘されていました。
特に預金者の取り分は、そのような取引に参加するかどうかの意思決定をするのに極めて重要なファクターでしたが、今まではここが全くのブラックボックスでした。

今回のSBI及び新生銀行の取り組みにより、そこのブラックボックスについて、下記に引用するように図解も用いつつ極めて簡潔明瞭に開示がなされるようになりました。画期的な事と言ってよいでしょう。

当該販売手数料等は、書面の作成・郵送コスト等の販売に係る諸経費やアフターフォローの対価である「対価相当額(販売手数料)」および「為替特約設定に係る市場取引に要する費用(市場取引費用)」から成り立っており、それぞれについて預入期間毎に数値を明示し、合計値を購入時に支払う費用として開示しています。
パワード定期の適用金利(下図①)は、「通常の定期預金の金利(預金金利)」(下図②)に「為替特約プレミアムに該当する金利相当」(下図③)を加えたものから、「当行の販売役務の対価相当額および為替特約設定に係る市場取引に要する費用(費用合計)」(下図④)を差引いた金利となります。
(*)以下は重要情報シートで手数料の説明に用いるイメージ図の抜粋です。
(画像略)





引用箇所の直後には、6月24日現在での数値例が示されており、それによると、②預金金利 と③為替プレミアム の合計値から ④費用合計1.6% が差し引かれた結果、 ①パワード定期適用金利4.39% が出来上がっているという事です。(円で預け入れ、ドル円レートを参照するタイプの1年物)

逆算すると、本来であれば預金者は5.99%(①+②)を手にすることが出来たところですが、銀行に1.6%(①+②に対し実に26.7%に相当)を持って行かれた結果がこの利率という事です。
あるいは、5.99%から1年物の円預金金利である0.15%程度(本記事執筆時点でのパワーダイレクト円定期預金100の金利)を差し引いた5.84%程度がオプション取引の対価(②)であるところ、そこから1.6%(②に対し27.4%)を持って行っているとみることもできます。

②のオプション価格自体はプロ同士の市場で公正に決まっている数値が反映されていると推測してよいものでしょうが、そこから3分の1~4分の1も引かれているわけで、預金者としてはかなり不利な取引をさせられているという事が分かります。
公正にオプション価格が決まっているということは、確率を考慮するとプラマイゼロということです。
オプション売り手(銀行、預金者)側は判定日の段階で全く支払いが発生しない(オプション対価を貰いっぱなしになる)場合から円高側に大きく進んで青天井に支払いが発生する場合まで様々なケースがあり得る中で、平均的には5.84%の支払いが必要になると見込まれる(だから5.84%のオプション対価を取っておく)という理屈です。
本商品の場合、そこから1.6%が抜き取られているという事ですから、確率を考慮すると預金者段階では平均的に1.6%の損失が見込まれるという事になります。もちろん通常の金利分(①)で補填はされますが……(本商品に預けずに通常の円定期に預けていたケースと比べれば、1.6%がそのまま損失と言える)

今まではコストの数字が全く見えなかったので何も検討材料がなかったところ、このような開示がなされることによってどれだけ不利な取引をさせられているのかが認識できるようになった(一方で、「なるほど平均的には不利かもしれないが、それでも自分自身の予測によればこの程度なら勝ちで終わると見通せるからこの条件を受け入れる!」という判断も合理的に行うことが出来るようになるということでもある)というのは取引判断の適正化を促す意味で大きな意味がありそうです。
他行がこれに続けば、預金者側での条件の比較検討が行われることで手数料の低下圧力がかかり、預金者が実質的に背負うリスクに見合っただけの適正な利益を得られるようになっていく可能性も出てくるでしょう。
SBIグループ及び新生銀行の取り組みは高く評価したいと思います。
もっとも、「説明する書類は作ったけど、肝心の店舗での客への説明の場面では行員がおざなりの説明しかしないで、客が十分な理解に至らないまま何となく契約する」……なんていうありがちな構図に陥ったら何の意味もないんですが……そんなことしませんよね? ちゃんと懇切に説明しますよね?
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変な商品 | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2022/07/31(日) 18:00 ]
[ 最終更新:2022/07/31(日) 18:00 ]

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