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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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資金が小さいなら、寄らば大樹(ETF)? |
三井住友アセットマネジメント(SMAM)の確定拠出年金専用ファンドの一般売り開始に関連して、新興国株式ファンドの下方乖離の大きさが話題になっています。 三井住友・DC全海外株式インデックスファンドに投資する前に知るべき注意点 (ほったらかし投資のまにまに)
やはり、2014年12月1日現在1億7000万円しかないマザーファンドの大きさゆえ、先物運用になってしまっている点がその要因として考えられているようです。 確かに、この資産規模で現物株を買いに行って指数をトレースするのは困難で、先物運用になるのは止むを得ないところでしょう。
ところで、極端に小規模なインデックスファンドといえば思い出されるのがi-mizuhoです。 i-mizuho新興国株式インデックス は、2015年5月7日現在でマザーファンドの純資産が3億1400万円。SMAMよりはましですが、これとて小さすぎる規模と言って差し支えないでしょう。 そして、この規模の資産でどうやって運用しているかというと、こちらは先物ではなく、ETF運用です。マザーファンドからiShares Core MSCI Emerging Markets ETF(IEMG)という米国上場ETFを買いに行っています。 では、このETF運用のi-mizuhoと先物運用のSMAMでは、ベンチマークたるべきMSCIエマージング指数(配当込み、円建て)との乖離状況はどうなっているのでしょう。 比較してみました。
まず、配当込み円建てMSCIエマージングの数値を算出しなければなりません。 ドル建ての指数は、MSCIのサイトからダウンロードすることができます。
 なお、欲しいのは配当込み指数ですから、「Index level」はGrossを選択しました。
次にドル円の為替データは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングからダウンロードできるデータのTTMを使用します。
前日付けのMSCIエマージング指数と当日のドル円を掛け合わせたものを、当日の円建てMSCIエマージング指数とします。(MSCIエマージング指数が算出されていない日付の場合はその前日の数値を使用。ドル円も同様)
i-mizuho及びSMAMの基準価額はモーニングスターからダウンロードします。
i-mizuhoの設定日である2013年9月3日から2015年8月31日までで比較しました。 Excelの生データはこちら。

 上のグラフがMSCI・i-mizuho・SMAMのそれぞれの数値の推移(2013年9月3日を10000として指数化)、下がi-misuho・SMAMそれぞれのパフォーマンスのMSCIに対する乖離率の推移です。 序盤ではSMAMが上に来ている期間がありますが、後半になるに従ってi-mizuhoが上になるようになってきているようです。 ところどころ、MSCIに比べてプラス乖離になっている箇所があるのが意外です(理論上、配当込みインデックスとの比較では絶対にコスト分だけマイナスになっていくはずなんですが…)。
 MSCIを抜きにして、i-mizuhoとSMAMのパフォーマンス差を取って推移を見たのがこのグラフです。 SMAM引くi-mizuhoなので、プラスであればSMAMが勝っているということです。 グラフを見ると、かなり上下にぶれていますが基本的には右肩下がりですから、傾向としてはi-mizuhoの方が徐々に勝っていきつつある感じに見えます。 運用報告書記載の年間の実質コストがi-mizuhoの0.678%(2015年5月7日決算)に対してSMAMが0.967%(2014年12月1日決算)ですから、年間0.3%程度はSMAMが下に行くのは至極当然ですが、それだとおよそ2年で0.6%程度しか説明がつかず、1%超の乖離になっている現状は運用それ自体による要因が相当ありそうです。
i-mizuhoが強すぎたのかSMAMが弱すぎたのか、と考えると前者はちょっと考えにくい気がします。 ETF運用であれば、その向こう側で現物株を実際に保有しているわけですから、きっちり指数に連動しやすい仕組みと言えます。 (もっとも、基準価額と市場価格の差異という問題もあり、IEMGはiシェアーズのサイトによると日によってはプラマイ1%以上の乖離になってしまうこともあったようですから、完全連動からは程遠いとはいえます。i-mizuhoとMSCIとのパフォーマンス比較の凸凹はこの辺が一因かもしれません) ETFは基本的に個別株からの配当相当額を払い出してしまいますが、i-mizuhoは基本的に無分配のはずですからその払い出された資金は再び同じETF購入に回るので、結果的に配当込み指数に連動したパフォーマンスになるはずです。
一方で先物運用となると、確かに裁定取引によって現物価格ベースの一定の理論価格に収斂するはずなんでしょうが、金利という要因があったり、織り込まれる配当(利回り)も予想のものであったりと理論価格自体が色々ぶれそうな要素を持っている上に、ロールオーバーコストという問題もあります。 こういった色々な要因が影響して、現物価格(配当込み指数)とはかけ離れた値動きになってしまうのも止むを得ない面があるかもしれません。 今現在の金融情勢だとそれらが不利な方向に働いているということで、今後は有利に転ずる可能性もないとはいえません。 つまり、ここまででは「SMAMが弱すぎた」という展開ですが、将来的に「SMAMが強すぎた」ということになる可能性も廃除はできません。i-mizuhoは基本は強くも弱くもならないはずです。
……なにやらインデックスファンドを買うのに色々考慮しなければならないようです。 インデックスファンドを買うのは配当込み指数へのきっちり連動を実現するのが大きな目的ですから、金利情勢の現状と予想がこうだから有利になるとか不利になるとか、ロールオーバーでコストがあるとかプレミアムがあるとか、そんな要因で変にぶれるのは結構困ります。 第一何がどうなれば得になるのか損になるのかすぐには理解できません(^^;
こうなると、「よく分からないものには手を出さない」という格言が通用する局面になってしまうかもしれません。 少なくとも、現物の直接的な裏づけのあるETFでの運用となっているi-mizuhoの方が、分かりやすさでは遥かに勝りそうです。
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三井住友DCつみたてNISA
| トラックバック:0 | コメント:0
[ 2015/09/20(日) 00:52 ]
[ 最終更新:2016/05/16(月) 02:39 ]
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