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2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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誰が為に金は集まる
コモンズ投信は、いわゆる直販投信を運営する会社の一つです。
セゾン投信ひふみ投信(レオスキャピタルワークス)とともに「草食投資隊」と称する活動を行っていることでも知られており、営業活動に留まらず啓蒙活動にも力を入れています。
最近も、草食投資隊として下記記事にあるようになかなか興味深くも重要な指摘をしています。
投資信託の購入手数料を支払うことは大暴落を食らうのと同じダメージ  (アーツ&インベストメント・スタディーズ)
この記事に限らず、目先の相場に踊らされるのでない視点からの発言はなかなか貴重な活動だと思います。

……さて、そのコモンズ投信ですが、このほどなかなか興味深いニュースが流れてきました。
(注:300万円ではなく、300百万円=3億円が正しいようです)

Σ ゚ ゚  ( д ;)

(あ~あ、やっちゃった…)
何が「やっちゃった」なのか。



まず、コモンズ投信の資本が至急増強を要する状況にあることは確かなようです。
というのも、平成27年3月期の財務諸表によると、純資産が1億1000万円しか残っておらず、一方で当期利益が1億3000万円以上の赤字ですから、この調子だと28年3月期には債務超過に転落しかねません。
ですから、増資が行われたということ自体は特段異とするにはあたりません。やらざるを得なかったことです。

違和感を覚えさせられるのは、コモンズ投信で運営されている、コモンズ30+しずぎんファンドの存在によります。
もともとコモンズ投信は自社販売でコモンズ30ファンドというファンドを運用していました。
そこへ、同じマザーファンドへ投資するのに加えて、静岡銀行の株式に10%(上限)投資するという形のコモンズ30+しずぎんファンドが登場しました。それが昨年12月のことです。
販売会社も静岡銀行と静銀ティーエム証券、さらに静岡銀行を大株主とするマネックス証券という、随分と静岡銀行色の強い商品です。
名目は、地域金融機関への投資を通じて地域経済の発展に貢献するということで何となく尤もらしいのですが、それにしても「地域金融機関」が1社だけであり、しかもそこに高比率で投資する事になる点など、不自然なアンバランス感が違和感を誘っていました。
その違和感は以下のページにて詳しくまとめられています。
コモンズ30+しずぎんファンドの評価・問題点 (ノーロード投資信託徹底ガイド)

このファンドが出た当時は、私も

もしも「コモンズ30ファンド+●●銀行販売方式」が全国に広がっていったらと考えると・・・。
という事になるんだろうと思っていたのですが、そこへ今回の静岡銀行出資のニュースです。

タイミング的に、何の繋がりも無い出来事とも思い難いのは否めません。
最初からそういう絵を描いていた(将来の増資引き受けと引き換えに静岡銀行色の強いファンドを作って売ることにした)のか、それとも後からこういう展開になった(増資の必要が迫ってきたところ、商品の開発・販売で仲良くなっていた静岡銀行が引き受けてくれることになった)に過ぎないのかは、外から窺い知ることはできません。

ただ、両社にとってはお互い大いに助かる資本提携ではあります。
コモンズ投信にとってみれば、3億円の増資は喉から手が出るほど欲しいでしょう。
自社の損益が今までと同じペースであってもあと2年余りは債務超過転落を食い止められます。債務超過になってしまったら金融商品取引業者の許認可に関わりますから、それを避けられるのは大助かりです。

静岡銀行にとってみれば、コモンズ30+しずぎんファンドがほぼ確実に安定株主になってくれそうです。
コモンズ30+しずぎんファンドは8月末の月報で純資産4億円、うち静岡銀行の比率が7.8%なので3000万円あまり。静岡銀行の時価総額8000億円と比べると0.004%に過ぎませんから現時点ではインパクトはほぼありませんが、ファンドの売れ行きが上がり純資産が伸びれば持株比率も上がってきます。
ファンドの保有する株式について議決権を実質的に行使するのは委託者たるコモンズ投信でしょう。そしてコモンズ投信にとっては静岡銀行はいまや大株主、債務超過の危機を救った貴重なスポンサーですから、滅多なことでは批判的・敵対的な行動には出にくいでしょう。

こうして、今回の増資はまさにwin-winの関係を築き上げる機能を果たすことになります。
ビジネスパートナー同士、仲が良くなることは誠に喜ばしいことではあります。

……それが各当事者、自分の金で成し遂げられる限りにおいては。
惜しむらくは、ファンドの購入者の金が介在してしまっています。
静岡銀行の株を買っているのは、コモンズ30+しずぎんファンドの購入者の金ですから。
運用会社が増資を受けて倒産を免れ経営者が地位を保全する、あたかもその見返りであるかのようにファンド購入者の投資資金が特定株式に流れていく。
そして、その投資先にはなかなか物が申しづらい。発言を通じて投資先の企業価値の向上が図りづらい。
こうした状況は、忠実義務(最近は、フィデューシャリーデューティーという言葉が流行っているようですが)の観点から如何なものなんでしょうか。


しかし、もとより、資本を受入れるからといって直ちにその言うなりになるものとも限りません。
レオスはISネットワークという会社の傘下に入りましたが、ファンドの運用姿勢は概ね変わらず投資ブロガーからの高評価を維持しているようです。そして、とうとう創業者が社長の座に返り咲き経営の一線に復帰するようですから、創業者の理念や方針に大きな悪影響は及ばなかったものと推察してよさそうです。
セゾン投信も郵政グループからの出資を受けたところで、こちらはまだこれからどうなるやら見守らないと分かりませんが、現段階では従前の姿勢や理念に大きな変化はなさそうです。郵便局のセミナーが積極的に行われることで投資教育の間口を広げたくらいでしょうか。そうすると、むしろ資本提携が若干プラスに生かされていることになります。
これらは出資を受け入れても「特に資本以外の面には影響は無かった」あるいは「より好影響を受けた」事例でしょう。

コモンズ投信と静岡銀行も、資本提携をプラスの方向に作用させることができるでしょうか。
コモンズ投信は、静岡銀行及び傘下金融機関での販売活動・セミナー等を通じて啓蒙を広げることができるか。また、コモンズ30+しずぎんファンドで謳っているような地域社会への貢献がなされるよう、静岡銀行に(同ファンドでの持株を背景に)迫ることができるか。
静岡銀行は静岡銀行で、コモンズ投信の商品がその理念が生きた形で売れるように株主の立場から協力や指導ができるか。また、コモンズ30+しずぎんファンドが要求するように地域社会に貢献するような融資活動を行うことができるか。

ある意味、今こそコモンズ投信及び静岡銀行の見識と覚悟が試される正念場と言えるかもしれません。
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[ 2015/10/02(金) 02:01 ]
[ 最終更新:2016/05/16(月) 02:42 ]

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