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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。 以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。 投資関係中心に語ります
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DBのなにがよいのか(本気で疑問) |
先日、ツイッターで「DC(401k、確定拠出年金)とDB(確定給付年金)と選べるとしたらどちらがよいか」という話題になりました。
個人的には、「考える余地もなくDC」です。
言うまでもなく、DBというのは、「会社が人件費の一部を拠出金として(従業員本人にでなく)年金資産に払い込み、運用期間を経て従業員の定年後に年金支給する」仕組みです。 支給に責任を持つのはその会社ですから、会社の支払能力が低下したら、当然償還が滞ったり削減されるリスクがあります。誰か第三者が補填することはありません。(会社更生法適用時に削減が問題となった日本航空の例を思い起こせば明らかです)
言い方を変えれば、新卒入社直後から計算すると「償還スタートまで40年前後、償還完了まで60年前後」という超長期の社債を、本来現金で受け取れるべき給料の一部で強制的に買わされているようなものです。 しかもこの社債、ほぼ売却不能です。(退職などで資格を失った場合には、逆に強制的に売却させられた上で、DCまたは転職先のDB・厚生年金基金等に移管されることになります)
つまり、個別銘柄としての信用リスク及び流動性リスクを何十年にもわたって盛大に負担させられることになります。
しかも、リスクの集中の観点から、更に2つの問題を帯びています。 まず第1に、「相関係数が高いこと」です。 勤務先の会社からは、給与を受け取ると同時に「超長期社債」を購入することになるわけですが、仮に経営状態が危うくなったときにその両方が同時に悪影響を受ける(給与も下がり、社債の償還額削減・不履行の可能性も高まる)可能性が高いのは明らかでしょう。 (このような「往復びんた」というべき危険性があるからこそ、従業員持株会にも否定的な見解が根強くなることを思い起こすべきです)
第2には、「会社に異質の2つの能力を要求することになること」です。 そもそも、労働者としては会社に要求するのは「本業をまともに運営して、最低限給与をきちんと払える程度の収益を挙げる能力」です。 これは会社にとっての本来の存在意義そのものですから、これを果たす能力は十分にあるはずです(これがないようでは話にならない)。 しかし、DBの加入者として会社に要求することになる、「約束した利回りで年金を払えるよう、金融資産の運用をする能力」というのはどうでしょうか。 これは、会社にない可能性も高く、また、別になくても問題なかったことが多いでしょう。(保険会社とか銀行とか、金融業が本業の会社はもちろん別ですが) 別に資産運用の能力が無かったところで、自動車の製造販売をしたりスーパーマーケットを運営したり貨物運送業を行ったりするのに何の支障もありません。 それであれば、資産運用などというノイズ的なものまで会社にやらせるのは筋のよい選択には見えません。リソースは本業に集中してもらって、限界まで収益を高めるよう努力してもらった方が効率は高そうです(その結果として、給与水準がより上がる可能性もあるでしょう)。
他人に資産運用を一任し、自分自身の管理が及ばない。 それにもかかわらず、その他人は素人同然である。 よくよく考えなくてもこれはかなり異様であり危険な状態です。
会社が(能力の裏打ちを伴って)責任を負えるのは、あくまで本業の経営です。資産運用の能力は(あるかも知れませんが)ないと思ったほうが無難です。 自分自身の資産運用に責任を持って判断が下せるのは自分自身です。能力は人によってあったりなかったりするかもしれませんが、少なくとも自分自身の決断による運用結果を引き受けるのは、他人がやった結果を受け入れさせられるよりは合理的でもあり納得感もあるでしょう。
各主体ごとに責任の負える事柄を切り分けて、その範囲内のことに注力するのが、結局はそれぞれの効率を上げることにも繋がると思います。
そういう意味で、各個人の資産には各個人自身が責任を負うDCの方が、専門家でもない会社に責任を被らせるDBよりも合理的な仕組だと思います。
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DC(確定拠出年金)
| トラックバック:0 | コメント:0
[ 2015/10/11(日) 23:30 ]
[ 最終更新:2016/03/17(木) 01:21 ]
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