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海舟の中で資産設計を ver2.0
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。投資関係中心に語ります
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Author:安房
2008年10月、リーマンショックのさなかからインデックスファンド中心の資産運用開始。
以来7年、現在の運用資産残高1000万余(預金等含まず)。
投資関係中心に語ります

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第2回eMAXISファンミーティング動画
三菱UFJ国際投信の公式Youtubeチャンネルにて、2022年9月30日に開催された第2回eMAXISオンラインファンミーティングのダイジェスト動画が配信されています。
第2回 eMAXIS オンラインファンミーティング ダイジェストムービー|三菱UFJ国際投信

なにぶんダイジェスト版ですから、各コーナーから一コマ二コマ程度切り取られているだけですが、きっと三菱UFJ国際投信のサイトにレポートがアップされることと思いますから、より詳細な内容はそこで知ることができるでしょう。
2021年3月26日開催の第1回ファンミーティングのレポートが同年7月14日に公開されているので、今回のレポートはたぶん今月中か来月前半くらいの公開でしょうか。

それでも、元サッカー選手の大久保嘉人氏が(投資初心者なりに)投資のイメージを語るところやブロガーの水瀬ケンイチ氏がインデックス投信をサッカーチームに譬えてみせるところなど、イベントの目玉・エッセンスといえる部分は拾えていると思います。
そのあとの工場見学や座談会の部分も含め、当日の雰囲気を感じることくらいはできるでしょう。
→11月25日にイベントレポートが公開されました

中で注目されてよいと思うのは、動画で2分40秒くらいのシーンです。
ここでは、「ご自身の運用実績の確認頻度について教えてください」という質問に対し、三菱UFJ国際投信の横川社長自身が回答しています。
実は、横川社長は個人としての資産運用はeMAXIS slim全世界株式(オール・カントリー)の積立のみ、そして件の質問に対しても年1回の確認くらいしかしない(あまり見直して一喜一憂したくない)、ということでした。
投資商品の開発・販売を行う最高責任者である運用会社社長が、自身の運用として全世界株式時価総額インデックスファンドへの積立ほったらかし投資が最も合理的だと考えているという事実はなかなか重要なことではないかと思います(そして、自社商品を利用しているということは、それだけコストやトラッキングエラーなど品質面においても自信があるということでしょう)。
ウォーレン・バフェットが家族にS&P500連動ファンドへの投資を進めているなどの話を彷彿とさせることで、それの日本版のようなエピソードですが、これをもっとアピールすればオルカンをはじめeMAXIS slimのファンドの販促効果やインデックスファンドほったらかしという投資手法の説得力をより一層高める効果があるのではないかと思います。

なお、この動画の最初の方でも触れられている通り、9月末の段階でeMAXISシリーズの純資産は3.5兆円程度だったわけですが、11月18日時点では3兆9433億円と、2ヶ月経つか経たないかで既に4兆円が間近に迫っています。
改めて、驚きのスピードです。


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emaxis | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2022/11/20(日) 02:36 ]
[ 最終更新:2022/11/29(火) 03:41 ]

SBI「まるっと米国」ブロガーミーティング
10月28日、SBI証券の実施する”まるっと米国”ブロガーミーティングに参加しました。

本イベントは、SBIアセットマネジメントの設定するSBI・iシェアーズ・米国バランス(2資産均等型)につき、SBIアセットマネジメントの梅本賢一社長が解説・質疑応答するものです。
コロナ禍もあり、会場セミナーに参加できたのはずいぶん久しぶりとなりました。



セミナー内容について簡単にまとめておきます。

設定来の推移について
設定来の推移をみると、以下のように、ドル換算での指数・基準価額が下落しているのに対し円ベースだとやや上昇している。もちろん、円安でのメリットを受けていることによる。
PXL_20221030_090536241.jpg

為替や株式指数に関連して、業界の関心事は「黒田日銀がいつ利上げするか?」が最大となっている。
潜在的な経済的成長力の強い国でないと指数が伸びない。そういう観点からすると米国を選ぶことになる。
為替についても金利が高い国・経済力が強い国の通貨が買われることが自然であることから、長期的には米ドル高・円安の方向性が自然。
そういったところを考えると、日本人も海外資産を持ったほうが良いという風に思っている。
指数が伸びる伸びないが潜在的成長力に依存するのかどうかは議論のあるところではあります(成長力が低ければ低いなりに織り込んだうえで指数が形成されるから、それなりに上昇は可能、という論者もいる)
また為替も金利のほか物価などのファクターもあり、円安方向と決めつけるのは躊躇を覚えるところです。
とはいえ、海外資産を持ったほうがいいという結論自体はその通りだと思いますが。


分散効果について
設定来の米国株式と米国債券の指数の推移を見ると、逆相関の度合いは弱いものの値動きは異なっている。そのため、本ファンドは分散投資の効果を発揮できており、長期投資に適したものになっていると考える。(バックデータになるが、2012年10月から2022年9月まで本ファンドと同様の運用で毎月3万円積み立てたとすると、積立総額360万円に対して残高627万円となる)
PXL_20221030_091657471.jpg

なお、株式と債券との相関係数が上がっており、分散投資の効果に疑問が呈されることがあある(足元では米国株式と米国債券との相関係数0.53)。
しかし、2002年10月から2022年9月までの20年で見た時の米国債券総合指数との相関係数はS&P500が0.13、MSCIエマージングが0.17という水準であり(S&Pのほうが相関係数が低い)、長期的には連動性の低い水準に回帰していくことになるのではないか。

市況見通しについて
米国の長短金利差が縮小・逆転すると景気後退が近いというのは過去にもみられている。
米国10年国債利回りと2年国債の利回りの差がマイナス(2年国債のほうが高い)となった事例は1985年以降で3回あったが、いずれも間もなく景気後退が訪れている(1989年3月マイナス0.39%→12月日本バブル崩壊→90年7月~91年3月後退、2000年4月マイナス0.48%→12月インターネットバブル崩壊→01年3月~11月後退、2007年1月マイナス0.15%→08年9月リーマンショック→07年12月~09年6月後退)。
2022年9月~10月にはこれらよりも深いマイナスになっており、景気後退は近いうちに必ず来る。
足元、米国では住宅ローンの金利が高い水準にあり、こういう状況の時はしばらくして住宅投資が落ち込む傾向がある。住宅はCPI寄与度の中で大きなウエイトを占めることから、これにより物価下落要因となると思われる。そうすると、利下げが可能になる状況が近いのではなかろうか?
現在の株式市場を見ると、決算の悪い銘柄が大きく下落する「逆業績相場」とでもいうべき状況にある。こうなると、順序としては次に来るのは利下げによる金融相場。おそらく先進国の中で利下げが一番早いのも米国になるのかも? そして利下げとなれば債券価格にもプラスなので、「まるっと米国」にもかなり有利な市況が来るといえるのではないか。
市場見通しが当たるかどうかは特にコメントする気はありません(的を射たコメントができるとも自認していません)。ただ、相応に説得的な根拠はあり興味深いものではありました。
もっとも、長期投資への利用を念頭に置いたアピールをしておきながら、(逆)業績相場だの金融相場だのという短いサイクルの話で有利不利を論じるのは整合性としてどうなのだろうか、という気もしなくはありませんが……


質疑応答
Q:新興国投資に対する考え方
A:人口ボーナスの考え方を重視。人口の増加している国は成長性が期待できる(アメリカにしてもイギリスにしても移民政策を取って人口を増やしている)。その上で、時価総額(小さすぎると投資できない)や一人当たりGDP(成長性が残っている=あまり現時点でのGDPが大きすぎない)などでスクリーニングすると4か国程度に絞られる。その中ではインドに注目している。

Q:SBIアセットは低コスト商品を提供している印象がある。利益度外視の理念があるということ?
A:あるといえばある。インデックスファンドであれば低コストであるほど「指数そのまま」のパフォーマンスを実現できる(基本的にコスト分だけ指数と差がつくのがインデックスファンドだから)。そういう商品を届けることが重要だと思っている。

Q:アクティブファンドとしてこれから伸びるのは。
A:日本株であれば、jnextという中小型成長株のファンドが今は良いのではないかと思っている。国内中小型株というのはあまり注目されていないが(値上がりしたときに持ち上げられる傾向がある)、組入上位銘柄を見てもあまり知られていないマイナー銘柄を仕込んでいる。
値上がりしてから持ち上げられるというのはファンドあるあるですよね……
それはそうと、推しはジェイリバイブではないんですね。


Q:SBI V S&P500ではファンド内でレンディング(貸株)をやろうと思っているような話があったと思うが、その後どうなった?
A:準備は進めている。ただ、まだやっていない。やはりやる以上はファンドに利益が出るようにしたいが、他ファンドが普通にやっているようなスキームでは利幅が小さい。貸株に伴う担保のやり取りの方法を変えることで利幅が変わる一因になるので、その辺を変えつつ実行に向けて動いている。

Q:まるっと米国はなぜバンガードではなくiシェアーズなのか?
A::運用の指数との連動性、コスト面など商品としての機能ではバンガードにもiシェアーズにも差はほぼない。そのうえでiシェアーズと組んだのは、間口を広げる考えから。
iシェアーズは世界最大の純資産残高があり、商品もバラエティに富んでいる。いろいろな商品開発の可能性がある。
また、バンガードが日本撤退したことにより、情報が今までに比べて取りにくくなったという面もある。
今後、iシェアーズと組んだ商品を出すことも議論を続けている。
私の質問でした。
iシェアーズにはスマートベータ系も含めてバラエティが豊富ですから、個性的な商品はバンガードより出しやすいでしょう(スマートベータがいうほど良いものかどうかも議論あるところですが)
もともとEXE-iや雪だるまシリーズなどでは特にETFのブランドにこだわりはなかったはずですから、そのような姿勢に戻っただけと思えば大してドラスティックな変化でもないのかもしれません。
仮にステートストリート(SPDR)にメリットを見出せばそちらと組んだ商品の開発も普通にあるかもしれませんね。
それにしても、バンガードの撤退による(バンガード自身にとっての)悪影響が早速出てきましたね……


Q:emaxis slimに勝てる?
A:まるっとお米国との関係では、slim側ではバランスファンドつながりで8資産均等あたりをイメージされてるだろうか? パフォーマンスでは現時点では勝っているが…。
実のところ、米国株式+米国債券を半々でというのはslimを含むバランスファンド界でも当ファンドが初めてのようだ。
そのうえで、投資家に選ばれる商品になれるかどうかというのが勝った負けたということになろうか。そのためには、「何故運用成績が良く(悪く)なったのか?」ということがきちんと説明・理解しやすい商品であるかどうかというのが重要。

Q:販売会社がSBI証券しかないが、他社に広げる考えは?
A:広げたいとは思っている。また、他の販売会社からも問い合わせを受けてはいるが……
なにぶんSBI証券主催のセミナーなので、SBI証券の司会者のほうを窺うなどちょっと面白かったですw
楽天バンガードは早い段階で楽天証券以外での取り扱いがあって現在も相当のシェアをとれていますし、やはり間口を広げることは重要だと思います。
さらに、長らくみずほ銀行・みずほ証券での専売(低コストインデックス投信に関心の高い顧客が多いネット証券での扱いがない)が続いて鳴かず飛ばずの有様になってしまったi-mizuhoシリーズの経験を持つブラックロックとしても、再びその轍を踏むわけにも行かないでしょうから、いつまでもSBI証券専売ということは許してもらえるかどうか。


Q:比率を半々と決め、機械的にリバランスしていくことのメリットは? ファンドマネージャーが見通しを立てて比率を決めていくのと比べてどうか?
A:人の分析の手間が入らないことそのものがメリットになる。分析するコストの問題もあるし、分析したことが当たる当たらないの問題もある。
また、過去のパフォーマンスの提示(先に出した、過去10年積み立てしていたら…のような)も容易。仮に人の分析を入れる設計だと、過去のどの時点でどういう判断をしたか、かなり恣意的な仮定をすることになりかねないので、適正なパフォーマンス提示ができないだろう。
こと相場に対して人の予測判断が当たる当たらないはかなり怪しいところですから、まあ、納得しかないところです。
他にリスクが高まってきたら債券や短期金融資産を増やして…のような、おそらく定量的なデータを基にして資産配分を変えているのであろうファンドもありますが、そういうファンドもコロナショックの時などに底の付近で株式を全売却してしまって回復相場に乗れない…などの憂き目を見ていたり、碌な結果を出しているイメージがありませんし、やはり最初の段階で資産配分をきっちり決めておいてそれを守る形にしておいたほうが無難な印象はあります。


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SBIアセットブロガー交流会 | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2022/10/31(月) 07:00 ]
[ 最終更新:2022/10/31(月) 07:00 ]

SBIグループが新生銀行の仕組預金のコスト開示
SBIホールディングス傘下に入った新生銀行は、6月下旬から為替特約付きの仕組預金「パワード定期」のコスト開示に踏み切りました。
パワード定期(仕組預金)の販売手数料等の開示について

パワード定期は、為替特約を利用した仕組預金で、円貨で預入をした際に決められた特約レートよりも判定時点(満期時付近)での為替レートが円高になっていたら、特約レートで換算した外貨で払い戻しがされる(実際のレートの方が円高なので、結果的に為替差損が生じる)という商品です。
※ほかに、外貨で預入をするパターンも選択できます(特約レートより円安に進んだ時に特約レートで円転されて払い戻しされる)

仕組預金として典型的な商品類型で、預金金利が一般的な定期預金と比べて非常に高い数字が出るので、多くの銀行で同タイプの商品がかなり目立つ宣伝がされています。
(パワード定期の場合、「円で預け入れてドル円の相場を見る」タイプの商品では、1年物が4%を超えているようです)

ただ、「高金利」の裏には銀行と市場参加者との間での為替オプション取引があり、銀行が市場に売ったオプションの代金を銀行と預金者との間で山分けをしているという構図が、この金利の真の姿です。
そのような構図自体、そしてその山分けによる預金者の取り分は果たして適正なのか、という疑問はかなり以前から吉本佳生氏や山崎元氏などの識者から指摘されていました。
特に預金者の取り分は、そのような取引に参加するかどうかの意思決定をするのに極めて重要なファクターでしたが、今まではここが全くのブラックボックスでした。

今回のSBI及び新生銀行の取り組みにより、そこのブラックボックスについて、下記に引用するように図解も用いつつ極めて簡潔明瞭に開示がなされるようになりました。画期的な事と言ってよいでしょう。

当該販売手数料等は、書面の作成・郵送コスト等の販売に係る諸経費やアフターフォローの対価である「対価相当額(販売手数料)」および「為替特約設定に係る市場取引に要する費用(市場取引費用)」から成り立っており、それぞれについて預入期間毎に数値を明示し、合計値を購入時に支払う費用として開示しています。
パワード定期の適用金利(下図①)は、「通常の定期預金の金利(預金金利)」(下図②)に「為替特約プレミアムに該当する金利相当」(下図③)を加えたものから、「当行の販売役務の対価相当額および為替特約設定に係る市場取引に要する費用(費用合計)」(下図④)を差引いた金利となります。
(*)以下は重要情報シートで手数料の説明に用いるイメージ図の抜粋です。
(画像略)



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変な商品 | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2022/07/31(日) 18:00 ]
[ 最終更新:2022/07/31(日) 18:00 ]

インデックスファンドの拡大と金融機関収益。実は収益としてもう立派な柱になっているのでは?
日本経済新聞にて、投資信託の資金流入額ランキングを10年前と比較する記事が出ています。
投資信託の資金流入ランキング、10年前とは様変わり

記事によると、2022年の1~6月では流入額トップ10のうち4本が低コストインデックスファンド。これに対し、2012年の同期間ではインデックスファンドは1本もランクインしておらず、通貨選択型を含む毎月分配型が9本を占めるという構成でした。
10年間での投資環境や投資家の意識の変化などの大きさを改めて感じさせられる話でしたが、この記事の締め括りの記述をめぐって辛辣な意見が見られています。

記事の最後は、こう締めくくられています。

”アクティブ型は運用会社のメインの商品。信託報酬が一定以上あるアクティブファンドの残高が増えないと運用会社や販売金融機関の収益は上がらない。”


なんとも、売り手サイドの悔しさがにじみ出ている一文w



こういう容赦ない意見を目にするとどうしても「いいぞもっとやれそんなに石直球を投じなくても……」と思うものですが、それはさておき、こういう低コストインデックスファンドの伸びによる「運用会社や販売金融機関の収益」はどんなものでしょうか。

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投資信託 | トラックバック:0 | コメント:0
[ 2022/07/29(金) 07:00 ]
[ 最終更新:2022/07/29(金) 07:00 ]

「ほったらかし投資術」第3版! 時代により変わりつつも、主たる論は強固に変わらず
全面改訂 第3版 ほったらかし投資術を読みました。

本書は、言わずと知れたほったらかし投資という言葉の起源となった、経済評論家の山崎元氏&インデックス投資ブロガーの水瀬ケンイチ氏の共著による書籍(曰く、ほったらかし投資の公式本)です。
2010年の初版、2015年の全面改訂版に続く、6年半か7年ぶりの第3版となります。

本書の作りは、過去2版と同様に、投資理論面の深さ・精緻さを山崎氏が主に支え、水瀬氏が個人投資家として実践や試行錯誤を重ねてきた立場からの視点での論述を担い、理屈と感覚の両方から「ほったらかし投資」の全てを理解させてくれます。

3回の改訂を経ていますが、主要な論旨は(当たり前ですが)初版から一切変わっていません。
・インデックス投資あるいはパッシブ投資が個別株投資よりも「仕事のある人」にとって実践しやすい(そして誰にでも同じ結果を再現できる)ものであること
・同時に、それがアクティブ投資より有利な可能性が高いこと
・理論的になぜ有利であるのかの根拠
・コストを重視すべき事とその理由
・etc…
などなど、一貫して書き続けられている部分は多くあります。

一方で、時代の変化を反映して変わっている部分も勿論あります。
最も変わっているのは実践のために利用するべき投資商品。
従来の2版は、何本かのインデックスファンドの組み合わせになる事を前提に、その候補ファンドのリストを推薦したり、リバランスについて(その必要性ややり方など)の解説が入ったりしていました。
それが今作では、全世界株式インデックスファンド1本に投資するという単純明快な方法になっています。そのようなファンドが複数登場していることによるもので、より「ほったらかし投資」が実践しやすくなったことがわかります。
商品紹介やリバランスの記述がほぼ不要になった分、世界株インデックスへの投資がなぜ推奨されるのかの理由、各種インデックス(世界株式、先進国株式、国内株式、米国株式など)の比較分析など、理論面の解説が補強されています。
インデックス比較もまた投資対象として使える商品が増えてきたからこそですし(前回の版の当時には世界株ばかりでなく米国株式もダウ連動くらいしかなく、今とは比較にならない認知度でした)、またQ&Aの章に見える「FIREの可能性」「ほったらかし投資の終わらせ方」「ESG投資」など、最近関心が高まってきたテーマにも紙幅が割かれています。

各版を通じて、投資の根幹をなす部分については強固に維持されつつ、環境の変化や新しく発生した(あるいは関心が高まった)課題についてはアップデートがなされる、まさに不易流行を体現したシリーズとなっています。
それだけに、ほったらかし投資の何たるかを時代に合わせて理解するのに最適な書籍と言えるのではないでしょうか。

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[ 2022/03/17(木) 07:00 ]
[ 最終更新:2022/03/17(木) 07:00 ]

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